古馬牝馬が春の女王の座を懸けてしのぎを削るヴィクトリアマイル。歴代の優勝馬にはダービー馬ウオッカ、芝GⅠ・9勝を挙げたアーモンドアイ、2年続けてJRA賞最優秀短距離馬に選出されたグランアレグリアといった輝かしい実績を残した馬の名も見られる。今年、そこに名を連ねるのはどのような馬なのか。過去10年の結果を参考に、好走馬に共通するポイントを探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を調べると、10番人気以下の馬が7頭も馬券に絡んでいる。2015年は2着に12番人気、3着に18番人気が入り、3連単2000万馬券が飛び出した。1番人気が勝利した3回を見ても2013年は12番人気、2021年は10番人気が2着に入り上位人気同士での決着は少なくなっている。伏兵の台頭を念頭に置いて予想を組み立てた方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-2-0-5 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
3番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 1-2-0-7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
5番人気 | 2-0-3-5 | 20.0% | 20.0% | 50.0% |
6番人気〜9番人気 | 3-0-4-33 | 7.5% | 7.5% | 17.5% |
10番人気以下 | 1-4-2-80 | 1.1% | 5.7% | 8.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭はいずれも前走がJRA重賞で、グレードが高いほど好走率も高くなっている。特に近年はGⅠ組の活躍が目立ち、2020年アーモンドアイ、2021年グランアレグリア、2022年ソダシと3連勝中だ。なお、3着以内馬の頭数はGⅡ組が延べ15頭と最も多く、そのうち12頭は阪神牝馬Sからの臨戦だった。ただし、阪神牝馬Sを勝って臨んだ馬が〔0・1・0・9〕と苦戦していることは覚えておきたい。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA・GⅠ | 4-0-3-19 | 15.4% | 15.4% | 26.9% |
JRA・GⅡ | 5-5-5-67 | 6.1% | 12.2% | 18.3% |
JRA・GⅢ | 1-5-2-44 | 1.9% | 11.5% | 15.4% |
オープン特別 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
条件クラス | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
地方・海外 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
ヴィクトリアマイルはその名のとおり、芝1600メートルで争われる。そのためマイル実績がカギになるようで、前年に行われた芝1600メートルのJRA・GⅠで5着以内に入っていた馬が9勝を挙げている。なかでも、そのレースを勝っていた馬が〔4・1・1・4〕と勝率40%をマーク。2014年のヴィルシーナは単勝11番人気、2016年のストレイトガールは同7番人気と低評価を覆したケースもある。この実績を持つ馬の出走があれば注目しておくべきだろう。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-4-1-35 | 18.4% | 26.5% | 28.6% |
なし | 1-6-9-112 | 0.8% | 5.5% | 12.5% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中21頭は、東京の芝コースで行われた重賞で3着以内に入った経験があった。この経験がなかった馬は過去10年でわずか1勝と勝ち切れていない。1着候補を決める際には特にコース実績を重視した方がよさそうだ。ちなみに、近2年の優勝馬は東京・芝1600メートルの重賞を勝っており、この経験を持っていた馬は過去10年で〔5・3・1・14〕(3着内率39.1%)と、なかなかの成績を残している。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-6-6-58 | 11.4% | 19.0% | 26.6% |
なし | 1-4-4-89 | 1.0% | 5.1% | 9.2% |
〔表2〕の項では阪神牝馬Sを勝っての参戦だった馬が不振であることに触れたが、実は前走1着馬自体が〔0・3・0・38〕と苦戦している。過去10年の優勝馬はいずれも前走で敗戦を喫しており、2014年のヴィルシーナと2015年のストレイトガールに至っては2桁着順に敗れていた。ただし、優勝馬10頭はいずれも前走で上位人気(5番人気以内)に支持されていた。前走のグレード、着順、単勝人気にも注意を払いたい。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走のグレード | 前走の着順 | 前走の単勝人気 |
---|---|---|---|---|
2013年 | ヴィルシーナ | GⅡ | 6着 | 4番人気 |
2014年 | ヴィルシーナ | GⅡ | 11着 | 5番人気 |
2015年 | ストレイトガール | GⅠ | 13着 | 1番人気 |
2016年 | ストレイトガール | GⅡ | 9着 | 3番人気 |
2017年 | アドマイヤリード | GⅡ | 2着 | 3番人気 |
2018年 | ジュールポレール | GⅡ | 5着 | 5番人気 |
2019年 | ノームコア | GⅢ | 7着 | 1番人気 |
2020年 | アーモンドアイ | GⅠ | 9着 | 1番人気 |
2021年 | グランアレグリア | GⅠ | 4着 | 2番人気 |
2022年 | ソダシ | GⅠ | 3着 | 4番人気 |
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