金杯は荒れるか高き霜柱
可憐花童
たてがみは鉄筆めいて有馬記念
鮎次郎
大金星上げ北風を騎手の腕
石井一草
寒暁の息のみを聴く出走馬
魚群探知機
二年目の赤本 イヤホンから金杯
コージ
有馬記念首二た撫での褒め言葉
セロリーヌ
行く年や風を火として遮眼革
早田駒斗
手袋を取って有馬のファンファーレ
拓真
パドックの湯気立つ馬糞にも淑気
多喰身・デラックス
歓声は地鳴り駿馬へ風冴ゆる
ちゃうりん
単勝に千円極月の午後を
青海也緒
有馬記念外して蕎麦掻が固い
朝月沙都子
短日のターフに刻むラストラン
あみま
ターフに影長く大歓声の波
アッエプソムノオカ
珍名の馬あたたかな冬となる
いーなん
仏壇の赤の鉛筆有馬の日
いけしん
有馬記念ゼウスの雷と化し一騎
いさな歌鈴
ゴール切る鼻梁に矜恃有馬記念
板柿せっか
馬に愚痴有馬の夜のひとり鍋
馬烏(うまがらす)
初馬場に凍みて蹄音高らかに
うまやどの皇子
蕎麦に天麩羅乗せ中山金杯
SKかぴさん
明日有馬赤鉛筆をまた削る
エミテン
突き棒もて芝叩く裏方に雪
近江菫花
初晴や蹄待ち受く馬場の砂
大塚迷路
中山金杯おみくじを裏切る
遅れてきた猫☆
舌垂らし逃げ馬逃げ切れぬ冬日
越智空子
夕凍みや馬にうなづく厩務員
お天気娘
引退や金の嘶き冬晴へ
ぐ
有馬記念終えて多数派のひとり
くもがくれ
馬の眼はやさしい有馬記念の朝
小口zzda
騎手もろとも風のかたまり有馬記念
コッキー+1
煤逃げのサウナで見てる有馬記念
GONZA
馬走る馬をただ観る去年今年
さち
有馬記念勝馬の鞍外しやる
紗千子
金杯を当てしことのみ初日記
湘路
金杯の枠出る仕事始かな
須磨のうさぎ
督促状裏にメモして有馬記念
世良日守
蜜柑つぶれ中山金杯終わる
そまり
大逃げの騎手の臀美し中山金杯
多事
凍風やホーム転がり来る馬券
橘まゆこ
ふところにあたり馬券よ女正月
永田啓司
有馬記念モツ煮ホッピー梯子酒
中鉢矢的
開門を待つ馴染み顔息白し
中山バスター
有馬記念蹄へだぐだぐだぐだぐ血
二重格子
有馬記念帰路は第九に満ち満ちて
28あずきち
有馬記念掉尾の一振とはならず
猫柳
有馬記念煽るサテンの勝負服
藤本花をり
演歌「祭り」響く有終の有馬記念
府中のトシ
馬の名をラジオが叫ぶ師走かな
ラルラリラン
妻と行く有馬記念や老い楽し
わかい爺さん