2022年のアンタレスSを制したのは、前年までにGⅠ・JpnⅠ5勝を含むダートグレード競走を7勝していた7歳馬のオメガパフュームだった。また、2021年のアンタレスSでダートグレード競走初制覇を果たしたテーオーケインズは、その後同年の帝王賞とチャンピオンズCに加え、2022年の平安S、JBCクラシックを勝っている。古馬ダート路線のビッグレースと密接なつながりがある一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、前走がハンデキャップ競走以外だった。一方、ハンデキャップ競走だった馬は3着内率6.7%と苦戦している。マーチSをはじめとするハンデキャップ競走から臨む馬は、過信禁物とみるべきだろう。〔表1〕
前走の条件 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ハンデキャップ競走 | 0-2-3-70 | 0% | 2.7% | 6.7% |
ハンデキャップ競走以外 | 10-8-7-60 | 11.8% | 21.2% | 29.4% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、前走の着順が4着以内だった。一方、5着以下だった馬は3着内率6.0%と苦戦している。〔表2〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 9-10-6-51 | 11.8% | 25.0% | 32.9% |
5着以下 | 1-0-4-78 | 1.2% | 1.2% | 6.0% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
ちなみに、過去5年の3着以内馬延べ15頭は、いずれも前走の着順が3着以内だった。近年の傾向を重視するならば、4着以下に敗れた直後の馬は割り引きが必要だ。〔表3〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 5-5-5-19 | 14.7% | 29.4% | 44.1% |
4着以下 | 0-0-0-45 | 0% | 0% | 0% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、前走の4コーナー通過順が5番手以内だった。一方、6番手以下だった馬は3着内率9.0%と苦戦しているうえ、2019年以降の過去4年に限ると〔0・0・1・25〕(3着内率3.8%)と、苦戦傾向が強まっている。直近のレース内容を比較する際は、4コーナーの通過順にも注目しておきたい。〔表4〕
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5番手以内 | 10-9-5-68 | 10.9% | 20.7% | 26.1% |
6番手以下 | 0-1-5-61 | 0% | 1.5% | 9.0% |
競走中止 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去4年の3着以内馬延べ12頭中6頭は、前走が地方競馬の競馬場だった。該当馬は3着内率が37.5%と優秀な水準に達している。前走が地方のレースだった馬は高く評価するべきだろう。〔表5〕
前走の競馬場 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA | 1-2-3-42 | 2.1% | 6.3% | 12.5% |
地方 | 3-2-1-10 | 18.8% | 31.3% | 37.5% |
なお、前走がJRAの競馬場だったにもかかわらず3着以内に入った6頭のうち5頭は、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以内だった。前走がJRAのレースだった馬のうち、そのレースで出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬は、評価を下げた方がよさそうだ。〔表6〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4位以内 | 1-2-2-11 | 6.3% | 18.8% | 31.3% |
5位以下 | 0-0-1-31 | 0% | 0% | 3.1% |
過去5年の優勝馬5頭は、いずれも前走がハンデキャップ競走以外だった。また、この5頭は前走の着順が3着以内だった点、前走の4コーナー通過順が4番手以内だった点も共通している。〔表1〕から〔表4〕で挙げた条件を多くクリアしている馬が有力とみておきたい。〔表7〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 前走(条件) | 前走の着順 | 前走の4コーナー通過順 |
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2018年 | グレイトパール | 平安S(別定) | 1着 | 2番手 |
2019年 | アナザートゥルース | 名古屋大賞典(別定) | 3着 | 3番手 |
2020年 | ウェスタールンド | ダイオライト記念(定量) | 2着 | 4番手 |
2021年 | テーオーケインズ | 名古屋城S(別定) | 1着 | 1番手 |
2022年 | オメガパフューム | 東京大賞典(定量) | 1着 | 3番手 |
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