今週の注目レース

キーンランドカップ(GⅢ)

札幌競馬場 1200メートル(芝)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

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パンジャタワー

牡3歳

調教師:橋口慎介(栗東)

  • 父:タワーオブロンドン
  • 母:クラークスデール
  • 母の父:ヴィクトワールピサ
ここに注目!

昨年の京王杯2歳S、前走のNHKマイルCと重賞2勝をマーク。メイクデビュー中京で芝1200メートル戦を勝利しており、血統的にも距離短縮でパフォーマンスを上げる可能性はありそうだ。3歳馬だけに中間の成長も期待できる。

9番人気の低評価を覆した前走のNHKマイルC。中団後方から鋭く脚を伸ばし、ゴール前ではマジックサンズ(2着)、チェルビアット(3着)との大接戦を制した。短距離戦で力を発揮してきたタイプだけに、前半のハイペースも合っていた印象だ。騎乗した松山弘平騎手は「速いペースで流れたけど、東京(京王杯2歳S)で勝った時は差して強い競馬をしていました。その時のイメージを持っていました」と振り返った。NHKマイルC後は日本ダービーには向かわず休養へ。疲れを取りながら成長を促し、ここで本領の短距離路線に舵を切り直した。馬格があるタイプで秘めるパワーは十分。初の洋芝もこなせそうだ。

ウインカーネリアン

牡8歳

調教師:鹿戸雄一(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:コスモクリスタル
  • 母の父:マイネルラヴ
ここに注目!

近3戦は京阪杯2着、シルクロードS3着、アルクオーツスプリント(G1・UAE・芝1200メートル)2着と、強敵相手に3着以内を外していない。8歳でもまだ馬体は若く、ここも持ち前の先行力で上位に食い込む。

3度目の海外遠征だった前走のアルクオーツスプリント(G1・UAE)。好スタートからハナを奪い、世界の強豪たちを従えての逃走劇に出た。最後までしぶとく粘ったが、イギリスのビリーヴィングに半馬身だけかわされての2着。騎乗した三浦皇成騎手は「海外にも慣れてくれたし、返し馬から落ち着きがあったのも頼もしかったです。ここまできたら本当に勝ちたかった」と悔しさを隠さなかった。芝1200メートル戦初挑戦だった昨年の高松宮記念で4着。序盤のダッシュ力は現スプリント路線でも上位と言える。前走後は北海道で英気を養い、函館競馬場に入厩。ここが帰国初戦だが、中間の雰囲気は上々だ。

レイピア

牡3歳

調教師:中竹和也(栗東)

  • 父:タワーオブロンドン
  • 母:アンナトルテ
  • 母の父:エンパイアメーカー
ここに注目!

キャリア12戦で3着以内が10回と、安定した走りを続けている。近2戦はさらにパフォーマンスの質を上げ、前走の3勝クラス・会津S(福島・芝1200メートル)を快勝してオープンクラス入りを決めた。ここでも通用可能だ。

昇級初戦ながら単勝オッズ1.3倍の1番人気に支持された前走の3勝クラス・会津S。4コーナーでは大外を回る正攻法の競馬で、長くいい脚を使って差し切った。上がり3ハロン34秒0(推定)はメンバー中最速で、2番目に速かった馬との差は0秒4。好位から粘ったトーセンエスクードを突き放した。3走前の葵Sでは、中団から鋭く伸びて3着に好走。次戦の北九州記念でも3着に頑張った勝ち馬アブキールベイとは0秒2差だった。2019年スプリンターズSを優勝したタワーオブロンドンの産駒。その父は2019年キーンランドC2着など、洋芝への高い適性も見せていた。いきなり通用するだけの下地はある。

カルプスペルシュ

牝3歳

調教師:石坂公一(栗東)

  • 父:シュヴァルグラン
  • 母:パロネラ
  • 母の父:ロードカナロア
ここに注目!

今夏の北海道で破竹の3連勝。前走の3勝クラス・TVh賞(札幌・芝1200メートル)も余裕たっぷりの先行抜け出しを決めた。メイクデビュー函館(芝1200メートル)を含む全4勝が洋芝コース。その勢いがこわい。

この夏で一気の覚醒。6月の函館・芝1200メートル戦で1勝クラスを勝ち上がると、2勝クラスのHTB杯(函館・芝1200メートル)、3勝クラス・TVh賞と3連勝中。その中身も濃く、HTB杯は1分07秒2の好時計、前走のTVh賞ではコースレコードと同タイムの1分07秒4をマークした。前走後に横山武史騎手は「充実期にありますが、(今夏)3戦目でさすがに少し疲れがありました。それでも好時計で勝つあたりはさすがで、まだまだ底を見せていません」と称賛した。今回は北海道4連戦の中では最も間隔を空けての調整。放牧を挟み、精神的なリフレッシュも施されている。勢いのままに初タイトルを手にするか、注目だ。

カルロヴェローチェ

せん5歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:シルバーステート
  • 母:スサーナトウショウ
  • 母の父:ロックオブジブラルタル
ここに注目!

