今週の注目レース

ダービーデー馬連 日本ダービー(GⅠ)

東京競馬場 2400メートル(芝)定量 牡・牝 3歳オープン

出走馬情報

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ソールオリエンス

牡3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:スキア
  • 母の父:Motivator
ここに注目!

皐月賞は4コーナー17番手から豪快な追い込み勝ち。史上20頭目となる無敗の皐月賞馬に輝いた。何しろ末脚が強烈。東京・芝2400メートルに替わってさらに上のパフォーマンスを見せられそうだ。二冠目も手中に収めるか、楽しみだ。

ここまで3戦3勝。4コーナーで膨れるロスがありながら突き抜けた京成杯も驚かされたが、何と言ってもインパクトが大きかったのは前走の皐月賞だろう。直線に入ったところでは絶望的に思えるポジションだったが、追い出されると抜群の反応を見せて、外から驚異的な鋭さを発揮。ラスト200メートルで前の馬たちを一気に捕らえて一冠目を奪取した。直線も距離も延びる日本ダービーの舞台は、本馬の末脚を生かすにうってつけの条件だろう。1枠1番で皐月賞を勝った馬は、平成以降ではナリタブライアンとコントレイルの三冠馬2頭だけ。二冠有望はもちろん、三冠までも見えてくる器だ。

タスティエーラ

牡3歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:サトノクラウン
  • 母:パルティトゥーラ
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

弥生賞ディープインパクト記念を快勝して臨んだ皐月賞は、勝ち馬の末脚に屈したとはいえ、一度は後続を突き放して見せ場十分の2着。地力はもちろん、あらためてセンスの高さがうかがえた。総合力を問われる大舞台で逆転を期す。

11月の新馬戦以来となった共同通信杯は好位からひと伸びを欠いて4着に敗れたが、続く弥生賞ディープインパクト記念では好位から早めに抜け出す競馬で、今度はラストまで脚が鈍ることなく押し切った。前走の皐月賞も、早め先頭から残り100メートル付近では後続を振り切ったかに見えたが、最後にかわされて惜敗の2着。勝ったソールオリエンスの末脚は別格だったが、ペースの緩急を問わず好ポジションから脚が使える点は、卓越したレースセンスの証と言えるだろう。使うごとに心身が向上している点も強調できるところ。立ち回りのうまさで今度こそ後続完封を狙う。

ファントムシーフ

牡3歳

調教師:西村真幸(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:ルパンⅡ
  • 母の父:Medaglia d'Oro
ここに注目!

皐月賞は最後にしぶとく脚を伸ばして3着を確保。前を捕らえるほどの勢いこそなかったが、東京替わりと距離延長でもっと走れそうな印象を受けた。実際、共同通信杯の勝ち馬。条件好転が巻き返しの強力な材料になりそうだ。

新馬戦、オープン特別・野路菊S(中京・芝2000メートル)を連勝して向かったホープフルSはスローペースに泣いて4着に敗れたが、次走の共同通信杯はそのうっぷんを晴らす快勝劇だった。スタートを決めてサッと好位へ。途中から競りかけてくる馬もいたが、まったく動じることなく泰然自若の追走。直線では長くいい脚を使って差し切った。前走の皐月賞は3着だったが、重馬場を苦にした感。それでも、あらためて世代トップクラスの力を示したと言えるだろう。スパッと切れない反面、ロングスパートが利く印象で、いかにも距離が延びて良さが出そうなタイプ。2400メートルで真価を問う。

メタルスピード

牡3歳

調教師:斎藤誠(美浦)

  • 父:シルバーステート
  • 母:マイビビアーヌ
  • 母の父:Shamardal
ここに注目!

4着だった皐月賞は、先に抜け出していたタスティエーラ(2着)を一度は捕らえようかという脚色。8枠17番スタートで終始外を回ったことを思えば、2400メートルをこなせるスタミナは示したと言えるだろう。皐月賞以上の結果も期待できる。

年明けに未勝利(中山・芝1600メートル)を勝った後もコンスタントにレースを使われ、今年4戦目が前走の皐月賞だった。詰まったローテーションもさることながら、その皐月賞は8枠17番ゲート。厳しい条件がそろったなかでのGⅠ初挑戦だったが、13番人気という評価を覆して4着と健闘を見せた。外を回る距離ロスを物ともせず、直線半ばではタスティエーラ(2着)に迫るところまで接近。ラストは伸びが鈍ったが、充実ぶりと世代上位の力は十分に示したと言える。今回は中5週のローテーション。ゆとりをもって調整できる分、これまで以上の状態で臨めそう。皐月賞以上にやれていいはずだ。

ショウナンバシット

牡3歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:シルバーステート
  • 母:ギエム
  • 母の父:Medaglia d'Oro
ここに注目!

