競馬用語辞典

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馬の病気、ケガ、能力をそこなうものなど

用語

馬インフルエンザ

読み
うまいんふるえんざ

馬の急性伝染病であり、ウィルスによって発熱と呼吸器障害をきたす。伝染は空気感染の形をとり、伝染力は極めて強く、日本では昭和46〜47年に流行し、競馬の開催が中止となった。潜伏期間は3〜7日で、39〜40℃の発熱、水様性鼻汁と激しい咳が特徴である。現在、乗馬を含む軽種馬は予防接種が義務づけられており、中央競馬では、予防接種を実施していない馬の施設内入厩は拒否し、防疫に努めている。

用語

馬の温泉

読み
うまのおんせん

温泉を利用して馬の疾病を治療するための施設。JRAでは福島県いわき市の競走馬リハビリテーションセンター・函館競馬場にある。

用語

馬のプール

読み
うまのぷーる

福島県いわき市の「競走馬リハビリテーションセンター」内にある施設で、骨折や屈腱炎などの脚の故障で十分にトレーニングを積めない療養馬の運動不足を、脚に負担のかけない水泳を用いて解消させ、少しでも早く第一線に復帰させる目的で用いられている。現在、美浦・栗東の各トレーニング・センターにも設置されている。  泳ぎの上手、下手はあるが、馬のカナヅチは皆無といわれ、療養馬たちは1周約40メートルのプールを毎日(5〜10月)10周程度泳いで体力の維持に励んでいる。療養馬だけではなく、現役競走馬の調教法の一環としても行なわれている。

用語

運動器病

読み
うんどうきびょう

運動をするために必要な骨、腱、関節、、筋肉等の病気を総称していう。競走馬は400〜500キロの体重の割に肢が細く、また、過酷なまでに、スピードが要求されるため、肢にかかる負担は計り知れない。その結果、運動器病の発生率は他の病気に比べて高く、競走馬の病気全体の55%前後を占める。  何らかの運動器病を発症した場合は、軽症のうちに休養・治療を行ない完治させることが肝心である。無理をすると、その病気が悪化するばかりでなく、他の運動器病を併発することになる。

用語

エビハラ

読み
えびはら

屈腱炎の俗称で単にエビと呼ばれることもある。前肢に多く発症する。肢勢、打撲、走行中に大きな負荷がかかることなどにより屈腱に刺激が加わると炎症を起こし、エビの腹のように腫〔は〕れるところからこの名がある。治療には、物理療法、装蹄療法が行なわれるが、完治しにくい病気であり、再発しやすい。

用語

管骨骨膜炎

読み
かんこつこつまくえん

主として前肢に発生し、ムコウズネ、ムコウゾエ、ソエとも呼ばれる。骨が完全に化骨していない若馬に急激な強い調教を行なったり、硬い走路で調教を行なうと、管骨(第3中手骨)の前面に炎症を起こす。初期であれば運動を軽くし、患部を冷却することにより治癒するが、重症になると腫れ、骨瘤状となり激しい疼痛、跛行を伴う。さらに重度となると骨瘤部に亀裂骨折(皿状骨折)を発症する。

用語

感冒

読み
かんぼう

いわゆる風邪のこと。馬の風邪は、通常この呼称を用いる。

用語

屈腱炎

読み
くっけんえん

用語

鶏跛

読み
けいは

パドックでもまれに見受けられる異常歩様で、鶏の歩く様に似ているところからこの名がある。後肢が地面を離れる時に急激に肢を上げる歩様が特徴的である。通常、常歩〔じょうほ〕(歩いている状態)でのみ現われる。駈歩〔かけあし〕(キャンター)、襲歩〔しゅうほ〕(ギャロップ)では消失するので、レースに対する支障はない。

用語

コズミ

読み
こずみ

筋炎や筋肉痛の俗称である。軽症の場合は指で圧すると痛がる程度であるが、重症の場合は跛行を呈する。パドック等で「あの馬はコズんでいる」と言うことがあるが、動きがスムーズでなく、歩行がぎこちない状態を言っているのである。通常はレース前のウォーミングアップで改善される。コズミの状態が悪化すると、血液性状の異常にまでいたることがある。歩行は更にぎこちなくなり、時には動けなくなることもある。これを通称「スクミ」と呼んでいる。

