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牡3歳
調教師:友道康夫(栗東)
精神面の課題が残っている馬で、返し馬までは大丈夫でも、ゲート裏でテンションが上がってしまうという。その点で言えば、今回は長距離輸送のあった春の2戦と違い、結果を出している関西圏での競馬。不安は減るだろう。
キャリア3戦目で迎えた昨年の朝日杯フューチュリティSを制し、GⅠ馬の仲間入りを果たしたモーリス産駒。前々走のニュージーランドT、前走のNHKマイルCではともに1番人気の支持を受けたが、前々走はクビ差の2着、前走は14着と大敗を喫した。レース後は休養でじっくりと立て直し、ここで秋の初戦を迎える。陣営も「順調に夏を越え、(馬体重の)数字はそこまで変わっていなくても、見た目にボリュームが出ています。成長していますね」と、3歳馬らしい上昇を感じている様子。秋の大舞台に向けて弾みをつけたい一戦となる。
牡3歳
調教師:奥村豊(栗東)
マイルでも結果を出しているが、デビュー戦は1400メートル。成長を見せているとはいえ、折り合い面を懸念していた背景を考慮すれば、この距離短縮はプラス材料と言えるだろう。500キログラムに迫る馬体だが、仕上がり早のタイプ。調教の動きもいい。
デビュー2戦目の朝日杯フューチュリティSで3着に好走。それ以降も重賞への格上挑戦を選択し、前々走のチャーチルダウンズCを差し切って2勝目を挙げた。春の目標にしていたNHKマイルCは5着に敗れたが、ハイペースで先行馬が総崩れする展開。本馬は好位勢で唯一掲示板(5着以内)を確保しており、中身は濃かったはずだ。騎乗した吉村誠之助騎手も「他の馬が伸びていたところを走らせてあげられませんでした。このポジションにいた中で5着に辛抱してくれましたし、地力は見せてくれたと思います」とコメント。初の他世代相手でも存在感を示す走りを見せられそうだ。
牡4歳
調教師:吉村圭司(栗東)
前走後の目標設定は早く、9月半ばには入厩し、栗東CWコースでの1週前追い切りでは強い負荷をかけられた。同じ休み明けだった前走よりも好気配に見える。瞬発力がセールスポイントの馬なので、前残りの展開は避けたいところだろう。
春シーズンは不本意な結果が続いたが、前走の関屋記念はコースレコード勝ちしたカナテープにクビ差の2着。ようやく留飲を下げた形になった。管理する吉村圭司調教師は「同着の2着でしたが、収得賞金を加算できたことは大きいですね。内から早めに抜け出した分もあったし、ハンデ戦で勝ち馬とは3.5キログラムの斤量差もありました。頑張ってくれたと思います」と振り返った。唯一の重賞勝ちは芝1800メートルのラジオNIKKEI賞でも、現在のベストは1400メートル。陣営も「昨年のスワンSが2着で、阪神Cが3着。現状ではベストの条件だと思っています」と適性を認めている。2つ目の重賞タイトル獲得を目指す。
牡6歳
調教師:深山雅史(美浦)
昨年のマイルチャンピオンシップで差のない3着に好走したように、ここでは実績上位。ただ、一昨年のスワンSが5着、京都で開催された昨年の阪神Cでも8着と、京都・芝1400メートルで結果が出ていないのは少し気になるところだ。
今年の上半期は2戦。海外遠征を敢行した1351ターフスプリント(G2・サウジアラビア・芝1351メートル)はアスコリピチェーノにアタマ差の2着、前走の安田記念でも勝ったジャンタルマンタルから0秒4差の5着と、地力の高さを見せている。前走後に松山弘平騎手は「スタートは一番早かったくらいで、展開も向きましたが、遠征帰りで厳しい面もあったと思います。そのような状況でも頑張ってくれました」とコメント。また、中間の調整について陣営は「休ませたなりの緩さはありましたが、追い切りをやるごとに良くなっています」と語っており、巻き返しの可能性は高そうだ。
牡3歳
調教師:須貝尚介(栗東)
