1996年の創設以降の歴代優勝馬29頭中14頭は、同じ3歳牝馬三冠競走である桜花賞とオークスのうち少なくとも1つは勝利していた。ちなみに、桜花賞とオークスを両方とも勝っていた馬、すなわち1996年以降に3歳牝馬三冠を達成したのは、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドの6頭である。桜花賞をエンブロイダリーが、オークスをカムニャックが制した今年はどのような結末を迎えるのだろうか。今回は、阪神・芝2000メートルで行われた2021年と2022年を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の単勝人気別成績を見ると、3着以内馬30頭のうち25頭を5番人気以内の馬が占めている。一方、11番人気以下だった馬は3着以内に入った例がなく、6番人気から10番人気の馬も3着内率が10.0%にとどまっている。基本的に上位人気馬が強いレースだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-0-1-4 | 50.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 0-3-2-5 | 0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 2-2-0-6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-3-1-6 | 0% | 30.0% | 40.0% |
6〜10番人気 | 0-1-4-45 | 0% | 2.0% | 10.0% |
11番人気以下 | 0-0-0-71 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の着順別成績を見ると、3着以内馬30頭のうち29頭を前走で5着以内だった馬が占めている。一方、前走で6着以下だったにもかかわらず3着以内に入ったのは、2017年3着のモズカッチャンのみである。前走好走馬を重視した方がよさそうだ。〔表2〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 6-3-5-39 | 11.3% | 17.0% | 26.4% |
2着 | 3-0-2-18 | 13.0% | 13.0% | 21.7% |
3着 | 1-4-1-15 | 4.8% | 23.8% | 28.6% |
4着 | 0-1-1-9 | 0% | 9.1% | 18.2% |
5着 | 0-2-0-9 | 0% | 18.2% | 18.2% |
6着以下 | 0-0-1-51 | 0% | 0% | 1.9% |
過去10年の前走別成績を見ると、前走がオークスだった馬が6勝を挙げるなど3着内率38.5%と比較的優秀な成績を収めている。オークス以来の休み明けを不安要素と捉える必要はなさそうだ。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
オークス | 6-1-3-16 | 23.1% | 26.9% | 38.5% |
紫苑S | 3-5-0-40 | 6.3% | 16.7% | 16.7% |
ローズS | 1-3-5-47 | 1.8% | 7.1% | 16.1% |
藻岩山特別 | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
夕月特別 | 0-0-1-7 | 0% | 0% | 12.5% |
甲武特別 | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
その他のレース | 0-0-0-31 | 0% | 0% | 0% |
京都競馬場で行われた年(2015年から2020年、2023年、2024年)における前走の4コーナー通過順別成績を見ると、3着以内馬24頭中19頭は前走の4コーナーを5番手以下で通過していた。前走の4コーナーを中団や後方で通過していた、差し馬や追い込み馬が優勢とみておきたい。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の4コーナー通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4番手以内 | 0-2-3-52 | 0% | 3.5% | 8.8% |
5〜8番手 | 3-3-4-37 | 6.4% | 12.8% | 21.3% |
9番手以下 | 5-3-1-26 | 14.3% | 22.9% | 25.7% |
京都競馬場で行われた年(2015年から2020年、2023年、2024年)における優勝馬8頭は、いずれも前走の着順が3着以内、かつ前走の4コーナー通過順が5番手以下だった。また、この8頭は当レースでの単勝オッズが7倍未満だった点も共通している。前走の着順、4コーナーの通過順の傾向と一致している上位人気馬が有力といえるだろう。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年 | 優勝馬 | 前走の着順 | 前走の4コーナー通過順 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|---|
2015年 | ミッキークイーン | 2着 | 17番手 | 3.0倍 |
2016年 | ヴィブロス | 2着 | 11番手 | 6.3倍 |
2017年 | ディアドラ | 1着 | 11番手 | 6.3倍 |
2018年 | アーモンドアイ | 1着 | 5番手 | 1.3倍 |
2019年 | クロノジェネシス | 3着 | 5番手 | 6.9倍 |
2020年 | デアリングタクト | 1着 | 13番手 | 1.4倍 |
2023年 | リバティアイランド | 1着 | 6番手 | 1.1倍 |
2024年 | チェルヴィニア | 1着 | 10番手 | 2.3倍 |
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