昨年のNHKマイルCは朝日杯フューチュリティSの覇者ジャンタルマンタルが1着、阪神ジュベナイルフィリーズの優勝馬アスコリピチェーノが2着と、2歳GⅠを制した2頭によるワンツーとなって、3連単は8520円と堅く収まった。その一方で、2022年に同150万馬券が飛び出すなど、波乱の決着となった年もある。その攻略法を探すべく、過去10年の結果を分析する。
ジャンタルマンタルをはじめ単勝2番人気馬が4勝を挙げ、3着内率も70.0%となっている。それに対し、1番人気は同40.0%とやや低調だが、過去10年で3番人気以内の馬がそろって4着以下に敗れたことは一度もない。ただ、6番人気以下の馬も2016年以降は9年連続で馬券に絡み、複数頭が3着以内に入ったケースも5回を数える。2桁人気馬が3着以内に入った年もあるので、堅く収まった昨年はむしろ例外と捉えた方がいいのかもしれない。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
2番人気 | 4-2-1-3 | 40.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
6〜9番人気 | 3-2-4-31 | 7.5% | 12.5% | 22.5% |
10番人気以下 | 0-2-3-84 | 0% | 2.2% | 5.6% |
過去10年の前走別成績を調べると、皐月賞組と桜花賞組の3着内率が高くなっている。前走が皐月賞または桜花賞だった馬が単勝3番人気以内に支持された場合、〔5・3・0・2〕と連対率が80%に達する。3着以内馬の頭数ではアーリントンC(今年チャーチルダウンズCに改称)と、ニュージーランドTのトライアル組が6頭で並び、こちらは3着以内に入った12頭中9頭が6番人気以下だった。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
皐月賞 | 3-1-0-9 | 23.1% | 30.8% | 30.8% |
桜花賞 | 2-3-0-13 | 11.1% | 27.8% | 27.8% |
ニュージーランドT | 2-2-2-38 | 4.5% | 9.1% | 13.6% |
アーリントンC | 1-0-5-26 | 3.1% | 3.1% | 18.8% |
ファルコンS | 1-0-2-19 | 4.5% | 4.5% | 13.6% |
上記以外のJRA重賞 | 1-3-1-28 | 3.0% | 12.1% | 15.2% |
オープン特別 | 0-1-0-11 | 0% | 8.3% | 8.3% |
その他 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の着順別成績を見ていくと、前走で1着だった馬は3着内率7.1%と苦戦傾向にあり、当レースで4着以下に敗れた馬の中には3番人気以内だった馬が8頭もいる。前走を勝っての参戦となる馬は人気になっていても過信禁物だろう。また、前走で6着以下に敗れていた馬も3着内率が6.5%と厳しいので、前走が皐月賞や桜花賞であっても、6着以下に敗れていた馬は割り引いた方がよさそうだ。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 1-1-1-39 | 2.4% | 4.8% | 7.1% |
2〜5着 | 9-7-7-52 | 12.0% | 21.3% | 30.7% |
6着以下 | 0-2-2-58 | 0% | 3.2% | 6.5% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち17頭は、JRA・GⅠに出走したことがある馬だった。中でも、芝1600メートルのGⅠで5着以内に入った経験があった馬は〔7・2・2・21〕で、3着内率が34.4%に上昇する。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-6-3-62 | 10.1% | 17.7% | 21.5% |
なし | 2-4-7-87 | 2.0% | 6.0% | 13.0% |
2017年以降は6枠から8枠に入った馬の勝利が続いているので、まずは外寄りの枠に入った馬に注目したい。また、この8頭の優勝馬はいずれもデビュー戦を勝利で飾り、2戦目も2歳時に走っていた。さらに、2018年以降の優勝馬7頭はその2戦目も1着、もしくは重賞で3着以内だったので、早くから頭角を現していた馬が狙い目といえそうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 枠番 | デビュー2戦の成績 |
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2017年 | アエロリット | 8枠 | 新馬1着→サフラン賞2着 |
2018年 | ケイアイノーテック | 6枠 | 新馬1着→デイリー杯2歳S(GⅡ)3着 |
2019年 | アドマイヤマーズ | 8枠 | 新馬1着→中京2歳S1着 |
2020年 | ラウダシオン | 6枠 | 新馬1着→小倉2歳S(GⅢ)3着 |
2021年 | シュネルマイスター | 7枠 | 新馬1着→ひいらぎ賞1着 |
2022年 | ダノンスコーピオン | 8枠 | 新馬1着→萩S1着 |
2023年 | シャンパンカラー | 6枠 | 新馬1着→ベゴニア賞1着 |
2024年 | ジャンタルマンタル | 8枠 | 新馬1着→デイリー杯2歳S(GⅡ)1着 |
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