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牡5歳
調教師:上村洋行(栗東)
早い段階から結果を残していた馬だが、陣営が、“完成期は5歳以降”と口にしてきた背景がある馬。トリッキーなコース形態に加えて距離も長かった有馬記念(4着)での走りは、完成の域が近づいていることを示している。
昨年の大阪杯で初のGⅠ制覇を達成。それ以降の3戦は宝塚記念がブローザホーンに0秒4差の3着、天皇賞(秋)がドウデュースに0秒4差の6着、有馬記念がレガレイラに0秒3差の4着と、連対こそ果たせていないものの勝ち馬と差のないところで走っている。3走前は極端な重馬場、前々走は夏負けの影響、前走は2500メートルの距離と、それぞれに能力以外の面での敗因もあった。今回は得意の2000メートルで、帰厩後の過程も順調そのもの。管理する上村洋行調教師も「寒い時期が合うようで、雰囲気が全然違う。夏場が苦手ということを考えれば、1年で最も順調に使えるレースでしょう」と、連覇を狙っている。
牝4歳
調教師:国枝栄(美浦)
昨秋の2戦に関しては、スタートの出遅れやダッシュがつかなかったことで位置が取れず、立ち回りを難しくした印象。今回の舞台は直線の短い内回りコース。レースをスムーズに進めるためにも、スタートを決めてある程度のポジションを確保したいところだ。
アスコリピチェーノとの競り合いを制し、初のGⅠタイトルを獲得した昨年の桜花賞から約1年が経過。この間は勝利こそないものの、オークスが2着、秋華賞が3着、前走の香港ヴァーズ(G1・芝2400メートル)も3着に入っており、その堅実さは高く評価できる。特に前走は初めての海外遠征というだけでなく、他世代の牡馬との対戦も初めて。手綱を取ったJ.モレイラ騎手はレース後に「不運な枠(大外13番)でラチ沿いのポジションを取れませんでした。でも、素晴らしい走りでした」と健闘をたたえた。海外の強豪にもまれた経験を生かして久々の勝利を挙げることができるのか、注目したい。
牡6歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
本格化した4歳以降で大きく崩れたのは昨年の宝塚記念(10着)のみ。この一戦はかなり水分を含んだ馬場コンディション(重馬場)だった。そのような状態にさえならければ、今回も上位争い必至と言っていいだろう。
一昨年の天皇賞(春)を制したディープインパクト産駒。その戦績からステイヤーの印象を持たれがちだが、大阪杯と同距離の天皇賞(秋)では一昨年が2着、昨年が4着と、勝ち切れないながらも中距離の時計が速い決着に対応する走りを見せている。2000メートルが距離不足ということはなく、潜在能力もメンバー中上位との判断でOKだろう。ただ、最近は序盤の位置取りに泣くことが少なくなく、前走の有馬記念(5着)もスタートこそ決めたものの、ポジションを取り切れなかった。陣営も「できれば中団くらいで進めたいです」と話しており、道中のポジションが鍵を握るとみているようだ。
牡4歳
調教師:国枝栄(美浦)
調整が順調に進まず、10キログラム増だった前走時のシルエットは太め残り。仕上がり切っていなかった一戦を使った上積みは間違いなくあるはずだ。2000メートルへの距離延長と阪神への長距離輸送が課題となる。
これまで6戦5勝のキャリアでGⅡを3勝。スローペースの上がり勝負を制した昨年のスプリングSや毎日王冠と違い、前走の中山記念は前半がハイペースで、勝ち時計もコースレコードの1分44秒8という、それまでと全く異なる展開での勝利。それでも難なく結果を出したことで、GⅠタイトル獲得への期待値が一気に上がった印象だ。管理する国枝栄調教は「必ずしも万全でない状況で強い勝ちっぷりでした。改めて能力を再確認しました」と前走を振り返った。多くの名馬を育てた名伯楽にも認められた素質馬が、初のGⅠ制覇を目指す。
