今週の注目レース

3歳重賞+リステッドワイド NHKマイルカップ(GⅠ)

東京競馬場 1600メートル(芝)定量 牡・牝 3歳オープン

出走馬情報

牡3歳

調教師:伊藤大士(美浦)

  • 父:シルバーステート
  • 母:シルクヴィーナス
  • 母の父:ティンバーカントリー
ここに注目!

前走のニュージーランドTは、正攻法の競馬で好位から危なげなく押し切って3連勝を決めた。目下の充実ぶりに加えて、3歳春の若駒とは思えないほどのレースセンスの持ち主。東京でも堂々の主役候補となりそうだ。

未勝利、1勝クラス、ニュージーランドTと、中山・芝1600メートルで3連勝。いずれも好ポジションから押し切る完勝だった。前走のニュージーランドTは、レースの前半600メートル通過タイムが35秒0。稍重馬場の下、3歳馬とすれば厳しいペースと言えたが、それを物ともせず早め先頭で勝つあたり、かなりの能力を感じさせた。東京のマイルは未経験。東京自体も新馬(芝2000メートル)で3着、未勝利(芝1800メートル)で5着がある程度だが、それは力をつける前。心身ともに大きく成長した今なら、コース不問で実力発揮がかないそうだ。身上のレースセンスをフルに生かし、4連勝でのGⅠ制覇を狙う。

牡3歳

調教師:吉村圭司(栗東)

  • 父:ディスクリートキャット
  • 母:ピンクガーベラ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

アーリントンCを鮮やかに差し切り、京王杯2歳Sに次ぐ重賞2勝目を挙げた。重馬場の速い流れでも力を出せたように、パワーアップを感じさせる内容だった。東京向きの末脚が魅力。ここも直線一気で頂点奪取となるか、楽しみだ。

京王杯2歳Sを勝って重賞初制覇。続く朝日杯フューチュリティSは出遅れが痛恨だったが、それでも後方から直線だけで7着まで追い上げる脚を見せた。今年初戦となったアーリントンCは重馬場では珍しいほどの速い流れに戸惑いながらも、前で粘る馬たちをゴール寸前で差し切る好パフォーマンス。休養を経ての地力強化はもちろん、末脚にもすごみが増したことを感じさせる勝利だった。東京マイルは初めてになるが、GⅡ勝ちがあるようにしっかりと適性を示しているコース。馬場状態、折り合いに不安がない点も強調できる。前記朝日杯フューチュリティSの雪辱を果たせるか、注目だ。

牡3歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:アユサン
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

3戦無敗で昨年度のJRA賞最優秀2歳牡馬を受賞。前走のニュージーランドT(7着)はよもやの敗戦だったが、休養明けに加えて、他馬に絡まれる展開も厳しかった。1度使って、サウジアラビアロイヤルCを勝った本舞台。本領発揮といきたい。

今年初戦となったニュージーランドTは7着だったが、ハナを切ったのち、3コーナーから直線入り口まで2番手の馬と併走する形。5ハロン目の11秒2という猛ラップが示すように、まったく息が入らないペースだった。むしろ、勝ち馬から0秒6差に踏ん張ったあたりが地力の証明とも言えそうだ。休み明けだったことも考慮すれば、悲観するような敗戦ではないだろう。1度実戦を使って迎える今回は、サウジアラビアロイヤルCを勝っている舞台。条件が好転するうえ、自身3戦3勝で朝日杯フューチュリティSを勝った素質馬で、母が桜花賞馬という良血でもある。あっさり巻き返しがあっても何ら不思議はない。

牝3歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ザガールインザットソング
  • 母の父:My Golden Song
ここに注目!

課題の発馬を克服したフィリーズレビューは、マクリ気味に動いて後続を完封する強い内容。前走の桜花賞(7着)も好位からのレース運びで見せ場を作ったように、競馬の上達がうかがえる。牡馬相手でも好勝負が可能だろう。

ここ2戦のレース内容がともに高く評価できるもの。特に驚かされたのが、前々走のフィリーズレビューだ。課題の発馬をクリアし、好位から4コーナー手前で前を捕らえにいく積極的な競馬。早めに先頭に立って後続の追い上げも完封したように、ひと皮むけたことを印象付けるに十分な重賞勝ちだった。前走の桜花賞は好位のインから競馬を進めて7着。ラストに伸びを欠いたが、1分32秒9の走破時計は立派だ。何より一気の相手強化でも好ポジションで走れたことが、心身の成長を物語る。3走前のエルフィンS(リステッド・中京・芝1600メートル、3着)では上がり3ハロン33秒2(推定)の脚を発揮。東京に対応できそうな決め手も備えている。

牡3歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:エピックラヴ
  • 母の父:Dansili
ここに注目!

