今週の注目レース

毎日王冠(GⅡ)

東京競馬場 1800メートル(芝)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

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チェルヴィニア

牝4歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:チェッキーノ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

昨年はオークス、秋華賞の二冠制覇を達成。海外遠征からの帰国初戦だった前走・しらさぎSでも勝ち馬から小差の2着に入った。昨春の桜花賞(13着)以来のマイル戦に対応できたのは、1800メートルで行われる毎日王冠への収穫と言えるだろう。

前走・しらさぎSは1番人気での出走。ゆったりとした流れのなか、凝縮した馬群の中団を追走し、直線で一気に末脚を伸ばしたが、マイル路線を主戦場にする1着馬キープカルムの切れ味に1馬身及ばなかった。騎乗したC.ルメール騎手は「スムーズな競馬で手応えは良かったですが、ペースが遅かったです。もう少し速い流れだったら」と悔しがった。それでも、6着だったドバイシーマクラシック(G1・UAE・芝2410メートル)からの帰国初戦、キャリア初の斤量57キログラム、久々のマイル戦だったことを考慮すれば、上々の内容だったと言えるだろう。同じ木村哲也厩舎で管理される同世代のレガレイラは、先日のオールカマーを快勝。本馬も格好をつけたい秋始動戦だ。

サトノシャイニング

牡3歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:スウィーティーガール
  • 母の父:Star Dabbler
ここに注目!

春のクラシックは皐月賞5着、日本ダービー4着と高いレベルで安定。東京・芝1800メートルは、昨年の東京スポーツ杯2歳Sでのちのダービー馬クロワデュノールの2着に好走した舞台。休養を経ての成長を示す3歳秋初戦だ。

5番人気で挑んだ前走・日本ダービー。大外枠からスッと先行し、センスの高さを見せつけた。道中はハナを譲る形にはなったが、直線で脚を伸ばした上位勢にしぶとい粘りで抵抗。勝ち馬クロワデュノールから0秒4差の4着なら評価できるだろう。騎乗した武豊騎手は「1、2コーナーで(外から馬に)来られた時に少しエキサイトしてしまいましたが、頑張ってくれました」と相棒のファイトを称えた。今回と同舞台で行われた昨年の東京スポーツ杯(2着)も、勝ち馬クロワデュノールと0秒1差。現3歳世代トップ級の能力を有しているのは間違いない。前走後は成長を促す夏休みへ。心身ともにパワーアップした状態でターフに戻ってくる。

ホウオウビスケッツ

牡5歳

調教師:奥村武(美浦)

  • 父:マインドユアビスケッツ
  • 母:ホウオウサブリナ
  • 母の父:ルーラーシップ
ここに注目!

昨年の毎日王冠は逃げて2着。勝ち馬シックスペンスとはわずかクビ差だった。続く天皇賞(秋)でも3着に好走した地力は本物。休み明けで馬体重12キログラム増だった前走・札幌記念(7着)を一度使われ、今年も上位争いを演じる。

前走・札幌記念は1番人気に支持されたが7着。好スタートを切り、道中は息を入れて好位で運べていたが、ラストは思ったように脚を伸ばすことができなかった。騎乗した岩田康誠騎手は「馬場状態(稍重)も影響したのかな。3、4コーナーで手応えが怪しくなりました。1コーナー過ぎでエキサイトする場面はあったけど、そこからはリラックスして走れていたのですが」と振り返った。約4か月半ぶりの実戦、プラス12キログラムの馬体重も影響したかもしれない。ただ、その後は順調な調整ぶりを見せ、陣営は昨年以上の状態にあることをアピールしている。スピードを生かせる開幕週の馬場コンディションは絶好の条件。2着だった昨年以上の結果を期待したい。

レーベンスティール

牡5歳

調教師:田中博康(美浦)

  • 父:リアルスティール
  • 母:トウカイライフ
  • 母の父:トウカイテイオー
ここに注目!

