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- 馬名
- キタサンブラック
- 父
- ブラックタイド
- 母
- シュガーハート
- 性別
- 牡
- 毛色
- 鹿毛
- 生年月日
- 2012年3月10日
- 生産牧場
- ヤナガワ牧場
- 馬名
- イクイノックス
- 父
- キタサンブラック
- 母
- シャトーブランシュ
- 性別
- 牡
- 毛色
- 青鹿毛
- 生年月日
- 2019年3月23日
- 生産牧場
- ノーザンファーム
レース成績・映像
| 開催日 | レース名 | 開催場所 | 着順 | 騎手 | コース 距離 | タイム | レース映像 |
|---|
| 2015年1月31日
| 3歳新馬 | 東京 | 1 | 後藤 浩輝 | 芝1800 | 1:52.3 |  |
| 2015年2月22日 | 3歳500万下 | 東京 | 1 | 北村 宏司 | 芝2000 | 2:01.4 |  |
| 2015年3月22日 | スプリングS | 中山 | 1 | 北村 宏司 | 芝1800 | 1:49.1 |  |
| 2015年4月19日 | 皐月賞 | 中山 | 3 | 浜中 俊 | 芝2000 | 1:58.8 |  |
| 2015年5月31日 | 日本ダービー | 東京 | 14 | 北村 宏司 | 芝2400 | 2:25.5 |  |
| 2015年9月21日 | セントライト記念 | 中山 | 1 | 北村 宏司 | 芝2200 | 2:13.8 |  |
| 2015年10月25日 | 菊花賞 | 京都 | 1 | 北村 宏司 | 芝3000 | 3:03.9 |  |
| 2015年12月27日 | 有馬記念 | 中山 | 3 | 横山 典弘 | 芝2500 | 2:33.1 |  |
| 2016年4月3日 | 産経大阪杯 | 阪神 | 2 | 武 豊 | 芝2000 | 1:59.3 |  |
| 2016年5月1日 | 天皇賞(春) | 京都 | 1 | 武 豊 | 芝3200 | 3:15.3 |  |
| 2016年6月26日 | 宝塚記念 | 阪神 | 3 | 武 豊 | 芝2200 | 2:12.8 |  |
| 2016年10月10日 | 京都大賞典 | 京都 | 1 | 武 豊 | 芝2400 | 2:25.5 |  |
| 2016年11月27日 | ジャパンカップ | 東京 | 1 | 武 豊 | 芝2400 | 2:25.8 |  |
| 2016年12月25日 | 有馬記念 | 中山 | 2 | 武 豊 | 芝2500 | 2:32.6 |  |
| 2017年4月2日 | 大阪杯 | 阪神 | 1 | 武 豊 | 芝2000 | 1:58.9 |  |
| 2017年4月30日 | 天皇賞(春) | 京都 | 1 | 武 豊 | 芝3200 | 3:12.5 |  |
| 2017年6月25日 | 宝塚記念 | 阪神 | 9 | 武 豊 | 芝2200 | 2:12.7 |  |
| 2017年10月29日 | 天皇賞(秋) | 東京 | 1 | 武 豊 | 芝2000 | 2:08.3 |  |
| 2017年11月26日 | ジャパンカップ | 東京 | 3 | 武 豊 | 芝2400 | 2:23.9 |  |
| 2017年12月24日 | 有馬記念 | 中山 | 1 | 武 豊 | 芝2500 | 2:33.6 |  |
| 開催日 | レース名 | 開催場所 | 着順 | 騎手 | コース 距離 | タイム | レース映像 |
|---|
| 2021年8月28日 | 2歳新馬 | 新潟 | 1 | C.ルメール | 芝1800 | 1:47.4 |  |
| 2021年11月20日 | 東京スポーツ杯2歳S | 東京 | 1 | C.ルメール | 芝1800 | 1:46.2 |  |
| 2022年4月17日 | 皐月賞 | 中山 | 2 | C.ルメール | 芝2000 | 1:59.8 |  |
| 2022年5月29日 | 日本ダービー | 東京 | 2 | C.ルメール | 芝2400 | 2:21.9 |  |
| 2022年10月30日 | 天皇賞(秋) | 東京 | 1 | C.ルメール | 芝2000 | 1:57.5 |  |
| 2022年12月25日 | 有馬記念 | 中山 | 1 | C.ルメール | 芝2500 | 2:32.4 |  |
| 2023年3月25日 | ドバイシーマクラシック | UAE | 1 | C.ルメール | 芝2410 | 2:25.6 |  |
| 2023年6月25日 | 宝塚記念 | 阪神 | 1 | C.ルメール | 芝2200 | 2:11.2 |  |
| 2023年10月29日 | 天皇賞(秋) | 東京 | 1 | C.ルメール | 芝2000 | 1:55.2 |  |
| 2023年11月26日 | ジャパンカップ | 東京 | 1 | C.ルメール | 芝2400 | 2:21.8 |  |
血統の奥深さを知らしめたスターホース
- 「血統信ずべし、信ずべからず」という言葉がある。ダービーの父仔制覇はこれまで15組が達成している。これは信ずべき血統の側面だろう。では、信ずべからず、の実例は何だと問われた時、すぐに思い浮かぶのがキタサンブラックである。