5着だった皐月賞はインで我慢して、3、4コーナーも他馬が避けるインを一気に進出して直線へ。結果、外の馬に伸び負けたものの、タフな馬場コンディションを苦にしないパワーと根性は十分にうかがえた。持久力勝負になれば躍進のチャンスだ。

皐月賞は馬場の外めを回る馬が上位を占めたなかで、本馬は2枠4番の内枠スタートから終始内にこだわる競馬。3コーナー過ぎからはその内側をスルスルと進んでポジションを上げると、直線だけ馬場の中ほどへ持ち出し、1度はタスティエーラ(2着)と併せ馬の場面を作った。結果、外の馬たちの伸びに屈して5着だったが、しぶとさとレース巧者ぶりは注目できる。振り返ると、中京・芝2200メートルで挙げた2勝目が重馬場。初のオープンクラス勝ちを決めた若葉S(リステッド・阪神・芝2000メートル)も稍重馬場だった。日本ダービーでも、時計を要す馬場状態になるか否かが台頭のポイントになりそうだ。

ドゥラエレーデ

牡3歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:マルケッサ
  • 母の父:オルフェーヴル
ここに注目!

昨年のホープフルSの勝ち馬。今年初戦のUAEダービー(G2・ダート1900メートル)は2着。それ以来となるローテーションが注目を集めるところだ。前述のホープフルSの4着馬が皐月賞3着のファントムシーフ。異例の臨戦でも好勝負の計算は立つ。

昨年のホープフルSは逃げたトップナイフが2着に粘り、2番手だった本馬が優勝。レースの前半1000メートル通過タイム1分01秒5というスローペースが示すように、展開が奏功した面はあったろうが、それでも芝の初勝利がGⅠというのは力がなければできない芸当だ。今年初戦に選択したUAEダービー(G2)では2着に入り、能力の高さをあらためて証明。芝ダート不問の先行力も強調できるところだ。そのUAEダービー以来の実戦だが、17日の1週前追い切りでは栗東CWコースで6ハロン81秒3をマーク。順調に乗り込まれており、出走態勢は整っているとみていいだろう。

スキルヴィング

牡3歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ロスヴァイセ
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

目下3連勝中。東京・芝2400メートルを2勝している経験で他馬をリードしているうえ、3連勝目となった青葉賞が余力残しに映る完勝だった。“青葉賞組はダービーを勝てない”。そのジンクスを破るにふさわしい一頭と言えるだろう。

着差こそ1/2馬身差だったが、あらためて能力の高さを示したのが前走の青葉賞。リズムを守って中団後ろのポジションから競馬を進め、3、4コーナーは外を回る安全策ながらも、直線で楽々とハーツコンチェルト(2着)を捕らえて優勝した。前々走の1勝クラス・ゆりかもめ賞(東京・芝2400メートル)も楽勝だったが、そのゆりかもめ賞から1秒近くも時計を短縮。馬体重はデビュー以来変わっていないが、その間も確かな成長を続けていたのだろう。いい形でステップレースを終えられた分だけ疲れも少なかったようで、1週前追い切りでは軽快な動きを披露。中3週の今回は上積みが見込めそうだ。

サトノグランツ

牡3歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:サトノダイヤモンド
  • 母:チェリーコレクト
  • 母の父:Oratorio
ここに注目!

京都新聞杯を勝って3連勝で日本ダービーへの切符をつかんだ。その京都新聞杯は0秒1差に5頭がひしめく大接戦。混戦を制した勝負根性と末脚は、本番でも大きな武器となるだろう。ここにきて一戦ごとに増えている馬体重も成長の証だ。

いずれも接戦を制して3連勝中。とりわけ前走の京都新聞杯は、レースの前半1000メートル通過タイムが1分03秒8というかなりのスローペースを差して勝った点で中身が濃い。上がり3ハロン33秒3(推定)という決め手はもちろん、勝負どころで反応の鈍さを見せる点からも、距離延長と東京替わりはプラスに出そう。その東京コースへの長距離輸送も、未勝利(芝2000メートル、2着)で一度経験している。父サトノダイヤモンドは2016年の日本ダービーでハナ差の2着。当時の勝ち馬が友道康夫厩舎所属で川田将雅騎手騎乗のマカヒキだった。父のライバルと同厩舎、同騎手で臨む本馬が雪辱を果たせるかどうか、それがかなうだけの材料はそろっている。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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