ここまで重賞3勝。当舞台では昨年のエプソムCで2馬身差Vを飾っている。初のマイル戦だった前走・しらさぎSは7着に敗れたが、約5か月ぶりだった影響もあったか。中間は好気配が漂い、重賞4勝目を狙える態勢にある。

2番人気に支持された前走・しらさぎS。キャリア13戦目で初のマイル戦に挑んだが、直線で鋭さを見せることはできなかった。騎乗した川田将雅騎手は「4コーナーまでとてもいい内容でした。1600メートルも合っていると思います。ただ、動きが出なかったです」と話した。東京・芝1800メートルは3戦2勝、2着1回。昨年のエプソムC(1着)では、メンバー中最重量の59キログラムを背負いながら2着馬に2馬身差をつけた。秋初戦は2023年のセントライト記念、昨年のオールカマーと2年連続で重賞を制覇。近3戦は結果を残せていないが、秋初戦のここで大きく見直したい。

エルトンバローズ

牡5歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:ディープブリランテ
  • 母:ショウナンカラット
  • 母の父:ブライアンズタイム
ここに注目!

3年連続での毎日王冠出走。2年前は優勝、昨年は3着と抜群の相性を誇る。昨秋はGⅠのマイルチャンピオンシップでも2着に好走。骨折休養明けだった前走・中京記念(8着)を一度使われ、ここで本領発揮といきたい。

何より評価したいのは、3歳で勝利を飾った2023年の毎日王冠だ。好位からそつのない立ち回りで初対戦の年長馬を撃破。負かした相手は、すでにGⅠを3勝していたソングライン(2着)、2021年NHKマイルC優勝馬シュネルマイスター(3着)、先週のスプリンターズSを優勝したウインカーネリアン(5着)など、そうそうたるメンバーだった。2年連続で出走した昨年も勝ち馬シックスペンスから0秒2差の3着に好走しており、レース相性の良さはかなりのものだ。9か月ぶりだった前走を経て気配は上昇。栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、サトノシャイニングと併せて好時計をマークした。反撃の態勢は整ったとみていいだろう。

ロングラン

せん7歳

調教師:和田勇介(美浦)

  • 父:ヴィクトワールピサ
  • 母:ノッテビアンカ
  • 母の父:Kendargent
ここに注目!

7歳を迎えた今年、一気に覚醒の感。2月の小倉大賞典を豪快に差し切ると、返す刀でマイラーズCも優勝した。GⅠ初挑戦だった前走・安田記念こそ13着に敗れたが、GⅡなら堂々と渡り合えるだけの力がある。

前走・安田記念は15番人気で13着。スタートしてまもなく気負った様子を見せながらポジションを上げていったが、なんとか好位につけて我慢の競馬。4コーナーでは外から進出したが、うまく息を入れることができなかった分、最後は脚が残っていなかった。騎乗した岩田康誠騎手は「馬の状態が良すぎて行く気になりすぎてしまいました。最後は力負けではありません」と、本来の能力でないことを強調した。この中間は安田記念を踏まえて折り合い面を考慮した調整を消化し、順調に状態を上げてきている。近2戦はマイル戦に挑んだが、全7勝中6勝(うち2勝はダート)が1800メートル戦。大舞台での経験も糧にして、ここで仕切り直す。

シリウスコルト

牡4歳

調教師:田中勝春(美浦)

  • 父:マクフィ
  • 母:オールドフレイム
  • 母の父:ゼンノロブロイ
ここに注目!

昨年の弥生賞ディープインパクト記念で3着と、早くから頭角を現した素質馬。その後は成績を落とした時期もあったが、今年5月の新潟大賞典で待望の重賞初勝利を達成した。トップハンデで8着に敗れた前走・七夕賞からの逆襲も十分にありそうだ。

前々走の新潟大賞典で念願の重賞初制覇。絶妙なペースで逃げて体力を温存し、直線で後方から伸びたサブマリーナを2馬身差退けてゴールした。騎乗した古川吉洋騎手は「いろいろな展開を考えていたけど、ハナに行くのも一つの作戦だと思っていました」と、8番人気での快走を喜んだ。前走・七夕賞は8着だったが、ラストで粘りを欠いたのは58.5キログラムのトップハンデも影響したか。別定戦の今回、背負い慣れた57キログラムならば、違った走りを見せられるはずだ。キャリア唯一の1800メートル戦は3歳時のラジオNIKKEI賞で、2着に好走している。まだまだ成長が見込める4歳の秋初戦だけに、楽しみが大きい。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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