2022年の京王杯スプリングCは、単勝オッズ3.1倍(1番人気)のメイケイエールが1着、同4.0倍(2番人気)のスカイグルーヴが2着、同11.4倍(5番人気)のタイムトゥヘヴンが3着となり、3連単の配当が1万470円にとどまった。単勝オッズが10倍以上で優勝を果たしたのは、2014年のレッドスパーダ(38.4倍)が最後。2015年以降の計8回中、3連単の配当が10万円を超えたのは2017年(17万9770円)のみである。比較的堅い決着が続いているこの一戦を展望するべく、今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、同年のJRA重賞において6着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率5.5%と苦戦している。年明け以降の重賞に出走していない馬や、2022年以前の重賞でしか6着以内に入ったことのない馬は、評価を下げるべきだろう。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-9-8-56 | 11.0% | 22.0% | 31.7% |
なし | 1-1-2-69 | 1.4% | 2.7% | 5.5% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中20頭は、JRAのGⅠにおいて8着以内となった経験がある馬だった。基本的にはGⅠで8着以内のある馬が優勢だ。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-5-7-46 | 12.1% | 19.7% | 30.3% |
なし | 2-5-3-79 | 2.2% | 7.9% | 11.2% |
なお、JRAのGⅠにおいて8着以内となった経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った10頭のうち8頭は、前年以降に“東京競馬場の出走頭数が15頭以上だったレース”において2着以内となった経験のある馬だった。GⅠで8着以内がなく、2022年以降に東京競馬場の15頭以上だったレースで連対を果たしたこともない馬は、過信禁物とみておきたい。〔表3〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 2-4-2-18 | 7.7% | 23.1% | 30.8% |
なし | 0-1-1-61 | 0% | 1.6% | 3.2% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中10頭は、前走が高松宮記念だった。該当馬は3着内率が34.5%とまずまず優秀な水準に達している。GⅠの高松宮記念から臨んできた馬は、それなりに高く評価するべきだろう。〔表4〕
前走 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
高松宮記念 | 6-2-2-19 | 20.7% | 27.6% | 34.5% |
高松宮記念以外 | 4-8-8-106 | 3.2% | 9.5% | 15.9% |
一方、前走が高松宮記念以外だった馬のうち、そのレースが国内のコース、かつ前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.3秒以上だった馬は3着内率5.2%と苦戦している。さらに、2018年以降の過去5年に限ると、〔1・0・0・37〕(3着内率2.6%)とより3着内率が低くなっている。前走が高松宮記念以外、かつそのレースで勝ち馬に0.3秒以上のタイム差をつけられてしまった馬は、割り引きが必要だ。〔表5〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順ならびに1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.2秒以内 | 3-6-7-29 | 6.7% | 20.0% | 35.6% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.3秒以上 | 1-2-1-73 | 1.3% | 3.9% | 5.2% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
2018年以降の3着以内馬15頭は、いずれも前走が国内のコース、かつ前走の4コーナー通過順が3番手以下だった。近年の傾向に従うならば、前走で積極的な競馬をした直後の馬は疑ってかかりたい。〔表6〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2番手以内 | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
3番手以下 | 5-5-5-47 | 8.1% | 16.1% | 24.2% |
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