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牡7歳
調教師:池江泰寿(栗東)
昨年のマイルチャンピオンシップで待望のGⅠ初制覇を達成。前走の香港マイル(G1・芝1600メートル)でも2着に入るなどマイル路線の第一線を張り続けるが、ここで距離延長を選択した。この先の路線を占う一戦と言える。
国内外の強豪たちと頂点を争った前走の香港マイル(G1)。ラストは外から鋭く脚を使ったが、地元の雄・ヴォイッジバブルには1馬身1/4差及ばなかった。騎乗したJ.モレイラ騎手は「ポジションを取りに行ったけど、思ったよりも後ろからになってしまった。終いは素晴らしい脚を使って一生懸命走ってくれました」と、その走りを称えた。マイル路線のトップホースとして活躍してきたが、今回は2021年10月以来にマイル以外の距離を走る。ただ、もともとは芝2000メートルで新馬勝ちをした馬。初挑戦の芝1800メートルでも不安は少ないと言えるだろう。
牡4歳
調教師:国枝栄(美浦)
母フィンレイズラッキーチャームがアメリカのダートG1勝ち馬という良血馬。本馬は昨年のスプリングS、毎日王冠を制し、芝1800メートルの重賞は2戦2勝。明け4歳馬で、中間の成長も楽しみな一戦となる。
他世代との初対戦でも1番人気に支持された前走の毎日王冠。スムーズに好位を追走すると、直線でもしぶとい伸びを見せ、ホウオウビスケッツ(2着、次走の天皇賞・秋で3着)、エルトンバローズ(3着、次走のマイルチャンピオンシップで2着)といった強豪を撃破した。騎乗したC.ルメール騎手は「スタートがすごく上手なのでいいポジションが取れました。距離は短くなったが、彼にとってはちょうどいいペースでした」と喜んだ。蹄のトラブルでマイルチャンピオンシップは回避となったが、この中間は少しずつ状態を上げている。キャリア5戦で4勝。崩れたのは距離不安のあった日本ダービー(9着)だけと、秘めるポテンシャルは本物だ。
牡6歳
調教師:橋口慎介(栗東)
叔父にダービー馬シャフリヤール、皐月賞馬アルアインがいる良血馬。本馬は昨年の中京記念、今年の中山金杯と重賞を2勝。素質馬が本格化を果たしつつある。前走・中山金杯で当コースをクリアしたのも心強い。
4番人気だった前走・中山金杯。道中は中団インで集中力をキープしながらの追走。少しずつポジションを押し上げ、絶好の手応えで直線へ向くと、鋭い末脚で一気に弾けて先行勢を差し切った。騎乗した藤岡佑介騎手は「前走(マイルチャンピオンシップ11着)にない手応えで4コーナーを回ってこられました。2000メートルへの距離延長も合うと思っていました」と納得の口ぶりだった。過去10年の中山記念は、2018年、2019年のウインブライト、2021年のヒシイグアスと、前走・中山金杯組が3勝をマーク。1月頭のレースを使うことで、中山記念に向けてさらに状態を上げていきやすいイメージだ。中京記念で勝った1800メートルの距離にも不安はない。
牡4歳
調教師:牧浦充徳(栗東)
近親には2022年キーンランドC、2023年オーシャンSを制したヴェントヴォーチェがいる。本馬は、今回と同舞台で行われた前走のディセンバーS(リステッド)を好時計で快勝。その勢いは魅力たっぷりだ。
1番人気に応えた前走・ディセンバーS(リステッド)。道中は好位のインでじっとエネルギーをため、直線で鋭く弾けての快勝。これが約1年4か月ぶりの勝利となった。勝ち時計の1分45秒2はかなりの好タイム。過去10年の中山・芝1800メートル戦で2番目に速い勝ち時計だった。騎乗したT.マーカンド騎手は「この条件は走りやすかったです。重賞を走ってきた馬で、とにかくいい馬ですね」と絶賛した。2023年朝日杯フューチュリティS2着、2024年セントライト記念3着と、同世代との重賞では存在感を示してきた。2走前・菊花賞(9着)はさすがに距離が長かった印象で、芝1800メートル戦に限れば4戦3勝。前走だけ走れば好勝負になる。
牡9歳
