今週の注目レース

札幌2歳ステークス(GⅢ)

札幌競馬場 1800メートル(芝)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

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ショウナンガルフ

牡2歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:ミカリーニョ
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

2023年のセレクトセールにおいて2億3100万円(消費税込み)で取引された良血馬。メイクデビュー函館(芝1800メートル)では単勝オッズ1.3倍という圧倒的支持に応え、7馬身差の圧勝劇を演じた。重賞でも主役候補になる。

強かったデビュー戦は2番手からの押し切り勝ち。物見をして調教の時以上にテンションが上がっていたようだが、それでも我慢の利いた追走ができた点が大きかった。3、4コーナーで逃げ馬に並びかけ、直線では軽く仕掛ける程度で他を圧倒。高額取引馬であることに加えて、調教でも動きの良さが話題になっていたが、その評判通りの走りを見せた。初戦後は放牧へ出され、函館競馬場を経由して札幌競馬場へ移動。その間も順調に調整が進められており、体の使い方がグンと良くなったように見える。重賞でも連勝がかなうだけの態勢が整っている。

ロスパレドネス

牡2歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:ドレフォン
  • 母:アロマティコ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

2022年の皐月賞を制したジオグリフの全弟らしいセンスあるレースぶりで初陣を突破。そのジオグリフは2021年の札幌2歳Sの勝ち馬でもあった。兄同様、当レースを飛躍のきっかけにできるのか、注目したい。

メイクデビュー福島(芝1800メートル)のパドックでは2人引きで少し難しいところを見せ、いかにも初戦といった気持ちの若さを出していた。ところがレースではそういった面をまったく見せず、優等生然とした競馬。中団で折り合うと4コーナーでは前を射程圏内に入れて直線で一気に伸び、各馬を飲み込んでの快勝だった。全兄のジオグリフは東京の新馬勝ちから札幌2歳Sも連勝。翌年の皐月賞ではイクイノックス、ドウデュースというその後、歴史的名馬に成長する2頭を抑えて優勝した。その偉大な兄に続けるのか、まずは札幌2歳Sの兄弟制覇を目指す。

スマートプリエール

牝2歳

調教師:大久保龍志(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:スマートレイアー
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

距離の長短や競馬場を問わない活躍で重賞4勝を挙げたスマートレイアーの産駒。本馬のデビュー戦は3着だったが、2戦目では後続に4馬身差をつけて快勝した。母も走った大舞台を目指すためにも、ここは弾みをつけたい一戦になる。

メイクデビュー阪神(芝1800メートル)は3着だったが、素質馬ぞろいの一戦で、自身も含めた2着から4着馬が既に勝ち上がっている。レースはスタートで後手を踏み、後方からの競馬となったが、上がり3ハロン33秒9(推定)の脚で追い上げて、脚力は十分に示していた。2戦目の未勝利(函館・芝1800メートル)は好位で折り合うと、4コーナーではほとんど馬なりのまま先頭に立つ勢い。直線では少し気合をつけられる程度で後続をグングン突き放す圧巻のパフォーマンスで初勝利を挙げた。母が重賞勝ちを収めたのは古馬になってからだったが、本馬は既に重賞を狙える立ち位置におり、母が走っていない春のクラシックでの活躍も期待されるところだ。

アーレムアレス

牡2歳

調教師:橋口慎介(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:スターズインヘヴン
  • 母の父:ワークフォース
ここに注目!

好位から楽に抜けてメイクデビュー函館(芝1800メートル)を勝利。見た目からして強かったが、開催の最終日だった点を思えば時計も水準以上。ラスト1ハロンのレースラップも11秒3と優秀だった。素質馬ぞろいのここでも好勝負になり得る存在だ。

9頭立ての4番人気と前評判はそこまで高くなかったが、その評価を覆す走りを見せたのがデビュー戦だ。好位馬群の中で折り合うと、4コーナーでは絶好の手応え。直線で外に出されると、その手応え通りに伸びて快勝した。抜け出す際の勢いが他馬とは違っていたうえ、雄大なフットワークも好印象だった。半姉のアーテルアストレア(父リーチザクラウン)は古馬になってダートグレードレースを3勝し、牝馬ダート路線の一線級として活躍。その姉に主戦として騎乗していたのが、本馬ともコンビを組む菱田裕二騎手だった。フィールドは違うが、菱田騎手を背に姉に続く重賞勝ちを果たせるのか、注目したい。

ポペット

牝2歳

調教師:高橋康之(栗東)

  • 父:サトノクラウン
  • 母:プティシュシュ
  • 母の父:エピファネイア
ここに注目!

