開催日割の変更に伴うローテーションの整備等により、阪神競馬場・芝2000メートルを舞台(昨年は京都競馬場・芝2000メートル)にマーメイドSの名称で行われていた牝馬限定重賞が、レース名を府中牝馬Sに変更のうえ東京競馬場・芝1800メートルで行われることになった。ここでは、過去10年のマーメイドSのデータの中から、開催場や距離の変更の影響が少なそうなデータを元に、レース傾向を探っていきたい。
マーメイドSの過去10年の負担重量を調べると、勝率が最も高いのは50キログラムから51キログラムのいわゆる軽ハンデ馬だった。3着内率はそこまで高くないが、2021年1着のシャムロックヒル(10番人気)、2020年1着のサマーセント(7番人気)、2019年1着のサラス(7番人気)、2018年1着のアンドリエッテ(10番人気)と、低評価を覆して優勝を飾った馬が多いので、高配当を狙うなら軽ハンデ馬に注目したい。〔表1〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
49kg以下 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
50〜51kg | 5-3-0-38 | 10.9% | 17.4% | 17.4% |
52〜53kg | 2-2-4-35 | 4.7% | 9.3% | 18.6% |
54〜55kg | 3-4-6-29 | 7.1% | 16.7% | 31.0% |
55.5kg以上 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
マーメイドSの過去10年の前走別成績を調べてみると、最も好走率が高いのは前走がオープン特別だった馬となっている。また、前走が3勝クラスや2勝クラスだった馬でも通用していることがわかる。一方、前走が重賞だった馬は、注目度が大きい割に好走率は低めとなっている。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
重賞 | 1-4-5-48 | 1.7% | 8.6% | 17.2% |
オープン特別 | 2-1-2-11 | 12.5% | 18.8% | 31.3% |
3勝クラス | 6-4-1-45 | 10.7% | 17.9% | 19.6% |
2勝クラス | 1-1-2-16 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
古馬重賞は一般的に4歳馬や5歳馬の成績が優秀であることが多い。過去10年のマーメイドSでも勝利数が多いのは4歳馬と5歳馬だが、出走自体がまれな3歳馬を除けば3着内率に大きな差は出ていない。6歳以上の馬を必要以上に嫌う必要はなさそうだ。〔表3〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 4-4-3-41 | 7.7% | 15.4% | 21.2% |
5歳 | 5-5-5-58 | 6.8% | 13.7% | 20.5% |
6歳 | 1-1-1-17 | 5.0% | 10.0% | 15.0% |
7歳以上 | 0-0-1-3 | 0% | 0% | 25.0% |
勝ち馬の傾向を絞り切るのが難しい一戦だが、実績馬の出走が少ないこともあってか、過去10年のマーメイドSの優勝馬のうち9頭は重賞未勝利馬だった。また10頭中7頭は、牝馬限定重賞で3着以内に入った経験を持っていた。過去に牝馬限定重賞で好走歴のある重賞未勝利馬がいちおうの狙い目になりそうだ。〔表4〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 重賞 | 牝馬限定重賞での最高着順 |
---|---|---|---|
2015年 | シャトーブランシュ | 未勝利 | ローズS2着 |
2016年 | リラヴァティ | 未勝利 | 福島牝馬S2着 |
2017年 | マキシマムドパリ | 1勝 | 愛知杯1着 |
2018年 | アンドリエッテ | 未勝利 | チューリップ賞2着 |
2019年 | サラス | 未勝利 | 紫苑S13着 |
2020年 | サマーセント | 未勝利 | 未出走 |
2021年 | シャムロックヒル | 未勝利 | ローズS14着 |
2022年 | ウインマイティー | 未勝利 | オークス3着 |
2023年 | ビッグリボン | 未勝利 | 福島牝馬S2着 |
2024年 | アリスヴェリテ | 未勝利 | アルテミスS3着 |
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