調教師:池江泰寿(栗東)
全兄は2015年の宝塚記念、天皇賞(秋)とGⅠ2勝を挙げたラブリーデイ。本馬はGⅡとGⅢで実に11連対と、無類の安定感を誇る。昨年6月の鳴尾記念(2着)以来の実戦復帰となるが、常に警戒が必要なタイプだ。
2番人気で2着だった前走の鳴尾記念。道中は中団で勝負どころを待ち、直線ではメンバー中最速の上がり3ハロン33秒7(推定)の末脚で迫ったが、ヨーホーレイクにわずかアタマ差届かなかった。ヨーホーレイクが今年の京都記念も勝ったことからも、価値のある2着だったに違いない。鳴尾記念で騎乗したJ.モレイラ騎手は「思っていた位置より1列後ろになってしまったけど、悪くないポジションでした。最後はスペースができて伸びてはきたのですが」と、惜敗に肩を落とした。8月の札幌記念は馬場入場後に右後肢跛行のため競走除外に。これほど間隔が空いたのはキャリア初となるが、これまでにも見せてきた対応力に期待したい。
牡6歳
調教師:牧光二(美浦)
2022年の弥生賞ディープインパクト記念で3着に好走するなど、早くから高い素質を見せていた馬。着実に力をつけ、今年の中山金杯(3着)で久々に重賞での3着以内を確保した。昨年の中山記念は10着。今年は好走を期待したい。
10番人気だった前走・アメリカジョッキークラブC。大外枠から果敢に好位を奪い、道中はリズム良く追走して勝負どころでも積極的に運んだが、差し馬たちの勢いに屈した(7着)。それでも、勝ち馬とのタイム差は0秒8。騎乗した木幡巧也騎手は「競馬の内容は良かったです。ただ、坂で脚が上がってしまいました」と振り返った。2走前・中山金杯も外枠(8枠16番)からの先行策をとり、最後までしぶとく粘って3着に好走した。脚質的に開幕週の芝コンディションはプラス材料。2023年の3勝クラス・常総Sでの勝利がある中山・芝1800メートルにも不安はないだろう。
牡7歳
調教師:鮫島一歩(栗東)
昨年は新潟大賞典5着、七夕賞5着のあと、小倉記念をコースレコードで差し切って重賞初制覇。末脚の威力が増し、走りの質が一段上がった印象だ。今回はその小倉記念以来約6か月半ぶりの実戦となるが、GⅡでも通用する能力は十分に持っている。
重賞で3着以内に入った経験がないにもかかわらず、前走の小倉記念では1番人気に支持された。道中は中団後方で脚をため、直線では馬群の外から鋭い末脚を披露。先に抜け出したコスタボニータをクビ差捕らえたところがゴールだった。走破タイムの1分56秒5は、2022年の金鯱賞でジャックドールが記録した1分57秒2を大幅に上回るコースレコード。騎乗した川田将雅騎手は「能力を出すことが難しい馬なのですが、精神面が穏やかになって馬自身が成長したことで、自分の競馬をできるようになりました」と、相棒を称えた。心身が充実した状態で挑むはずだった天皇賞(秋)は、脚部不安のため無念の回避。その後は入念なケアで徐々に状態を上げている。
せん6歳
調教師:堀宣行(美浦)
祖母が1994年の安田記念、マイルチャンピオンシップを制したノースフライトという良血馬だ。重賞初挑戦となった前走・エプソムCでは4着に善戦。ここは約9か月ぶりとなるので、直前の状態はしっかりとチェックしたい。
重賞初挑戦ながら2番人気と高く評価された前走のエプソムC。重賞の締まったラップにも戸惑う様子はなく、直線では馬群の外めからしぶとく脚を伸ばした。勝ち馬レーベンスティールを含め、前のポジションで運んだ上位3頭を捕らえ切れなかったが、存在感を示す4着。騎乗した岩田望来騎手は「課題のスタートをこなして道中はいいムードでした。ただ、ラスト1ハロンから同じ脚色になってしまいました」と説明した。その後は休養に入り、ここが復帰戦となるが、重賞通用の能力は証明済み。中山の急坂でも勢いが鈍らない末脚が武器で、今回の舞台は楽しみが大きい。現役では残り少なくなってきたディープインパクト産駒に注目だ。
(高木 翔平)
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