キーンランドCはサマースプリントシリーズの第5戦であると同時に、スプリンターズSの前哨戦でもある。シリーズを転戦してきた馬と、秋の大一番を見据えてここから始動する馬が相まみえる一戦には、どのような特徴があるのだろうか。過去10年の結果から調べてみたい。
過去10年のキーンランドCでは、単勝1番人気から3番人気がそろって4着以下に敗れたことは一度もない。10番人気以下の馬が3着以内に入ったのは、2017年1着のエポワスの1例のみだが、6番人気から9番人気の馬は合わせて10頭が3着以内に入っているうえ、2頭同時に3着以内に入ったケースも3回あるので、伏兵にも気を配った方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-1-1-5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-4-1-3 | 20.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-0-2-7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
4番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 2-4-4-30 | 5.0% | 15.0% | 25.0% |
10番人気以下 | 1-0-0-63 | 1.6% | 1.6% | 1.6% |
過去10年の前走別成績を調べると、GⅢ組が3着以内馬延べ30頭中14頭を占めている。中でも、函館スプリントS3着以内から臨んだ馬が〔2・2・3・8〕と半数近くが3着以内に入っている。GⅢ組に次いでオープン特別組から7頭の3着以内馬が出ているが、そのうち6頭は前走がUHB賞で、こちらは6着以下に敗れていた馬が2勝2着1回と巻き返しが見られるので、敗れていた馬にも警戒しておきたい。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 3-1-1-12 | 17.6% | 23.5% | 29.4% |
GⅡ | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
GⅢ | 4-5-5-45 | 6.8% | 15.3% | 23.7% |
オープン特別 | 2-3-2-57 | 3.1% | 7.8% | 10.9% |
3勝クラス | 1-1-0-3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
海外のレース | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
上記以外 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の枠番別成績を見ていくと、1枠から4枠だった馬は2着こそ6回あるものの、優勝したのは2022年のヴェントヴォーチェしかいない。単勝1番人気に支持されながら4着以下に敗れた馬も昨年のナムラクレア(5着)など3頭いるので、1枠から4枠に入った人気馬は過信禁物といえそうだ。〔表3〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜4枠 | 1-6-4-63 | 1.4% | 9.5% | 14.9% |
5〜8枠 | 9-4-6-61 | 11.3% | 16.3% | 23.8% |
過去10年の優勝馬10頭のうち、2017年のエポワスを除く9頭は5歳以下だった。また、2018年以降の優勝馬7頭中6頭は同年にオープンクラスの芝1200メートル戦を勝っていたので、今年のスプリント実績も重視すべきだろう。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 同年に優勝したオープンクラス・芝1200mのレース |
---|---|---|---|
2018年 | ナックビーナス | 5歳 | カーバンクルS |
2019年 | ダノンスマッシュ | 4歳 | シルクロードS |
2020年 | エイティーンガール | 4歳 | なし |
2021年 | レイハリア | 3歳 | 葵S |
2022年 | ヴェントヴォーチェ | 5歳 | 春雷S |
2023年 | ナムラクレア | 4歳 | シルクロードS |
2024年 | サトノレーヴ | 5歳 | 春雷S、函館スプリントS |
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