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"全てのホースマンの夢"とも言われる日本ダービーについて、レースの存在意義や意味合いを解説!
日本ダービーに出走できるのは、その年に3歳になった馬だけ。日本では毎年約8000頭の競走馬が生まれており、その世代の頂点を決めるレースとなっています。
レースが行われる3歳の春は、競走馬にとってはまだ若者と呼べる時期です。高校野球の甲子園で決勝を戦うチャンスは3年間ありますが、日本ダービーに出走できるのは一生に一度きり。だからこそ、その戦いは熱いものとなります。「競馬の祭典」とも呼ばれる日本ダービーは、競走馬に関わるすべてのホースマンの憧れのレース。勝利した騎手や調教師は、その後もリスペクトを込めて「ダービージョッキー」や「ダービートレーナー」と呼ばれます。
1993年の日本ダービーでは、ウイニングチケットに騎乗した柴田政人騎手がデビューから27年目、19回目の挑戦でついに優勝。勝利騎手インタビューの「世界のホースマンに、第60回ダービーを勝った柴田ですと報告したい」は、日本ダービーの歴史に残る名言です。日本ダービーに皐月賞と菊花賞を加えた3レースは、いずれもイギリス競馬にならってつくられた「クラシックレース」という3歳の大レースで、「クラシック三冠」と呼ばれます。
最初に行われるのは皐月賞で、日本ダービーは2番目。最後の菊花賞は秋に行われます。距離や舞台はすべて異なり、3つすべて勝利した馬は「三冠馬」として称えられます。これまでに誕生した三冠馬は8頭。シンザンやディープインパクトなど、どの馬も歴史に残る名馬ばかりです。日本ダービーが終わると、あとは菊花賞など一部のレースを除いて、3歳馬は上の世代に混じって戦うこととなります。そして入れ替わるように、翌週からは1つ下の2歳馬たちの新馬戦が行われ、次のダービーを目指す1年間の戦いがスタートします。
「ダービーに始まりダービーに終わる」と言われる競馬のサイクルの大晦日。それが日本ダービーです。日本ダービーの1着本賞金は3億円で、これは国内で行われる世代限定戦の中では最も高額なものです。ちなみに世代の上限がないレースでは、ジャパンカップと有馬記念の5億円が最高額となっています。