当レースは国内唯一の直線コースで行われる重賞で、直線巧者のスプリンターたちが集まる一戦だ。サマースプリントシリーズの対象レースであるだけでなく、スプリンターズSの前哨戦でもあり、出走馬の今後の動向も注目される一戦だ。ここでは過去10年の結果から傾向を調べている。
新潟の芝直線1000メートル戦は外枠の活躍が顕著なコースだ。この傾向は当レースでも変わりはなく、8枠の好走率が最も高く、それに続くのが5枠から7枠となっている。4枠から内の枠は3着以内に入った回数も少ないうえ好走率も低く、厳しい戦いを強いられている。〔表1〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 0-0-2-16 | 0% | 0% | 11.1% |
2枠 | 1-1-0-16 | 5.6% | 11.1% | 11.1% |
3枠 | 0-0-1-18 | 0% | 0% | 5.3% |
4枠 | 1-1-0-18 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
5枠 | 1-2-1-16 | 5.0% | 15.0% | 20.0% |
6枠 | 1-3-2-14 | 5.0% | 20.0% | 30.0% |
7枠 | 2-1-2-20 | 8.0% | 12.0% | 20.0% |
8枠 | 4-2-2-18 | 15.4% | 23.1% | 30.8% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中29頭は、前走で1000メートルか1200メートルのレースを使われていた。前走が1200メートルを超える距離だった馬は、データ的にかなり厳しそうだ。〔表2〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1000m | 5-7-1-38 | 9.8% | 23.5% | 25.5% |
1200m | 4-3-9-77 | 4.3% | 7.5% | 17.2% |
1400m以上 | 1-0-0-21 | 4.5% | 4.5% | 4.5% |
過去10年の前走別成績を見ると、5月の新潟で行われる芝直線1000メートルの韋駄天Sから転戦してきた馬が多いことがわかる。韋駄天S組は、4着以内に入っていた馬が〔4・6・1・15〕と好成績を残している一方、5着以下に敗れていた馬は〔0・1・0・20〕と低迷しているので、4着以内に入っていたかどうかを取捨の目安にしたい。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
韋駄天S | 4-7-1-35 | 8.5% | 23.4% | 25.5% |
CBC賞 | 2-0-1-14 | 11.8% | 11.8% | 17.6% |
葵S | 1-1-0-1 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
北九州記念 | 1-0-1-3 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
アイビスSD | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
コーラルS | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
過去10年の優勝馬延べ10頭のうち8頭が牝馬だった。しかも2020年から牝馬が5連勝中。牡・せん馬の成績が〔2・5・4・70〕なのに対し、牝馬は〔8・5・6・66〕と、3着以内馬の頭数でも牝馬が上回っている。枠番別の成績も踏まえて、外枠に入った牝馬は人気の有無にかかわらず押さえておきたい。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 性 | 枠番 |
---|---|---|---|
2015年 | ベルカント | 牝 | 8枠 |
2016年 | ベルカント | 牝 | 4枠 |
2017年 | ラインミーティア | 牡 | 8枠 |
2018年 | ダイメイプリンセス | 牝 | 8枠 |
2019年 | ライオンボス | 牡 | 6枠 |
2020年 | ジョーカナチャン | 牝 | 5枠 |
2021年 | オールアットワンス | 牝 | 7枠 |
2022年 | ビリーバー | 牝 | 8枠 |
2023年 | オールアットワンス | 牝 | 2枠 |
2024年 | モズメイメイ | 牝 | 7枠 |
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