今週の注目レース

菊花賞(GⅠ)

京都競馬場 3000メートル(芝・外)馬齢 牡・牝 3歳オープン

データ分析

さまざまなドラマが生まれてきたクラシック最終戦

2020年にコントレイルが無敗の三冠を達成した一方で、2023年は春の二冠に出走していなかったドゥレッツァが戴冠を果たすなど、実績馬と上がり馬の対決も菊花賞の見どころの一つとなっている。他にはどのような特徴があるのか、阪神競馬場で行われた2021年と2022年を含む過去10年の結果を検証する。

近年は上位人気馬が活躍

以前は単勝6番人気以下の馬が複数3着以内に入るケースも見られたが、2019年以降は3着以内馬のうち少なくとも2頭は5番人気以内の馬となっているうえ、2桁人気馬が馬券に絡んだ年もない。近年の傾向を見る限り上位人気馬優勢と言ってよいだろう。〔表1〕

〔表1〕単勝人気別成績(過去10年)
単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3-0-3-4 30.0% 30.0% 60.0%
2番人気 2-3-0-5 20.0% 50.0% 50.0%
3番人気 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
4番人気 2-2-1-5 20.0% 40.0% 50.0%
5番人気 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
6〜9番人気 1-3-3-33 2.5% 10.0% 17.5%
10番人気以下 0-1-2-86 0% 1.1% 3.4%

芝2200メートル以上での実績をチェック

3歳馬にとって3000メートルは全馬が経験したことのない未知の距離となるため、距離を克服できるかどうかが重要となる。そこで、出走馬の過去の実績を調べると、過去10年の3着以内馬30頭中26頭は芝2200メートル以上のレースで、勝利経験もしくは重賞で3着以内に入った経験があった。芝2200メートル以上の距離での実績が一つの目安となりそうだ。〔表2〕

〔表2〕芝2200メートル以上での、勝利経験もしくは重賞で3着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 8-9-9-89 7.0% 14.8% 22.6%
なし 2-1-1-60 3.1% 4.7% 6.3%

前走の上がり3ハロンタイム推定順位に注目

過去10年のうち京都競馬場で行われた年(2015年から2020年、2023年、2024年)における出走馬の前走の上がり3ハロンタイム推定順位別成績では、同3位以内だった馬の好走率が高くなっている。末脚のしっかりしたタイプを重視したい。〔表3〕

〔表3〕前走の上がり3ハロンタイム推定順位別成績(京都競馬場で行われた2015年から2020年、2023年、2024年)
順位 成績 勝率 連対率 3着内率
3位以内 7-6-7-53 9.6% 17.8% 27.4%
4位以下 1-2-1-66 1.4% 4.3% 5.7%

中心はトライアル出走馬

過去10年の前走別成績を見ていくと、3着以内馬が最多なのは神戸新聞杯組の11頭で、セントライト記念組が9頭で続いている。まずはトライアル出走馬に注目したい。〔表4〕

〔表4〕前走別成績(過去10年)
前走 成績 勝率 連対率 3着内率
日本ダービー 0-1-0-2 0% 33.3% 33.3%
神戸新聞杯 4-3-4-52 6.3% 11.1% 17.5%
セントライト記念 4-3-2-35 9.1% 15.9% 20.5%
札幌記念 0-1-0-3 0% 25.0% 25.0%
ラジオNIKKEI賞 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
3勝クラス 1-1-0-6 12.5% 25.0% 25.0%
2勝クラス 0-1-4-35 0% 2.5% 12.5%
上記以外 0-0-0-14 0% 0% 0%

なお、前走3勝クラス組と2勝クラス組で3着以内に入った計7頭はいずれも前走が芝2200メートルで、これに該当する馬は3着内率が50.0%に達している。2023年優勝のドゥレッツァや昨年の2着馬(ヘデントール)と3着馬(アドマイヤテラ)もこれに当てはまっていた。〔表5〕

〔表5〕前走が3勝クラスまたは2勝クラスだった馬の、前走の距離別成績(過去10年)
前走の距離 成績 勝率 連対率 3着内率
芝2200m 1-2-4-7 7.1% 21.4% 50.0%
その他 0-0-0-34 0% 0% 0%
ウインファイブ対象レース
勝ち馬を探せ! FOR THE WIN

前走の着順と単勝人気も重要

〔表4〕の通り、過去10年の優勝馬10頭中8頭は前走が神戸新聞杯またはセントライト記念だった。そのうち7頭は前走で3着以内に入っていたことから、トライアルの好走馬が優勝候補の最右翼となりそうだ。なお、2021年優勝のタイトルホルダーはセントライト記念で13着に敗れていたとはいえ、同レースでは単勝1番人気に支持されていた。トライアル以外からの臨戦で勝利を収めた2頭も前走では1番人気だったので、トライアル好走馬以外を狙う際は前走の人気をチェックしたい。〔表6〕

(高那実 マヤ)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表6〕優勝馬の前走(着順)と、その単勝人気(過去10年)
年度 優勝馬 前走(着順) 前走の単勝人気
2015年 キタサンブラック セントライト記念(1着) 6番人気
2016年 サトノダイヤモンド 神戸新聞杯(1着) 1番人気
2017年 キセキ 神戸新聞杯(2着) 2番人気
2018年 フィエールマン ラジオNIKKEI賞(2着) 1番人気
2019年 ワールドプレミア 神戸新聞杯(3着) 3番人気
2020年 コントレイル 神戸新聞杯(1着) 1番人気
2021年 タイトルホルダー セントライト記念(13着) 1番人気
2022年 アスクビクターモア セントライト記念(2着) 1番人気
2023年 ドゥレッツァ 日本海S(1着) 1番人気
2024年 アーバンシック セントライト記念(1着) 2番人気

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: