今週の注目レース

高松宮記念(GⅠ)

中京競馬場 1200メートル(芝)定量 4歳以上オープン

出走馬情報

ナムラクレア

牝4歳

調教師:長谷川浩大(栗東)

  • 父:ミッキーアイル
  • 母:サンクイーンⅡ
  • 母の父:Storm Cat
ここに注目!

今回と同舞台で行われたシルクロードSを勝ち、スプリント重賞3勝目を挙げた。GⅠは2021年阪神ジュベナイルフィリーズ5着、2022年の桜花賞3着、スプリンターズS5着と全て掲示板(5着以内)を確保。待望のビッグタイトルを狙う。

2021年阪神ジュベナイルフィリーズ5着、2022年桜花賞3着と世代限定牝馬GⅠでも上位争いを演じたが、ベストは〔4・0・1・1〕の芝1200メートル戦だろう。重賞3勝も当距離でマーク。昨年のスプリンターズSは、内を回った内枠勢の台頭が目立つなか、5枠9番から外へ出す競馬で5着を確保した。今年初戦のシルクロードSは、メンバー中最速の上がり3ハロン32秒9(推定)の末脚で差し切りV。騎乗した浜中俊騎手は「直線はいい瞬発力でよく伸びてくれました」と評価した。前走時から栗東CWコースでの調教も取り入れ、瞬発力に磨きがかかってきた印象。2度目のスプリントGⅠで待望のタイトルを狙う。

アグリ

牡4歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:Caravaggio
  • 母:オールドタイムワルツ
  • 母の父:War Front
ここに注目!

1勝クラス(札幌・芝1500メートル)から4連勝で阪急杯を制覇。レース内容からも充実著しいが、過去に1度だけ経験した1200メートル戦では、キャリアで唯一の4着に敗れている。距離への対応が鍵だ。

昨年8月の1勝クラスから4連勝中。重賞初挑戦だった前走の阪急杯は2番手から抜け出し、1分19秒5の好時計で快勝した。昨年7月の1勝クラス(札幌・芝1200メートル、4着)以来2度目のコンビだった横山和生騎手は「去年の夏に乗せていただいた時から見違えるように馬が変わっていたので、自信を持っていました」とコメント。約2か月ぶりの休み明けを使い、調教の動きからはさらに上昇気配が漂う。本レースを2012年カレンチャン、2013年ロードカナロア、2021年ダノンスマッシュで3勝している安田隆行厩舎から誕生した短距離界の新星候補が、ビッグタイトル獲得に挑む。

メイケイエール

牝5歳

調教師:武英智(栗東)

  • 父:ミッキーアイル
  • 母:シロインジャー
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

JRA平地重賞6勝は、ソダシと並ぶ現役最多勝タイ記録。ただ、GⅠでは6戦して4着が最高着順となっている。昨年秋のスプリンターズSも1番人気で14着に敗れており、ここでのタイトル奪取に燃える。

JRA重賞は2歳時に2勝、3歳時に1勝、そして4歳時の昨年は3勝をマーク。本舞台の重賞でも、昨年のシルクロードSとセントウルSを制した。重賞6勝の実績は光るが、JRA・GⅠは5戦して4着が最高着順。これまでの国内GⅠは全て前哨戦を使って中7週以内の間隔で参戦するパターンだったが、今回は暮れの香港スプリント(G1・芝1200メートル、5着)以来の直行ローテを選択した。池添謙一騎手を背にした栗東CWコースの1週前追い切りでは、3ハロン34秒4、ラスト1ハロン11秒7の好時計をマークし、状態の良さをアピールしている。フレッシュな状態で念願のGⅠ獲りを狙う。

ナランフレグ

牡7歳

調教師:宗像義忠(美浦)

  • 父:ゴールドアリュール
  • 母:ケリーズビューティ
  • 母の父:ブライアンズタイム
ここに注目!

昨年の本レースは、8番人気の低評価ながら強烈な末脚で差し切った。今年もオーシャンS(9着)を使ってここへ参戦。2010年、2011年に制したキンシャサノキセキ以来、史上2頭目の高松宮記念連覇なるか、注目だ。

キャリアを積みながら末脚に磨きをかけてきた。GⅠ初挑戦だった昨年の高松宮記念は直線で内から馬群をさばいて差し切り、ビッグタイトルを獲得。昨秋のスプリンターズSも上がり3ハロン最速タイの33秒9(以下推定)をマークして3着まで追い込んだ。今年初戦のオーシャンSは9着に敗れたが、上がり3ハロンタイムはメンバー中2位タイの33秒2をマーク。騎乗した丸田恭介騎手は「初の(斤量)59キログラムでダッシュがつかず、直線では前が詰まってしまいました。1度使っての上積みはありそうなので、次に期待したいです」と前を向いた。昨年と同じ前哨戦をステップに連覇へ挑む。

ピクシーナイト

牡5歳

調教師:音無秀孝(栗東)

  • 父:モーリス
  • 母:ピクシーホロウ
  • 母の父:キングヘイロー
ここに注目!

3歳で挑んだ2021年スプリンターズSを制した。続く香港スプリント(G1・香港・芝1200メートル)は、故障した先行馬と接触して落馬、競走中止。本馬も骨折が判明し、長期の戦線離脱を余儀なくされた。約1年3か月ぶりの実戦で力を発揮できるかがポイントだろう。

デビューから福永祐一騎手(現調教師)がコンビを組み、3戦目の2021年シンザン記念で重賞初制覇。夏以降はスプリント路線に変更、これが素質開花につながった。秋のスプリンターズSは後続に0秒3差をつけて快勝。しかし、勢いに乗って挑戦した香港スプリント(G1)でアクシデントに見舞われた。勝負どころで落馬事故に巻き込まれて転倒し、左前脚の橈側手根骨を骨折。長期休養を余儀なくされたが、焦らず調整を進めてきた。15日の1週前追い切りでは栗東坂路で4ハロン50秒3の好時計をマーク。調教の動きからはブランクを感じさせない。元王者が復帰戦で力を見せつける。

ウインマーベル

牡4歳

調教師:深山雅史(美浦)

  • 父:アイルハヴアナザー
  • 母:コスモマーベラス
  • 母の父:フジキセキ
ここに注目!

2021年10月にブリンカーを着用して以降は〔4・3・0・2〕の安定した成績。3着以内を外した2戦はともに3か月以上の休み明けだった。休み明けの前走は7着に敗れたが、2戦目で反撃に燃える。

デビュー6戦目にブリンカーを着用して初勝利。馬具の効果で集中して走れるようになった。昨年5月の葵Sは、他馬より重い57キログラムの斤量を背負って重賞初制覇。他世代に挑んだキーンランドCで2着に好走すると、初めてのGⅠ挑戦だったスプリンターズSでも2着と、トップレベルの力を示した。今年初戦のシルクロードSはトップハンデの59キログラム、外枠8枠14番と難しい条件が重なって7着に敗れたが、騎乗した松山弘平騎手は「厳しい条件の中でも7着に来ていますし、力はあります」と評価した。同じ舞台のGⅠで反撃に燃える。

ヴェントヴォーチェ

牡6歳

調教師:牧浦充徳(栗東)

  • 父:タートルボウル
  • 母:ランウェイスナップ
  • 母の父:Distant View
ここに注目!

前哨戦のオーシャンSを鮮やかに差し切り、昨年のキーンランドCに続く重賞2勝目をゲット。これまでの7勝は、右回りで6勝と新潟の直線競馬で挙げており、初めてのコーナーがある左回りコースへの対応がポイントになる。

間隔を空けながら大事に使われてきたため、6歳でもキャリアは14戦。体質が強くなって順調に使えるようになり、本格化ムードが漂う。昨年夏のキーンランドCで重賞初制覇、今年初戦だった前走のオーシャンSで重賞2勝目を挙げた。オーシャンS後にC.ルメール騎手は「すごくいい反応をしてくれました。楽勝でしたし、さらに上のクラスにいけると思います」と太鼓判を押していた。もともと使って良くなるタイプで、中3週以内の間隔で出走したレースでは3戦3勝と負けていない。中2週のローテでさらにパフォーマンスを上げることができれば、GⅠ制覇のチャンスは十分にあるはずだ。

グレナディアガーズ

牡5歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:Frankel
  • 母:ウェイヴェルアベニュー
  • 母の父:Harlington
ここに注目!

2020年朝日杯フューチュリティSを、1分32秒3の2歳コースレコードでV。翌2021年は阪神Cを制した。休み明けで挑んだ昨年の高松宮記念では3番人気に支持されるも12着。今年は阪急杯(7着)を使ったローテーションでリベンジに挑む。

デビュー3戦目の未勝利(阪神・芝1400メートル)を勝ち上がって挑んだ2020年朝日杯フューチュリティSで、1分32秒3の2歳コースレコードをマークしてGⅠ初制覇。翌年のNHKマイルC(3着)でも上位争いを演じた。2021年阪神Cで重賞2勝目を挙げ、そこから直行した昨年の高松宮記念は重馬場に苦しんで12着に敗れた。今年は前哨戦を使ったローテーションで参戦。前走の阪急杯は1番人気で7着に敗れたが、初コンビだった岩田望来騎手は「外に張るところがあって脚がたまらなかった感じです」と敗因を分析していた。使った効果で本来の力を出し切ることができれば、巻き返し可能だろう。

(寺下 厚司)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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