
JRAの平地重賞で最も長い3600メートルという距離で行われるため、長距離適性の高い馬が集う。計5回も出走したアルバートや、4年連続で出走したアイアンバローズなど、このレースの常連といえるステイヤーが毎年のように出走してくるのも特徴だ。ここでは過去10年の結果から傾向を調べている。
過去10年で4番人気以内の3着内率が50%前後でほぼ横並び。基本的には上位人気馬の力量が拮抗しがちな一戦といっていい。また、6番人気以下で馬券に絡んだ馬が9頭いたが、そのうち7頭は単勝オッズが20倍未満だった。つまり、データ的には、4番人気以内から軸馬を探し、単勝オッズ20倍未満の馬へ流す馬券が狙い目になる。〔表1〕
| 単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 4-1-1-4 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
| 2番人気 | 1-3-1-5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
| 3番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
| 4番人気 | 0-1-3-6 | 0% | 10.0% | 40.0% |
| 5番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
| 6番人気以下 | 4-3-2-78 | 4.6% | 8.0% | 10.3% |
長距離戦は騎手で買えという競馬格言もあるが、過去10年のステイヤーズSでは、前走から騎手が替わった馬の好走が目立つ。特に、短期免許で来日中の外国人ジョッキーへの乗り替わりとなった馬が〔5・3・1・7〕と好成績を残している。〔表2〕
| 騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 乗り替わり | 9-8-6-62 | 10.6% | 20.0% | 27.1% |
| 前走と同じ | 1-2-4-45 | 1.9% | 5.8% | 13.5% |
平地最長距離重賞ということもあり、過去10年では前走も2400メートル以上の長い距離だった馬の好走が多い。一方、前走が2400メートル未満のレースだった馬の勝利はなく、連対率も2.7%と低い。前走欄の距離は要チェックだ。〔表3〕
| 前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 2400m未満 | 0-1-3-33 | 0% | 2.7% | 10.8% |
| 2400m以上 | 10-9-7-74 | 10.0% | 19.0% | 26.0% |
過去10年の優勝馬延べ10頭のうち8頭には、2500メートル以上の長距離重賞で3着以内に入った実績があった。残る2頭のうち、2021年優勝のディバインフォースに関しても3000メートルのGⅠ・菊花賞で4着に入った経験があった。重賞未勝利馬も勝っているレースだが、優勝するためには長距離重賞での好走実績がほしいところだ。〔表4〕
(姫園 淀仁)
| 年度 | 優勝馬 | 2500m以上の主な重賞実績 |
|---|---|---|
| 2015年 | アルバート | 出走なし |
| 2016年 | アルバート | ステイヤーズS1着など |
| 2017年 | アルバート | ステイヤーズS1着など |
| 2018年 | リッジマン | ダイヤモンドS2着 |
| 2019年 | モンドインテロ | ステイヤーズS3着 |
| 2020年 | オセアグレイト | ダイヤモンドS3着 |
| 2021年 | ディバインフォース | 菊花賞4着 |
| 2022年 | シルヴァーソニック | 阪神大賞典3着など |
| 2023年 | アイアンバローズ | 阪神大賞典2着など |
| 2024年 | シュヴァリエローズ | 目黒記念2着 |
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