用語

笹針

読み
ささばり

血液の循環が悪くなり、うっ血状態を起こすと、全身コズミ跛行を呈することがある。このような時肩、腰等部分的にあるいは全身的に針を刺し、うっ血をとる。これを乱刺手術(ササバリ)という。乱刺手術に使用する特殊な針が笹の形に似ているところから笹針と呼ばれるのである。

用語

挫跖

読み
ざせき

走行中に後肢のの先端を前肢の蹄底にぶつけた時、あるいは石などの硬いものを踏んだ時などに、蹄底におきる炎症(内出血)をいう。肢勢の悪い馬、蹄底の浅い馬、時として踏み込みの良い馬に発症しやすい。一般に前蹄に多く発症し、に熱をもち、重度の跛行を呈することもある。

用語

心房細動

読み
しんぼうさいどう

心臓の刺激伝導系に異常を来し、一時的に規則正しいリズムを失う心臓発作の一種である。健康な馬であっても突如として発症するため、発症を予測することは難しい。レース中に発症すると影響は大きく、急激にスピードは低下する。ほとんどの例は、一時的なものであり、特に治療を行なわなくても治癒することが多い。

用語

スパーピン

読み
すぱーぴん

飛節内腫の俗称であり、飛節の前内側に骨瘤が発生する関節炎である。関節を構成する骨が完全に化骨していない若馬に無理な調教をさせると発症しやすい。古馬でも飛節の曲がった馬や歩行時に飛節を捻転する馬に発症することがある。

用語

疝痛

読み
せんつう

馬の腹痛を伴う病気を総称していう。疝痛には便秘疝、風気疝、変位疝などがある。  (1)馬は解剖学的に、胃の容積が小さく、胃の噴門の構造上嘔吐することができない。(2)腸管が長いので固定されにくく、腸の位置が変わりやすい。(3)腸管の太い部分と狭い部分があるため、内容物がたまりやすいなど疝痛を起こしやすい構造をしている。腸管等に原因があるほか、飼養管理ミスや運動不足でも発症する。特に、変位疝(腸捻転など)は致命的である。

用語

喘鳴症

読み
ぜんめいしょう

ノドナリともいわれる。喉頭部を支配する神経が麻痺し、喉頭口が狭くなって、呼吸のたびに「ヒュウ、ヒュウ」、「ゼイゼイ」と音を発する病気である。馬は全力疾走の時、多量の空気を必要とするが、喘鳴症になると充分な呼吸ができず、競走能力に影響をきたす。治療法としては外科手術が行なわれる。

用語

ソエ

読み
そえ

管骨骨膜炎のこと。調教初期の若馬に多く見られる。骨が完全に化骨していない若馬に強い調教を行うと、管骨(第3中手骨)の前面で炎症を起こすことがある。初期であれば運動を軽くして、患部を冷却することにより治癒するが、重症になると腫れ、骨瘤状となり激しい疼痛、跛行を伴う。さらに重度となると骨瘤部に亀裂骨折(皿状骨折)を発症することもある。

関連用語

用語

蹄叉腐爛

読み
ていさふらん

蹄底の蹄叉の凹部につまった汚物が原因で蹄底が腐食し、悪臭をはなつ病気であり、重症になると跛行を呈する。原因は厩舎や放牧場の不潔、の手入不足等であり、何よりも予防が肝心である。

用語

蹄葉炎

読み
ていようえん

馬のの内部は血管が発達しているが、体重が重いこと、心臓から遠い体の末端に位置することなどから心臓のポンプ作用をもってしても血液が充分に行きとどかない。これを補っているのが蹄機(歩行の際、の負重免重が繰り返され、一種のポンプとして動き、血行を促進する)であるが、肢に故障を発症し、動けずに他の肢で長時間負重し続けると、の内部の血液循環が阻害され、の内部に炎症が起こり激しい疼痛を発する。これが蹄葉炎である。馬は体重が重いため、病勢の進行を止めることは難しく、重症にいたると予後不良となることが多い。

