週末はレース、平日は「地域の拠点」へ
社会に開かれる競馬場の知られざる姿
競馬場と聞くと、「週末、レースでにぎわう場所」というイメージが強いかもしれません。
その一方で、実は競馬を行わない日の競馬場は、
防災、教育、福祉といった多様な役割を担う「開かれた公共の場」へと姿を変えています。
JRAの施設がなぜ、地域社会にとって欠かせない拠点となっているのか。
普段は、お見せできていない一面をご紹介します。
“レースがない日”に役目を変える競馬場 その現場は・・・・
安全を守る訓練の場として 週末の賑わいが去った駐車場は、白バイ隊員たちが鍛錬を積む場所に。
警察による白バイ走行訓練(札幌競馬場)
いつも歓声が響くスタンドは、消防隊員の掛け声が響く訓練の場に。
防災訓練の実施(中京競馬場)
防災訓練の実施(中京競馬場)
次世代を育む、まなびの場として 馬の蹄(ひづめ)に変わり、子どもたちの足音が響く馬道。
市民参加のウォーキングイベント(新潟競馬場)
子どもたちが馬について学ぶ。学びの場を学校から競馬場の博物館に変えて。
競馬博物館の小学校施設見学受け入れ(東京競馬場)
健康と憩いの場として 競馬場の「緑の広場」が、シニア世代が楽しむグラウンドゴルフ会場に。
緑の広場でのグラウンドゴルフを楽しむ様子(京都競馬場)
これらはすべて、レースがない日の競馬場で繰り広げられている光景です。
週末の歓声が去った広大な敷地。穏やかな平日の競馬場は、自治体や教育機関と連携し、さまざまな活動の場として提供されています。
地域社会とともに歩む。JRAとしてできること
実は、こうした地域社会に対する取組みは、最近始まったことではありません。JRAはこれまでも、この歩みをずっと続けてきました。
競馬がギャンブルであるという側面や、時代の変化の中で、時には「迷惑施設」のように思われてきた歴史があることも、私たちは受け止めています。また、私たちの活動は、競馬ファンの皆様には届いていても、一般の方々には届きづらいという課題も感じてきました。
こうした課題を乗り越え、「実は、競馬と地域社会とのつながりを育むための取組みを、私たちはこれまでもずっと続けてきた」という事実を、一人でも多くの方に届けたい。
JRAにとって、地域社会に貢献することは、大切な役目の一つです。
駐車場での機動警ら隊訓練(京都競馬場)
平日も開放されている遊具(宮崎育成牧場)
公共インフラとして「開かれた施設」へ
広大な敷地を持ち、管理体制の整った競馬場をはじめとするJRAの施設は、まさに、公共性の高い地域資源としての役割を果たします。
JRAの競馬場は、札幌・函館・福島・新潟・中山・東京・中京・京都・阪神・小倉の10カ所。競馬場の他にもトレーニング・センターや育成牧場など、さまざまな施設を運営しています。全国には、場外馬券発売所としてWINS(ウインズ)も所在しており、中には、広大な敷地を持つ施設もあります。
鳥取県が主催する「とっとり防災フェスタ」(2025年開催)。米子市に所在するウインズ米子は、その会場として多目的広場と駐車場を提供しました。
防災フェスタは、2000年の鳥取県西部地震を教訓に、警察・消防など関係機関の協力体制を深めることを目的として開催されています。
会場では、警察・消防・自衛隊による防災訓練や、災害時に活躍するはたらくくるまの展示、体験型ブースなど、子どもたちも楽しく学べる防災イベントが催されました。
警察・消防による防災訓練の様子(ウインズ米子)
「山林火災や集中豪雨などさまざまな災害が各地で発生している。このような事態に対処するため、今後とも各機関の関係強化に努めたい。」(鳥取県西部消防局長)
相次ぐ自然災害への対処において、こうした施設で関係機関の連携強化に期待が寄せられます。
JRAの施設は、交通アクセスが良い場所が多く、大勢の人が集いやすい場所です。トイレや駐車場などの設備も整い、人の動線にも配慮された「公共の場」としての機能を満たしています。
行政や教育機関が抱える「訓練場所の確保」や「体験機会の創出」といった課題に応えるために、これからも施設の特性を活かした「開かれた場」づくりを進めます。
競馬場内の一般見学ツアー(函館競馬場)
馬場内の平日開放(函館競馬場)
佐渡島 粟島浦村小学校の修学旅行受け入れ(新潟競馬場)
警察・消防・自衛隊の合同訓練の様子(ウインズ米子)
地域社会との信頼関係を、何よりも大切に
競馬という興行は、お客様の存在だけではなく、地域の皆様との信頼関係やご協力があって、初めて成り立つものです。
社会の中で競馬を開催できている感謝を胸に、地域社会と共存し、貢献し続けることが、私たちの大切な責務であると考えています。
競馬に関心のある人はもちろん、これまで接点のなかった人にとっても、「あってよかった」と思える場でありたい。
地域社会と歩みを共にし、より豊かな未来を支える拠点として機能すること。
それが、私たちJRAが目指す、ありたい姿です。