牝3歳
調教師:池添学(栗東)
この世代最初のJRA重賞ウイナーで、底力は確かなものがある。その函館2歳Sでは、雨が降る稍重馬場も苦にせずに豪快な差し切りを決めた。強烈な末脚を武器に、2度目の重賞タイトル奪取をもくろむ。
前走の阪神ジュベナイルフィリーズは、後方で脚をためたが、直線も良い反応を見せることができず10着に敗れた。ただ、1600メートルの距離は初めて。加えてGⅠの大舞台だったことを考えれば、条件的に厳しかったのも確かだろう。今回と同じ阪神・芝1400メートルだった前々走のファンタジーSでは2着に好走。芝1400メートル以下では3戦2勝、2着1回の好成績を残しており、距離短縮はプラスに働くはずだ。1日の1週前追い切りは、栗東CWコースで6ハロン83秒8(ラスト1ハロン13秒1)をマーク。今年の初戦となるだけに、再び重賞で強い姿をファンに披露して、飛躍に繋げたい。
牝3歳
調教師:高柳瑞樹(美浦)
今回と同じ阪神・芝1400メートルで行われた昨年のファンタジーSを逃げ切って重賞初制覇を果たしており、レース条件としては合っていると言っていいだろう。今回も持ち前の先行力を生かして上位を狙う。
前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは、GⅠの強敵相手に果敢な先行策を取ったが18着。敗因は明確ではないが、ファンタジーS勝ちの実績を考えると、能力を出し切ったとは考えづらい。2日の1週前追い切りでは、美浦南Wコースで6ハロン83秒1(ラスト1ハロン11秒7)をマーク。併せ馬で1馬身半ほど先着を果たしており、今年初戦に向けて調整過程は上々だ。前走時の馬体重が430キログラムと小柄な牝馬だが、阪神への長距離輸送も今回で3度目となるだけに、問題なくこなせるだろう。仕切り直しの一戦で、2度目の重賞制覇を目指す。
牝3歳
調教師:長谷川浩大(栗東)
半姉アマルフィコースト(父ダイワメジャー)は重賞勝ちこそなかったが、4歳時の阪神牝馬Sで2着となるなど活躍を見せた。姉は成長力を示しただけに、本馬もここからさらに実績を重ねていく可能性はあるだろう。
前々走の1勝クラス・りんどう賞(阪神・芝1400メートル)は、スタートこそ五分だったものの二の脚を利かせて一気にハナへ。直線に入ってスパートを開始すると、後続を突き放して2着に3馬身差をつけた。逃げの手を打ちながら、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒3をマーク。ゴール前は鞍上が手綱を緩めていただけに、完勝だったと言えるだろう。今回と同じ舞台で見せた好内容の走りは、これまでのベストパフォーマンスと言ってもよさそう。また、稍重馬場での白星だったことから、タフな馬場コンディションになれば、より実力を発揮できるだろう。
牝3歳
調教師:岩戸孝樹(美浦)
現役時代に中京記念を制した父グレーターロンドンは、初年度産駒のロンドンプランが小倉2歳Sを制覇するなど活躍馬を出している。デビューから2連勝を決めた本馬も、父の代表産駒となる可能性を秘めている。
デピュー戦の前々走のメイクデピュー福島(芝1200メートル)は、前半から積極的なレース運びで2番手を追走。3コーナーの手応えがいまひとつのうえ、4コーナーではフラフラするシーンがありながら、直線ではしぶとく脚を伸ばして差し切り。2着に1馬身差をつけ、能力の高さを披露した。400メートルの距離延長となった前走の1勝クラス・菜の花賞(中山・芝1600メートル)は、好スタートからハナに立ち、3、4コーナーで後ろの馬を引きつけると、直線で再び突き放して逃げ切った。スタートの速さと、楽に先手を奪える先行力は、重賞初挑戦の今回も武器となるはずだ。
牝3歳
調教師:清水久詞(栗東)
1400メートルへの距離延長が課題となるが、母は現役時代に1500メートルのレースで初勝利を挙げ、1800メートルのレースでも連対を果たした。血統的にはこなせる下地があるとみていいだろう。
前々走の未勝利(阪神・芝1200メートル)で初勝利をゲット。逃げの手を打ちながら、直線でも脚色は衰えることなく後続を突き放した。上がり3ハロン33秒7はメンバー中最速で、2着馬に4馬身差をつける完勝。今回と同じ阪神コースだったことにも価値がある。前走の1勝クラス・萌黄賞(小倉・芝1200メートル)は昇級初戦だったが、先行策から2着馬に3/4馬身差をつけて連勝を決めた。ダイワメジャー産駒らしいスピードを持ち、力強いフットワークから阪神の直線に待ち構える急坂も問題ないはず。重賞初挑戦でも楽しみのほうが大きい。
牝3歳
調教師:上村洋行(栗東)
母スマイリングムーンは現役時代に4勝をマーク。祖母スプレッドスマイルも3勝を記録しており、高い能力を堅実に伝える母系と言っていいだろう。重賞のメンバーに入っても素質は通用していいはずだ。
デビュー2戦目となった3走前の未勝利(阪神・芝1600メートル)では、楽な手応えで先行集団に取りつき、じっくりと脚をためた。直線で追い出しを開始されると、鋭く反応して力強く抜け出し、そのまま押し切り勝ち。前々走の1勝クラス・白菊賞(阪神・芝1600メートル)も、先行策から直線で抜け出して2勝目をマークした。GⅠへの挑戦となった前走の阪神ジュベナイルフィリーズこそ17着に敗れたが、レースセンスの高さは今回も強みとなるだろう。父モーリスは、自身が見せた豊かなスピードを産駒にもしっかり伝えており、1400メートルへの距離短縮となる本馬も克服可能なはずだ。
牝3歳
調教師:高野友和(栗東)
デビューから3戦全てでメンバー中最速の推定上がり3ハロンをマークしており、末脚の破壊力が光る。今回が初めての重賞挑戦。脚質から展開に左右されやすい面はあるものの、直線では確実に脚を伸ばしてくるだろう。
前走のエルフィンS(リステッド・中京・芝1600メートル)は、スタートから行き脚がつかず最後方からの競馬。直線も馬群の大外からの追い上げとなりスムーズさを欠いたが、末脚を伸ばして3着を確保した。メンバー中最速の上がり3ハロン33秒2(推定)をマークしたものの、逃け馬がそのまま勝ったように展開も合わなかった。それでも、クビ差に迫った2着のコナコーストが先週のチューリッブ賞で2着に好走。相手関係を比較すれば、1勝馬とはいえ重賞でも十分通用する能力を持っているとみてよさそうだ。直線の短い内回りコースへの対応は鍵になるだろう。
(山口 大輝)
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