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競馬場・コース紹介

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サンダウン競馬場

サンダウン競馬場はイギリス南東部のサリー州イーシャーにある。首都ロンドンのターミナル駅であるウォータールーから競馬場最寄りのイーシャー駅までは電車で25分ほど。そこから競馬場には競馬場の真ん中を歩いて横断する形で入ることができる(無料バスも運行)。

競馬場は1875年に開場した。画期的だったのは競馬場全体を柵で覆うとともに、競馬を見るための観戦料(=入場料)を設定したこと。それまでの競馬場は広大な丘陵や草原に走路を作ったものであり、観覧席など一部エリアを除いて、大部分は開放されていたため、無料でレースを観戦することができたのだが、しばしば治安や雰囲気の悪さが問題となっていた。そこでサンダウン競馬場はその敷地全体に囲いを作り、一般の観客からも入場料を徴収することで、紳士淑女、特に淑女が安心して来場しやすい環境を作り出そうとしたわけだ。この試みは功を奏し、前述したようにロンドンからのアクセスが至便ということも相まって競馬場は成功。2度の世界大戦によって、閉鎖された時期もあったが、いまではイギリスを代表する競馬場のひとつとなっている。

現在のサンダウン競馬場は、英ダービー(G1)が行われるエプソム競馬場、英2000ギニー(G1)のニューマーケット競馬場などと同じくジョッキークラブ競馬場社(ジョッキークラブの子会社)が所有。平地競馬と障害競馬が行われており、新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に変更となってしまったが、2020年(障害は2019-2020年シーズン)の当初の日程では平地競馬が4月下旬から9月中旬にかけて15日間、障害競馬が11月下旬から4月下旬にかけての9日間組まれていた。

競馬場を代表するレースとなっているのは、この競馬場で行われる唯一の平地G1であるエクリプスS(1886年創設、芝1990メートル)。例年7月上旬に行われるこのレースは、イギリスの中距離芝G1において、初めて3歳馬と古馬が対決する舞台として大きな注目を集めている(ただし、2020年は新型コロナウイルス感染症による日程変更の影響で4歳以上のレースに変更)。また、障害では12月のティングルクリークチェイス(芝3110メートル。13障害)を筆頭に5つのG1が行われている。

競馬場は芝コースのみ。平地コースの1周は約2600メートルで右回り(ほかにコースを横断する形で直線1000メートル戦用の直線コースがある)。最後の直線は800メートル弱で上り坂が続いている。3コーナー、4コーナーと急なカーブが続くのも特徴。

文:秋山 響(TPC)
(2020年6月現在)

  • サンダウン競馬場 イメージ1
  • サンダウン競馬場 イメージ2
  • サンダウン競馬場芝1990メートル

    サンダウン競馬場 芝1990メートル コース図

    エクリプスS(G1)が行われるサンダウン競馬場の芝1990メートルは向正面左手奥からのスタート。序盤は下り坂があり、その後はほぼ平坦。そこから最初のコーナー(3コーナー)、次のコーナー(4コーナー)と急なカーブが連続した後、最後の直線に入る。最後の直線は800メートル弱で、上り坂が続く。

    スタートから最初のコーナーまでは十分な長さがあり、基本的にはフェアで、紛れの少ないコース設定だが、上記したようにカーブがシャープなこともあって、コーナーリングの巧みさは問われるところ。また、最後の直線は長く、しかも上り坂が続くことから、スピードのみならず、スタミナ、パワーも重要な要素。総合力の高さが求められる。

    馬場が悪化した際には、最後の直線の進路取りもポイントになりえ、たとえば2007年のエクリプスSではR.ムーア騎手がノットナウケイトをただ1頭外ラチ沿いで走らせて優勝した(2着が同年の英ダービー馬オーソライズド)。騎手の判断にも注目したい。

    文:秋山 響(TPC)
    (2020年6月現在)

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