牡5歳
調教師:中内田充正(栗東)
前走で2200メートルを克服したが、折り合い面に難しさの残るタイプで、全6勝のうちの3勝をマークしている2000メートルへの距離短縮はプラス材料と考えてよさそうだ。阪神の経験は外回りコースのみ。器用さが求められる内回りへの対応が鍵になる。
前走の日経新春杯で重賞初制覇を果たした5歳馬。ライバルほどの実績は挙げられていないが、これまでのキャリア9戦で3着以内を外したレースは距離が微妙に長かった3歳秋の神戸新聞杯の4着のみという堅実派。当時はキャリア4戦目で成長途上でもあったことを思えば、現在は常に高いパフォーマンスを見せることができる馬との認識でよさそうだ。今回が初めてのGⅠ挑戦になるが、メイショウタバル(11着)がハイラップを刻んでタフな消耗戦となった前走を勝っていることからも、厳しい流れになりやすいGⅠの舞台は合っているかもしれない。
牡7歳
調教師:友道康夫(栗東)
道中の走りに少し力みのあった毎日王冠(7着)の内容を踏まえ、前走の京都記念(1着)ではハミを変更。馬具の工夫により操縦性が上がったようで、好位で折り合って進めることができた。GⅠでも好勝負となりそうだ。
屈腱炎による長期の休養を克服し、3走前の鳴尾記念、前走の京都記念と復帰後に重賞2勝をマーク。それだけでも十分に素晴らしい成績だが、前走は20キログラムの馬体重増。太め残りと言える状態でGⅡ制覇を果たした潜在能力は、今回のメンバーでも引けを取らないだろう。管理する友道康夫調教師も「10キログラムは余裕があったと考えているので、数字が減っても問題ないでしょうし、前走を使った上積みもあるはずです」と、前走以上のパフォーマンスを見込んでいる。3歳時の日本ダービー(7着)以来となるGⅠ挑戦で結果を出すようなら、競馬史に残るカムバック劇となりそうだ。
牡5歳
調教師:奥村武(美浦)
自分で積極的に動くこともできれば、2番手に引く形から競馬を進めることもできる。自在性が欲しい阪神・内回り2000メートルはぴったりの舞台設定で、この馬のキャラクターからもチャンスの大きいGⅠと言えるだろう。
前々走の中山金杯は9着と敗れたが、59.5キログラムのハンデを背負っていたことに加え、希望していた有馬記念への出走がかなわず、予定をスライドした難しさもあったようだ。ハナ差の2着と涙を飲んだ前走の金鯱賞だったが、これは大逃げをしたデシエルト(4着)を捕まえに行ったところを差されたもの。騎乗した岩田康誠騎手の「理想的な形になりましたけど、いくらか仕掛けが早くなってしまった分だけ脚が上がってしまいました」とのコメントを聞けば、力負けとは言えないだろう。昨年の天皇賞(秋)3着の内容からも、GⅠタイトル奪取が可能なところまで地力をつけている。
牡4歳
調教師:牧浦充徳(栗東)
近2走は1着、2着。ともに内めの枠だったとはいえ、馬群のインをそつなく立ち回って早めに抜け出す競馬で好走した。これは阪神・内回りコースでの好走パターンにも当てはまるはず。折り合い面に進境を見せており、距離延長も問題ないだろう。
前々走のディセンバーS(リステッド・中山・芝1800メートル)で久々の勝利を挙げたばかり。GⅠどころか重賞のタイトルも持っておらず、豪華メンバーの今回では格下的な実績だが、それでもマークを外せないほどの充実ぶりを見せている。体重こそ大きく変わっていないが、付くべきところに筋肉が付き、以前よりも明らかにパンプアップ。前走の中山記念ではシックスペンスの差し切りを許して2着だったが、着差はわずかにハナしかなく、自身の走破時計も従来のコースレコードより速かった。「状態も内容も抜群でした」とM.デムーロ騎手が振り返ったレース運びを再現できれば、チャンスは十分にありそうだ。
(松浪 大樹)
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