強烈な決め手を発揮して差し切り勝ちを収めたメイクデビュー札幌(芝1500メートル)が印象的。今回は距離延長に加えて斤量増と克服すべき課題はあるが、“それでも”と思わせるだけの勝ちっぷりだった。鋭さ比べになれば、重賞でも互角以上に戦えるはずだ。

今夏に行われた札幌・芝の新馬戦の中でもかなりのインパクトがあったのが本馬のレースだ。直線では内にモタれるところを鞍上の橋木太希騎手が修正しながらの走りだったが、それでも伸びは止まらず1着。脚力の違いを見せるとともに、フットワークの良さも目立つ快勝だった。斤量が減量騎手起用の52キログラムだったとはいえ、レースの終い2ハロン11秒3、11秒3のラップは優秀な数字。あの勢いなら斤量増も300メートルの距離延長も難なく突破しそうな雰囲気がある。2年目の橋木騎手はこれがJRA重賞初騎乗となり、人馬ともにフレッシュ感満載のコンビ。この点でも大いに注目を集めそうだ。

サンセットゴールド

牡2歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:パスティエーラ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

重馬場もあって時計は目立たないが、好位から正攻法の競馬で2着馬との競り合いを制したメイクデビュー札幌(芝1800メートル)は中身が濃かった。その後の調教内容が良く、使っての上積みが期待できそうだ。

デビュー戦は雨の影響を受けた馬場状態(重)ということもあってか各馬慎重な走りで、かなりゆったりとした流れ。このペースのなかでも本馬は折り合いを欠くことなく追走し、残り400メートルを切ってから鞍上のアクションに応える格好で一気に加速した。残り200メートルのところでは既に先頭。そのまま押し切り先頭でゴールした。2着馬との着差はクビだったが、遅い流れでも冷静に走れていた点と、勝負どころでの反応の良さは相手が強くなる今回でも大きな武器となりそうだ。一度使ったことで調教の動きもグンと上昇。軽視はできない。

ヒシアムルーズ

牡2歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:サートゥルナーリア
  • 母:ソーメニーウェイズ
  • 母の父:Sightseeing
ここに注目!

デビュー戦は3コーナーで先頭に立って、直線でさらにリードを広げて押し切るというなかなか見られない勝ち方。心身ともに若さを残すが、それが伸びしろの大きさでもある。重賞でも通用するポテンシャルを秘める。

母ソーメニーウェイズはアメリカ・ダート1400メートルのG1勝ち馬で、父サートゥルナーリアは2019年の皐月賞馬。本馬は2024年のセレクトセールにおいて1億4850万円(消費税込み)で取り引きされた期待馬だ。デビュー戦はその良血らしいポテンシャルの高さがうかがえる快勝劇。騎乗したR.キング騎手は「直線に向いてしばらくすると手前を替えていたし、まだ体の使い方を覚えている段階ですが、ラストも頑張ってくれましたね。これからレベルアップできるタイプでしょう」と、成長途上でありつつも素質の良さを評価していた。前走後は函館で調整が進められ、8月27日には一杯の追い切りを消化。パワーアップを見込んでよさそうだ。

オブラプリーマ

牝2歳

調教師:上原佑紀(美浦)

  • 父:ヴァンゴッホ
  • 母:マナローラ
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

後方から競馬を進めた初戦はレース後半から追い上げを開始し、直線で素晴らしい伸びを見せての差し切り勝ちだった。今回のメンバーで2000メートルを勝っているのはこの馬だけ。その持久力を武器に上位を争う。

父ヴァンゴッホは今年の新種牡馬。現役時代は2020年にフランスの2歳マイルG1を勝っている。本馬の新馬勝ちが父のJRA産駒初勝利となった。その新馬戦は父がG1を制した時と同様の、末脚を生かす競馬での勝利。長くいい脚が使える印象で、開催の最終週となる洋芝の札幌・芝1800メートルでさらに良さが出そうなイメージが湧く。この中間も美浦トレーニング・センターで調整され、操縦性や力強さが増したことを示す好調教を披露。デビュー時馬体重が406キログラムという小柄な牝馬だけに、札幌への長距離輸送を経ての馬体維持は鍵になりそうだが、力を出し切れれば上位争いになっていい。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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