昨年はジャスティンミラノが無敗で皐月賞馬に輝き、その優勝タイムは当時のコースレコードだった。日本ダービー、菊花賞と続く三冠レースのなかで“最も速い馬が勝つ”と言われる皐月賞では、どのような馬が活躍しているのか。過去10年の結果から探ってみたい。
2017年に9番人気のアルアインが1着、12番人気のダンビュライトが3着に入って3連単で100万馬券が飛び出し、翌2018年も同37万円超の波乱となったが、1番人気から3番人気がそろって4着以下に敗れたのも、優勝馬が6番人気以下だったのもこの年が最後。1番人気の成績がやや物足りないものの、近年は上位人気馬優勢の傾向となっている。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-0-3-5 | 20.0% | 20.0% | 50.0% |
2番人気 | 3-1-0-6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
3番人気 | 1-3-2-4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 0-2-1-7 | 0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 3-3-3-31 | 7.5% | 15.0% | 22.5% |
10番人気以下 | 0-0-1-81 | 0% | 0% | 1.2% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち、25頭はJRA重賞の勝ち馬だった。ここが重賞初制覇だった馬も2頭いたとはいえ、その2頭(2015年ドゥラメンテ、2018年エポカドーロ)は共にJRA重賞で2着に入ったことがあった。重賞連対歴のない馬を1着に固定するのは避けた方がよさそうだ。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-8-9-61 | 9.3% | 18.6% | 29.1% |
なし | 2-2-1-81 | 2.3% | 4.7% | 5.8% |
過去10年の3着以内馬30頭中21頭は前走を勝っての参戦だった。中でも前走で重賞を勝っていた馬が〔7・7・6・31〕(3着内率39.2%)と活躍している。これには2016年に単勝8番人気で勝利したディーマジェスティや前述のアルアインといった伏兵馬も含まれているので、該当する馬は人気がなくても侮れない。一方、前走で3着以下に敗れていた馬は3着内率5.0%と振るっていないので、割り引きが必要だろう。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 7-8-6-53 | 9.5% | 20.3% | 28.4% |
2着 | 3-1-2-32 | 7.9% | 10.5% | 15.8% |
3着以下 | 0-1-2-57 | 0% | 1.7% | 5.0% |
過去10年の3着以内馬30頭中16頭はこれまで3着以下に敗れたことがなかった。特に注目したいのが、無敗で臨んだ馬。無敗馬は〔5・3・3・14〕(3着内率44.0%)と半数近くが3着以内に入っているうえ、2019年以降の優勝馬6頭中5頭が無敗馬と、近年の活躍が目立つのも見逃せない傾向だ。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-6-5-106 | 2.5% | 7.5% | 11.7% |
なし | 7-4-5-36 | 13.5% | 21.2% | 30.8% |
〔表3〕の通り、過去10年の優勝馬はみな前走で2着以内に入っていた。さらに、いずれの馬も前走が重賞だったが、当レースと同コース同距離の弥生賞ディープインパクト記念からは意外にも優勝馬が出ていない。スプリングSからの臨戦で優勝した馬もエポカドーロのみで、トライアル以外の重賞で2着以内に入っていた馬が優勝するケースが多くなっている。〔表5〕
(高那実 マヤ)
年度 | 優勝馬 | 前走 |
---|---|---|
2015年 | ドゥラメンテ | 共同通信杯2着 |
2016年 | ディーマジェスティ | 共同通信杯1着 |
2017年 | アルアイン | 毎日杯1着 |
2018年 | エポカドーロ | スプリングS2着 |
2019年 | サートゥルナーリア | ホープフルS1着 |
2020年 | コントレイル | ホープフルS1着 |
2021年 | エフフォーリア | 共同通信杯1着 |
2022年 | ジオグリフ | 共同通信杯2着 |
2023年 | ソールオリエンス | 京成杯1着 |
2024年 | ジャスティンミラノ | 共同通信杯1着 |
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