テンションに課題がある馬で、春はその部分を考慮した調整。前走ではパドックの最後方を周回していても、少しうるさい面を見せていた。この部分がどれだけ成長しているかの確認をしたい。落ち着いて歩いていれば評価アップだ。
昨年のサウジアラビアロイヤルCで重賞初制覇。その後は4戦連続で重賞に挑戦して勝ち切れてはいないものの、3走前のシンザン記念と前々走のチャーチルダウンズCでは2着に入った。前走のNHKマイルCは直線で伸び切れず13着だったが、秘めるポテンシャルの高さは陣営も認めるところだ。陣営は「春よりも気持ちに余裕があり、馬体重も20キログラム近くは増えています。崩れたのは前走だけですし、今回は1400メートルを試してみます」とコメントしており、手応えを持っての復帰戦。初の他世代相手となる一戦で、約1年ぶりの勝利を決めたいところだろう。
牡7歳
調教師:池江泰寿(栗東)
脚質的に展開面の影響を受けやすいこともあるが、それ以上にポイントとなるのは馬場状態。水分を含んだ馬場は苦手なタイプだが、天候に恵まれないことが多い。開催当日だけでなく、それまでの馬場状態の変化にも注目したい。
前走の朱鷺S(リステッド・新潟・芝1400メートル)を差し切り、オープンクラスでの初勝利をマーク。2022年1月の3勝クラス・新春S(中京・芝1400メートル)以来となる約3年7か月ぶりの白星だったが、それを感じさせないくらいの鮮やかな決め手を発揮した。先週の京都大賞典で重賞初制覇を飾ったディープモンスターと同じ池江泰寿厩舎のディープインパクト産駒。7歳という年齢も同じだ。さらに、母のリトルゲルダも5歳になって重賞を勝った晩成タイプ。重賞初制覇の可能性に期待してもいいだろう。京都・芝コースでの過去2戦はどちらもオープンクラスのもので、ともに2着。舞台適性自体は高いはずだ。
牡4歳
調教師:古賀慎明(美浦)
キャリア15戦の成績は〔3・2・4・6〕だが、5着以内を外したレースは前々走のダービー卿チャレンジTのみで、9着でもタイム差は0秒4とわずか。堅実駆けがセールスポイントのタイプだ。重馬場で未勝利を勝っているものの、良馬場のほうがいいタイプだ。
3走前の洛陽S(リステッド・京都・芝1600メートル)では大外枠をものともせず、あっさりと抜け出して勝利。今回と距離は違うとはいえ、初めての京都・芝外回りコースを上手に走っていた。15戦のうちの13戦が左回りというキャリアだが、右回りのコースでも評価を落とす必要はなさそうだ。前走の京王杯スプリングCでは、勝ったトウシンマカオから0秒4差の3着。もっとも、本馬も従来のコースレコードを上回る好時計で走っていた。騎乗した松山弘平騎手も「上位の2頭はGⅠで戦ってきた馬。その相手にいい走りができましたし、どこかでチャンスがありそうです」と語っていた。待望の重賞初制覇となるか、注目したい。
牡4歳
調教師:池添学(栗東)
速い時計が出やすい馬場コンディションだったとはいえ、スローペースにもかかわらずコースレコードに0秒1差まで迫った前走の時計は優秀。スピードが生きる京都・芝1400メートルはベストの舞台と言えるだろう。持ち味が最も生きるのはパンパンの良馬場だ。
母のリラヴァティはマーメイドSを勝った重賞勝ち馬で、叔母にはオークス馬シンハライトがいる。本馬は3歳の2月の遅いデビューでありながら、キャリア2戦目に重賞のアーリントンCに参戦したように、素質を評価されていた血統馬だ。ここまでのキャリアは7戦と数は使っていないが、その成績は〔4・2・0・1〕。連対を外した唯一のレースが前述した重賞のアーリントンCで、約1年半ぶりの重賞挑戦でどのような走りを見せるかに注目が集まる。1分19秒1の好時計で楽勝した前走の3勝クラス・新潟日報賞(新潟・芝1400メートル)の走りを思えば、相手強化でも期待のほうが大きい一戦と言える。
(松浪 大樹)
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