2023年ファルコンSで2着に入り、早くから頭角を現した。その後は不振が続いたが、2走前のオープン特別・安達太良S(福島・芝1200メートル)を勝利。前走のアイビスサマーダッシュでは4着と、復調ムードが漂う。

4番人気だった前走のアイビスサマーダッシュは、外枠(8枠16番)からスッと好位を確保。スムーズな先行策に持ち込めたが、ラストはやや失速して4着に。直線競馬初挑戦がGⅢで、ピューロマジックの勝ち時計53秒7は2002年にカルストンライトオが記録したJRAレコードと同タイム。その中での0秒3差は健闘したと言っていいだろう。騎乗した丸山元気騎手は「勝ちに行った分、残り100メートルで脚が止まりました。この馬には少し時計が速かったかもしれません」と振り返った。骨折による長期休養から復帰後はなかなか結果を出せなかったが、ここで重賞を勝って完全復活といきたい。

エーティーマクフィ

牡6歳

調教師:武英智(栗東)

  • 父:マクフィ
  • 母:テンシンランマン
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

約2年半ぶりの芝だった前走のオープン特別・青函S(函館・芝1200メートル)を勝利。ダートの走りも悪くなかったが、力を要する洋芝への高い適性を示した形だ。当舞台でもメイクデビュー札幌2着の成績がある。

久々の芝に挑んだ前走のオープン特別・青函Sは12番人気でのV。道中は先行集団から距離を取った後方で追走し、4コーナーでは大外に持ち出して一完歩ずつ前との差を詰めた。マークした上がり3ハロン33秒7(推定)はメンバー中最速タイ。騎乗した藤岡佑介騎手は「期待以上の進みっぷりで、3コーナーあたりでひょっとしたらと思いました。捕らえ切ったところは評価できます」と頑張りを称えた。近4戦全てでメンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマーク。展開が合わないと差し切れないこともあるが、今の札幌の芝はタフなコンディションで、先週の札幌記念は差し馬が上位を独占した。今週も鮮やかな差しが決まるかもしれない。

ナムラクララ

牝3歳

調教師:長谷川浩大(栗東)

  • 父:アドマイヤマーズ
  • 母:サンクイーンⅡ
  • 母の父:Storm Cat
ここに注目!

春は同世代の強敵たちを相手にしたチューリップ賞で5着、桜花賞で13着。ひと息入れた後、距離短縮で挑んだ前走の3勝クラス・TVh杯(函館・芝1200メートル)でキャリア3勝目を手にした。そのスピードは重賞でも十分に通用するだろう。

2番人気で力強く押し切った前走の3勝クラス・TVh杯。好位からしぶとく粘り、外から迫るソルトクィーンをアタマ差封じた。桜花賞(13着)から400メートルの距離短縮だったが、初経験となるスプリント戦の流れにも器用に乗った。騎乗した浜中俊騎手は「正攻法の競馬ができました。2着馬が迫ってきたけどかわさせなかった。そこが一番評価できます」と勝負根性を称えた。同じ長谷川浩大厩舎で管理されるナムラクレア(父ミッキーアイル)の半妹。その姉はスプリントGⅠで5回3着以内に好走し、2023年のキーンランドCも優勝している。血統面からも楽しみが大きい。

フィオライア

牝4歳

調教師:西園正都(栗東)

  • 父:ファインニードル
  • 母:フルールシチー
  • 母の父:サクラバクシンオー
ここに注目!

武器のスピードを生かし、2024年の1勝クラス・小樽特別、前走のオープン特別・UHB賞と、札幌・芝1200メートルで2戦2勝。2走前・函館スプリントSこそ14着に敗れたが、2度目の重賞で前進が見込める。

2番人気に支持された前走のオープン特別・UHB賞は鮮やかな逃げ切り勝ち。淡々としたペースを刻み、直線も他の先行勢が失速するなかでしぶとく伸び、レッドヒルシューズ、サウザンサニーが後方から2着、3着に追い込む展開をしのぎ切った。騎乗した鮫島克駿騎手は「両サイドから馬が来ても踏ん張ってくれました。勝つなら思い切った競馬が必要だと思っていました。イメージ通りでした」と納得の口ぶりだった。過去10年のキーンランドCは前走・函館スプリントS組が最多の3勝を挙げているが、それに次ぐのが2勝の前走・UHB賞組。有力ステップレースVで得た自信を胸に、初タイトル奪取を目指す。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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