皐月賞は18着に敗れたが、距離も馬場状態(重)も不適だった印象。その皐月賞以外は、全てメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)をマークしている。朝日杯フューチュリティSでドルチェモアとクビ差の2着だったように、GⅠを勝つだけの力は優に備えている。

前走の皐月賞は18着に敗れたが、昨年の朝日杯フューチュリティS(2着)以来の実戦。久々の影響があったうえ、大型馬ゆえ重馬場も向かなかった。さらに、初距離と速い流れにも泣いた印象がある。これは参考外とみていいのではないか。その皐月賞以外は全てメンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマーク。朝日杯フューチュリティSでは後方から競馬を進めて、勝ったドルチェモアとクビ差の接戦まで持ち込む脚を見せた。まだ1勝馬ではあるが、実力とマイル適性の高さは疑いようがなく、直線の長い東京コースが合いそうな雰囲気もある。中間の調教では迫力ある動きを披露。一変の材料はそろっている。

牡3歳

調教師:角田晃一(栗東)

  • 父:デクラレーションオブウォー
  • 母:タマモイヤリング
  • 母の父:ブラックタイド
ここに注目!

芝1400メートル以下に限れば1着、2着、1着、1着と底を見せていない。ファルコンSはハナ差だったとはいえ、1400メートルでの初勝利。重馬場の好位策で押し切ったあたり、持久力も十分にうかがえた。距離延長でも上位争いになりそうだ。

前走のファルコンSはいい手応えで直線へ。一度は前が壁になるシーンがありながらも、うまくさばいて内ラチ沿いに進路を取ると、力強く抜け出してきた。最後はカルロヴェローチェとの接戦をハナ差だけ残したところがゴール。1勝クラスからの連勝で重賞初制覇を飾った。マイルの経験は新潟2歳Sの9着があるのみだが、当時は芝1200メートルの新馬勝ち直後。タフな馬場での1400メートル重賞を勝った今なら、立ち回り次第でマイルも十分にこなせそうだ。父デクラレーションオブウォーはイギリスの中距離G1勝ち馬。血統的にも距離克服の素地はある。

牡3歳

調教師:和田雄二(美浦)

  • 父:リアルスティール
  • 母:クイーングラス
  • 母の父:ルーラーシップ
ここに注目!

昨年のデイリー杯2歳Sの勝ち馬。好時計での逃げ切りは評価できるうえ、次走の朝日杯フューチュリティSも、ハイペースを思えば中身の濃い6着だった。スプリングS(7着)は、コースを1周する競馬、1800メートルの距離など、初物尽くしでの敗戦。マイルで見直したい。

本馬が勝ったデイリー杯2歳Sはその後好走馬が続出。2着馬のダノンタッチダウンが朝日杯フューチュリティSで2着に入ったのを筆頭に、3着馬のショーモンはアーリントンCで3着。5着馬クルゼイロドスルは次走でジュニアC(リステッド)を快勝した。それらの素質馬を相手に、初勝利直後、しかも初めての関西遠征で結果を残した本馬の底力はかなりのものがあるはずだ。ここ2戦は善戦止まりに終わっているが、朝日杯フューチュリティSはハイペース。スプリングSはコーナー通過4回の舞台に加えて重馬場と、それぞれに力を発揮できない要因があったことも確か。コーナー通過2回のマイル戦に戻れば、躍進を見込んでいい。

牡3歳

調教師:高橋義忠(栗東)

  • 父:ファインニードル
  • 母:スタリア
  • 母の父:アルカセット
ここに注目!

前走のジュニアC(リステッド・中山・芝1600メートル)が圧巻。ハナを奪うと、直線は最後まで鞍上がびっしり追うことなく後続を離す楽勝だった。それ以来の実戦だが、十分な調教量を消化。力を出せる態勢が整っている印象だ。一気の相手強化でも軽視はできない。

前走のジュニアC(リステッド)が驚きの内容。初めての逃げる競馬だったが、しっかりと我慢が利いた走り。それでいて前半から好ラップを刻み、直線に入るところでは既に勝負ありの態勢を築いていた。結果4馬身差の快勝。見た目からして強かったが、翌々日のニューイヤーS(古馬・リステッド)でも4着に相当する走破時計も評価できるものだった。それ以来の実戦となるが、このローテは当初から予定されていたようで、3月下旬から十分に乗り込まれ、4月26日には7ハロンからの意欲的な追い切りを消化。力を出せる態勢にあるとみていいだろう。初勝利が当舞台だった点も推せる材料だ。

5月6日(土曜)6時40分

出走取消

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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