第157回 天皇賞(春)

激しい追い比べの末にレインボーラインがGⅠ初制覇を果たす

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天皇賞(春)(GⅠ)の道中は好スタートからハナを切ったヤマカツライデンが先導、後続各馬は縦長となって進んだ。日経賞1着の上り馬ガンコとジャパンカップ勝ち馬シュヴァルグランは素早く好位を取り、そこへ京都記念を制したクリンチャーも追いついていく。日経賞2着のチェスナットコートは中団、阪神大賞典1、2着のレインボーラインとサトノクロニクル、ステイヤーズS3連覇のアルバートは後方に控える策だ。

レースは向こう正面で突然動く。サトノクロニクルや香港ヴァーズ3着馬トーセンバジルが一気にポジションを上げると、他の馬も息を抜くことが許されず、馬群は凝縮。4コーナーでは早くもガンコとシュヴァルグランが先頭に立つ形となり、そこから長い追い比べが始まったのだった。

ガンコを競り落としたシュヴァルグランに、外から食い下がるクリンチャー、トーセンバジル、チェスナットコート、内から追いすがるのはミッキーロケットだ。シュヴァルグランがGⅠホースの意地でこれらをねじ伏せたかに見えたが、ワンテンポ遅れて追い込んできたのがレインボーラインだ。

「出入りの忙しい競馬だったけれど、馬が対応してくれた」と鞍上の岩田康誠騎手が振り返ったように、レインボーラインはペースの変化にも慌てず前との差をじっくりと詰め、直線入口で加速、追撃態勢へ。「脚は持っている。届いてくれるはず」という岩田騎手の信頼に応えるように先行勢の間を割ると、最後はシュヴァルグランの内へ進路を取る。そしてゴール前の追い比べに勝利、クビの差だけ先着したのである。

NHKマイルC3着、菊花賞2着、天皇賞(秋)3着など、これまで9度に渡って跳ね返されてきたGⅠの分厚い壁を初めて破ったレインボーライン。だがゴール後に脚を故障、コース上で下馬した岩田騎手に笑顔はない。「具合が心配。なんとか無事で……」という祈りは、レースを見守ったファンも共通して抱く思いであるはずだ。

注記:レインボーラインはレース後に右前肢跛行と診断されました。

(谷川 善久)

2018年4月29日(祝日・日曜) 3回京都4日

11R 第157回 天皇賞(春)GⅠ

サラ系4歳以上
コース 3200m 芝・右 外
(国際)(指定) オープン
定量
本賞金(万円):150006000380023001500
付加賞(万円):35710251
発走 15:40
天候:晴   芝:良

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手 タイム 着差 推定上り 馬体重 調教師 単勝人気
1 枠6緑 12 レインボーライン 牡5 58.0 岩田康誠 3:16.2 35.2 452 -2 浅見秀一 2
2 枠6緑 11 シュヴァルグラン 牡6 58.0 H.ボウマン 3:16.2 クビ 35.8 474 +4 友道康夫 1
3 枠4青 8 クリンチャー 牡4 58.0 三浦皇成 3:16.3 1/2 35.7 488 +2 宮本博 4
4 枠1白 1 ミッキーロケット 牡5 58.0 和田竜二 3:16.4 クビ 35.5 480 -8 音無秀孝 9
5 枠1白 2 チェスナットコート 牡4 58.0 蛯名正義 3:16.5 3/4 35.9 452 -6 矢作芳人 7
6 枠8桃 15 トーセンバジル 牡6 58.0 M.デムーロ 3:16.7 1 1/2 36.2 484 0 藤原英昭 8
7 枠8桃 16 スマートレイアー 牝8 56.0 四位洋文 3:16.8 1/2 35.3 470 -4 大久保龍志 12
8 枠7橙 14 アルバート 牡7 58.0 C.ルメール 3:16.8 ハナ 36.1 474 -8 堀宣行 6
9 枠2黒 3 シホウ 牡7 58.0 浜中俊 3:17.2 2 1/2 35.9 514 0 笹田和秀 14
10 枠3赤 5 ヤマカツライデン 牡6 58.0 松山弘平 3:17.3 1/2 37.0 540 0 池添兼雄 11
11 枠7橙 13 トウシンモンステラ 牡8 58.0 国分恭介 3:17.4 クビ 35.9 488 +10 村山明 17
12 枠5黄 10 サトノクロニクル 牡4 58.0 川田将雅 3:17.5 3/4 36.9 458 +2 池江泰寿 5
13 枠5黄 9 ソールインパクト 牡6 58.0 福永祐一 3:18.0 37.3 488 -2 戸田博文 13
14 枠3赤 6 ガンコ 牡5 58.0 藤岡佑介 3:18.1 1/2 37.7 504 +2 松元茂樹 3
15 枠4青 7 ピンポン 牡8 58.0 宮崎北斗 3:18.2 1/2 36.9 478 0 粕谷昌央 16
16 枠2黒 4 カレンミロティック せん10 58.0 池添謙一 3:18.4 1 1/2 37.3 456 0 平田修 10
17 枠8桃 17 トミケンスラーヴァ 牡8 58.0 秋山真一郎 3:24.9 大差 42.6 498 -8 竹内正洋 15
タイム
ハロンタイム 13.0 - 11.2 - 11.4 - 12.0 - 12.5 - 12.3 - 12.0 - 13.2 - 12.6 - 12.6 - 12.8 - 12.6 - 12.1 - 12.1 - 11.4 - 12.4
上り 4F 48.0 - 3F 35.9
コーナー通過順位
1コーナー 5-17-6,11,4,9(1,8)2(12,15)-10,14,7,3,13,16
2コーナー 5=17(6,11)(4,9)(1,8)2,12,15(10,14)7-3,13,16
3コーナー(2周目) 5-(6,11)(9,8,10,15)(4,2,14)(1,12)(17,7,3)13,16
4コーナー(2周目) (*6,11)(5,8,15)(10,2)(9,1,14)12(4,7,3)(13,16)=17
払戻金
単勝 12 600円 2番人気
複勝 12 190円 2番人気
11 140円 1番人気
8 240円 4番人気
枠連 6-6 1,020円 5番人気
馬連 11-12 1,030円 1番人気
ワイド 11-12 400円 1番人気
8-12 810円 9番人気
8-11 530円 3番人気
馬単 12-11 2,510円 6番人気
3連複 8-11-12 2,060円 1番人気
3連単 12-11-8 11,650円 8番人気
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勝馬の情報
勝馬 レインボーライン
[牡5・鹿毛]
父:ステイゴールド
母:レーゲンボーゲン
馬主 三田 昌宏氏
生産地 北海道勇払郡安平町
生産牧場 ノーザンファーム
戦績 22戦5勝
獲得賞金 450,466,000円
主な勝鞍 重賞3勝目
2016年 アーリントンカップ(GⅢ)
2018年 阪神大賞典(GⅡ)
騎手 岩田 康誠:2勝目
2008年(春) アドマイヤジュピタ
調教師 浅見 秀一:2勝目
1998年(春) メジロブライト
注記:戦績・獲得賞金は2018年天皇賞(春)(GⅠ)終了時点