- キタサンブラックの血統表をながめていて、いつも母の父サクラバクシンオーに引っかかっていた。1989年生まれのサクラバクシンオーは国内最高のスプリンターといっていい。1992年からの3年間の現役生活で21戦11勝、GⅠスプリンターズS連覇の成績を残した。1400メートル以下の距離に限れば、12戦11勝と驚異的な勝率を誇った。
- そんなスプリンターの遺伝子を受け継いだキタサンブラックが中長距離戦で活躍するというイメージはまったく湧かなかった。けれども、キタサンブラックは距離3000メートルの菊花賞や3200メートルの天皇賞(春)を制してみせた。最終的にGⅠで挙げた7勝はすべて2000メートル以上の距離だった。キタサンブラックに上っ面だけの血統論は通じなかった。
- 2012年3月10日、キタサンブラックは北海道日高町のヤナガワ牧場で誕生した。父はブラックタイド。ディープインパクトの1つ年上の兄だ。母はシュガーハート。その父が前述したサクラバクシンオーである。シュガーハートは栗東トレーニング・センターの厩舎に入ったものの、デビュー前に脚を痛め、不出走のまま繁殖牝馬になった。シュガーハートの母オトメゴコロはノーザンファームの前身である社台ファームで生産された。ヤナガワ牧場の梁川正普社長が実家を引き継ぐ以前にノーザンファームで勤務していた縁があってヤナガワ牧場に導入された。残念ながらオトメゴコロはヤナガワ牧場に来て1頭の仔を残しこの世を去っている。この仔がシュガーハートだった。
- キタサンブラックは2017年、天皇賞(春)で2連覇を果たした。勝ち時計の3分12秒5は、ディープインパクトが2006年にマークした3分13秒4を12年ぶりに0秒9も更新する大レコードタイムだった。このタイムのすごさはハイペースの持続力にある。1ハロン(200メートル)平均12秒0で3200メートルを走り切ったものに0秒5をプラスしたのが実際にキタサンブラックがマークしたレコードタイムなのだ。
- 母のシュガーハートを通してサクラバクシンオーのスピードを受け継ぎ、父ブラックタイドからもらったスタミナで、そのスピードを維持する。それが天皇賞(春)のレコード勝ちにつながったと考えれば、キタサンブラックの活躍に血統的な説明がつく。
▲ 種牡馬入り後のキタサンブラック
S.Suzuki
▲ 種牡馬入り後のキタサンブラック
S.Suzuki
名実ともに世界No.1となった歴史的名馬
- イクイノックスはスピードの持続力を父キタサンブラックから受け継いだようだ。
- 2023年の天皇賞(秋)で、その力をまざまざと見せつけた。GⅠ馬ジャックドールが先手を奪い、軽快に飛ばす。レースはハイペースで流れた。中間の1000メートル通過が57秒7。この流れをイクイノックスは3番手で追走した。先行勢が苦しくなった残り400メートル付近でイクイノックスが先頭に躍り出た。ルメール騎手の手ごたえには余裕がある。そのまま後続に2馬身半差をつけてゴールイン。電光掲示板には1分55秒2という驚異的なレコードタイムが表示された。
- 従来の記録を一気に0秒9も更新する快記録はスタート後の2ハロン目からゴールまでの1ハロンごとのラップがすべて11秒台という厳しい流れから生まれた。このハイペースを3番手でしのぎ切ったイクイノックスの走りは過去に類を見ないものだった。逃げたジャックドールは最下位に落ち、2着から4着馬は後方から追い込んだグループだった。この事実もイクイノックスが桁違いの能力の持ち主であることを証明した。
- 2019年3月23日、イクイノックスはノーザンファームで生まれた。母は現役時代にマーメイドSの重賞勝ちがあるシャトーブランシュだ。イクイノックスの母系をさかのぼるとフランス生まれのブランシユレインにたどり着く。凱旋門賞馬アレッジドの子どもを宿した状態で輸入され、1989年に出産したのがメゾンブランシュだった。メゾンブランシュのひ孫にあたるのがイクイノックスだ。
- メゾンブランシュはサクラバクシンオーとの間にブランディスという馬を産んでいる。ブランディスは2004年に中山大障害と中山グランドジャンプを制した名障害馬だ。イクイノックスの母系とサクラバクシンオーの遺伝子の相性の良さは、こんなところにも現れていた。
- 幼いころのイクイノックスは体質が弱かった。2021年8月に新潟でデビュー勝ちを収め、続く11月の東京スポーツ杯2歳Sで重賞初勝利を飾った。しかし出走態勢を整えるため、調整が必要で、3戦目の皐月賞は6カ月ぶりのぶっつけ本番になった。素質だけでジオグリフの2着に食い込んだ。1カ月後のダービーもドウデュースの2着。3歳春シーズンはまだ完成形とはいえない状態だった。
- 夏を越してからのイクイノックスは敵なしになった。3歳秋から4歳にかけて、先述の天皇賞(秋)を皮切りに有馬記念、ドバイシーマクラシック(アラブ首長国連邦)、宝塚記念、天皇賞(秋)、ジャパンカップとGⅠ(G1)ばかり6連勝。2年連続で文句なしの年度代表馬に選ばれた。父仔ともに2年連続年度代表馬はJRA史上初だった。2023年には、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が決めるワールドベストレースホースランキングで日本調教馬史上最高のレーティング135を獲得し、世界ナンバーワンホースとなった。
- これからは、ディープインパクト亡き後のリーディングサイアーの期待がかかる。
- (文・有吉正徳)

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