用語

伝貧

読み
でんぴん

馬伝染性貧血の略語であり、馬特有の法定伝染病である。ウィルスによって感染する。典型的な症状は40℃前後の高熱を出し、2〜4日後には平熱に戻るが、この状態を繰り返す(回帰熱)。通常、感染した馬は次第に貧血し、痩せていく。感染が判明すると、法の定めにより安楽死の処置がとられる。競馬の円滑な施行を図るため、自衛の見地から中央競馬会では年2回、全在厩馬を対象とした検査(定期検査)を行ない、また、施設外から入厩する馬は、その都度検査(入厩検疫)を実施して防禦に努めている。

用語

寝ちがい

読み
ねちがい

寝起きの際に発症する事故を総称したもので、いわゆる「病気」とは異なる。寝ワラのかたまった場所や馬房壁の近くで寝た場合、不自然な姿勢となるが、この状態から無理に起きようとすると、関節や筋肉に故障を起こしやすく、また、外傷を負うこともある。これを寝ちがい(寝そこない)という。

用語

跛行

読み
はこう

歩様に異常をきたしている状態をいう。負重するときに疼痛を示すもの(支柱跛行)、肢の挙楊時および前進時に疼痛を示すもの(懸垂跛行)、両方が混在する跛行(混合跛行)がある。跛行の原因には、骨、腱、関節、筋肉、神経等の異常が考えられる。一方、原因がはっきりしない場合、原因があると推測される部位により前肢跛行、後肢跛行(腰部に原因)と呼ばれることもある。

用語

鼻出血

読み
びしゅっけつ

鼻出血には打撲等の外傷性のものと内因性のものがある。外傷性の鼻出血は短期間で治り、再発しないが、気道粘膜の毛細血管の破綻〔はたん〕や肺出血等の内因性の鼻出血は習慣性となりやすい。馬は口で呼吸できないため鼻出血を発症すると呼吸が充分にできない。従ってレース中に鼻出血を発症した馬は競走能力が充分に発揮できない。

用語

フレグモーネ

読み
ふれぐもーね

皮下の組織に見られる急性の化膿性疾患である。化膿を起こす細菌は、外傷部位から侵入することが大半である。馬では病勢のテンポは極めて早く、一夜のうちに馬の肢が腫〔は〕れ上がることも稀ではなく、激しい疼痛を伴う。早期発見、早期治療が肝心である。

用語

焼く

読み
やく

焼烙(しょうらく)療法のことで、慢性の腱炎、腱鞘炎、飛節内腫(スパーピン)、骨瘤、関節炎などの治療に主に利用される。馬の体表に火熱を応用して急性充血を起こさせ、その刺激、消炎作用などにより治療効果を期待する。患部によって白金製の、数種の形の先端を取り替え、電気によって熱したものを、主に点状に一定の間隔をおいてあてて、真皮膚を突き抜けないように焼く療法で、3日から1週間の間隔をおいて、5、6回実施される。

用語

ヤマキズ

読み
やまきず

馬が牧場での育成時に負った傷のこと。競走馬となってからその傷痕が残っている場合、そう呼ぶ。

用語

輸出入検疫

読み
ゆしゅつにゅうけんえき

家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に定められた「輸出入検疫」については、馬の場合、基本的には輸出の時5日間、輸入時10日間のけい留検査が実施されている。  その他、輸出国において存在している病気の侵入を予防するために、ワクチン接種や特殊な検査を輸出国に対して義務づける場合もある。  ジャパンカップ競走等の国際招待競走に出走するために一時的に入国する外国馬については、競馬学校内にある国際きゅう舎地区が、農林水産大臣より検査場所として指定を受けたうえで、けい留検疫の施設として使用されている。この場合には、輸入検疫期間は5日間に短縮される。

用語

予後不良

読み
よごふりょう

救命不能と診断され、安楽死処置となること。レース中・調教中などに馬体に故障を発生し、その回復が極めて困難と診断された場合、安楽死処置が取られる。

用語

裂蹄

読み
れってい

蹄病の一種で、蹄壁が割れ亀裂が入ったものをいう。冬期の乾燥時に発症しやすいので常日頃から、蹄油をぬるなどの予防策がとられている。一旦発症すれば悪化防止のためそれぞれに合った装蹄療法を行ない、蹄質を高める塗布剤を塗り、また、内科療法を併せて施すこともある。重症の場合は、が伸びるまで休養を余儀なくされることも多い。(参考・は一ヶ月に8〜10ミリしか伸びない。)

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