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  ロマンチックウォリアー／ベラジオオペラ

空前にして、おそらくは絶後になるであろう、このレース4連覇を目指しての出走となる香港の英雄ロマンチックウォリアー。今年序盤は中東で3戦し、ジェベルハッタ（G1・UAE）を制した他、サウジカップ（G1・サウジアラビア）とドバイターフ（G1・UAE）がいずれも僅差の2着だった同馬。帰国後の獣医検査で左前球節の負傷が見つかり、手術を受けて7か月半にわたって休養。復帰戦となったのが11月23日の香港ジョッキークラブカップ（G2・香港）だったが、久々を克服して快勝。勝ち時計はいかにも平凡で、復調途上は明らかだったが、その後は調教のピッチがさらに上がっており、ここは100パーセントに近い仕上げにありそう。だとすれば、セレクションの1番手は、この馬以外にいない。

2番手には、右回り2,000メートルの大阪杯（GⅠ）連覇の勲章を引っ提げての参戦となるベラジオオペラをとる。半年ぶりの出走となるが、鉄砲駆けの実績がある馬で、久々の心配はない。前目で競馬をできるのは大きな強みで、香港適性の高い血統背景を持つのも魅力だ。

合田　直弘（海外競馬解説者）

1959年（昭和34年）東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年（昭和57年）大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年（昭和63年）テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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  ロマンチックウォリアー／ベラジオオペラ

7頭立てという少々寂しい顔触れとなった。他陣営がここを敬遠したとしたら、それはここにロマンチックウォリアーという存在がいるからに他ならない。

地元・香港のみならず、オーストラリア、日本、ドバイでG1（GⅠ）制覇を果たしている同馬。今春は、サウジカップ（G1・サウジアラビア）がフォーエバーヤングの2着、ドバイターフ（G1・UAE）がソウルラッシュの2着と、僅差で敗れる競馬が続いたが、この馬の価値を微塵も落とすことのない内容だった。7か月半ぶりの復帰戦となった11月23日の香港ジョッキークラブカップ（G2・香港）も快勝。今年の香港カップ出走メンバーに、ロマンチックウォリアーを破る馬がいるとは思えない。

ポイントとなるのは相手探しだが、セレクションの2番手には日本調教馬ベラジオオペラをあげたい。大阪杯（GⅠ）連覇を達成している同馬。ここは6月15日の宝塚記念（GⅠ）以来の出走となるが、馬がフレッシュな状態の方が力を出せるタイプと聞いている。

2頭のセレクションからは外れたが、フランスのF.グラファール調教師が送り込むジャンロマネ賞（G1・フランス）勝ち馬キジサナも、リスペクトすべき1頭とみている。（訳：合田直弘）

Emma Berry（エマ・ベリー）

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング（オーストラリア）など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。