春競馬の華であるクラシックレースの第一弾が桜花賞。3歳牝馬が阪神マイルで桜の女王を目指す。過去10年のデータを分析してみると、ある程度の傾向が見えてきたので、ここでお伝えしていきたい。
過去10年の1番人気の成績は〔1-3-1-5〕で、半数が4着以下とそこまで信頼できる存在ではない。かといって大穴が出ているわけでもなく、9番人気以下で馬券に絡んだのは2頭だけ。3着以内馬のほとんどが8番人気以内の馬となっている。軸馬は8番人気以内の馬から選び、流す相手も8番人気以内の馬にするのが無難と言えそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
8番人気以内 | 10-10-8-52 | 12.5% | 25.0% | 35.0% |
9番人気以下 | 0-0-2-96 | 0% | 0% | 2.0% |
過去10年の優勝馬は、全て馬体重が460キログラムから499キログラムだった。459キログラム以下の比較的軽い馬も馬券には絡んでいるが、昨年1番人気で10着に敗れたナミュール(426キログラム)、2021年3番人気18着のメイケイエール(458キログラム)、2015年1番人気9着のルージュバック(444キログラム)など、人気に応えられないケースもあった。〔表2〕
馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
459kg以下 | 0-5-5-92 | 0% | 4.9% | 9.8% |
460〜499kg | 10-5-5-50 | 14.3% | 21.4% | 28.6% |
500kg以上 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
また、前走からの馬体重の増減にも注目してみると、前走よりも増加していた馬の成績がいまひとつ。昨年2番人気4着のサークルオブライフ、2019年1番人気4着のダノンファンタジー、2016年1番人気4着のメジャーエンブレムなどが、プラス体重で出走して敗れている。〔表3〕
馬体重前走比 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
減 | 7-5-7-93 | 6.3% | 10.7% | 17.0% |
増減なし | 2-2-3-15 | 9.1% | 18.2% | 31.8% |
増 | 1-3-0-40 | 2.3% | 9.1% | 9.1% |
過去10年の優勝馬10頭を含む3着以内馬24頭は、前走で3着以内に入っていた。前走4着以下で馬券に絡んだ馬も6頭いるが、この6頭は全て前走がチューリップ賞だった。チューリップ賞以外で4着以下に敗れていた馬は、厳しい戦いを強いられそうだ。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 10-7-7-98 | 8.2% | 13.9% | 19.7% |
4着以下 | 0-3-3-50 | 0% | 5.4% | 10.7% |
前走の単勝人気に関しても、3番人気以内に支持されていた馬の好走率が高くなっている。4番人気以下だった馬で馬券に絡んだ7頭のうち6頭は前走がチューリップ賞だった。チューリップ賞以外で4番人気以下だった馬は狙いづらい。〔表5〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番人気以内 | 9-8-6-78 | 8.9% | 16.8% | 22.8% |
4番人気以下 | 1-2-4-70 | 1.3% | 3.9% | 9.1% |
前走別成績では3着以内馬30頭中29頭は前走が重賞だった。重賞以外のレースだった馬の好走例は、後に牝馬三冠に輝いた2020年のデアリングタクト(前走:エルフィンS)だけだ。〔表6〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
重賞 | 9-10-10-112 | 6.4% | 13.5% | 20.6% |
重賞以外 | 1-0-0-36 | 2.7% | 2.7% | 2.7% |
次に、どの重賞から臨んだ馬が有力かというと、やはり同コースで行われるトライアルのチューリップ賞から臨んだ馬の好走が多い。また、頭数は少ないが、同じく同コースの阪神ジュベナイルフィリーズや朝日杯フューチュリティSといった2歳GⅠから直行した馬の好走率も高い。〔表7〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
チューリップ賞 | 4-8-6-30 | 8.3% | 25.0% | 37.5% |
阪神JF | 1-2-0-3 | 16.7% | 50.0% | 50.0% |
フィリーズR | 1-0-2-46 | 2.0% | 2.0% | 6.1% |
クイーンC | 1-0-1-17 | 5.3% | 5.3% | 10.5% |
朝日杯FS | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
シンザン記念 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
フェアリーS | 0-0-1-4 | 0% | 0% | 20.0% |
フラワーC | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
きさらぎ賞 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
アーリントンC | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
その他のレース | 0-0-0-34 | 0% | 0% | 0% |
過去9年の優勝馬は、1頭を除いて前走が芝1600メートルだった。また、9頭全てが前走3着以内かつ3番人気以内だった。さらに、前走が芝1400メートルだったレーヌミノルと、重馬場だったレッツゴードンキ以外は、前走で上がり3ハロンタイム(推定)34秒6以下の速い末脚を披露していた。〔表8〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走の距離 | 前走の着順 | 前走の単勝人気 | 前走の上がり3Fタイム(推定) |
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2014年 | ハープスター | 1600m | 1着 | 1番人気 | 33.7秒 |
2015年 | レッツゴードンキ | 1600m | 3着 | 2番人気 | 36.6秒 |
2016年 | ジュエラー | 1600m | 2着 | 1番人気 | 33.0秒 |
2017年 | レーヌミノル | 1400m | 2着 | 1番人気 | 35.0秒 |
2018年 | アーモンドアイ | 1600m | 1着 | 1番人気 | 34.4秒 |
2019年 | グランアレグリア | 1600m | 3着 | 1番人気 | 34.6秒 |
2020年 | デアリングタクト | 1600m | 1着 | 3番人気 | 34.0秒 |
2021年 | ソダシ | 1600m | 1着 | 1番人気 | 34.2秒 |
2022年 | スターズオンアース | 1600m | 2着 | 1番人気 | 34.2秒 |
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