牡3歳
調教師:昆貢(栗東)
キャリアを積むごとに地力をつけて、デビュー7戦目となった前走のホープフルSではドゥラエレーデとハナ差の接戦を演じて惜敗の2着。本レースに照準を合わせて仕上げに抜かりはなく、主役の座は譲れない。
3走前の萩S(リステッド・阪神・芝1800メートル)は、先行策からラスト200メートルで先頭に立つと、後続を2馬身突き放して2勝目をマークした。2走前の京都2歳Sは、中団のインを追走。4コーナーでゴチャつくシーンはあったが、直線は馬群の内からしぶとく脚を伸ばし、最後は勝ったグリューネグリーンに際どく迫ってアタマ差の2着に敗れた。前走のホープフルSは、同型を制してハナを主張。スローペースに持ち込み、直線はドゥラエレーデとの激しい追い比べ。首の上げ下げでハナ差の2着に敗れたが、あらためて能力の高さを示した。春のクラシックに向けて、ここは負けられない一戦だ。
牡3歳
調教師:堀宣行(美浦)
キャリア2戦目、重賞初挑戦となった前走の共同通信杯で勝ち馬から0秒2差の4着に入って、ポテンシャルの高さは証明済み。休み明けを1度使った上積みが見込め、クラシック路線に駒を進めるためにも、収得賞金加算を狙う。
11月27日のメイクデビュー東京(芝1800メートル)は、軽く促して2番手をキープ。スローペースでもピタリと折り合い、直線半ばで先頭に立つと、後続を3馬身1/2差引き離して1分47秒2の好タイムで完勝した。2番人気に支持された前走の共同通信杯は、好スタートを決めてスッと前に取りついたが、出遅れたタッチウッドが途中から先頭に立つと、ポジションを下げて5番手を追走。中盤のペースが緩んだこともあって上位2頭とは位置取りの差が出たが、直線では外からじわじわと脚を伸ばし、2着タッチウッドとクビ+ハナ差の4着に入った。ここでも有力候補に挙げられる。
牡3歳
調教師:相沢郁(美浦)
母系は祖母ウメノファイバー(オークス優勝)にさかのぼり、半兄ヴェルデグリーン(父ジャングルポケット)はGⅡ2勝を挙げた活躍馬。本馬は今回のメンバー中唯一の重賞ウイナーとして、恥ずかしい競馬はできない。
デビュー2戦目の未勝利(東京・芝1800メートル)は、1分46秒4の好タイムで2馬身1/2差の快勝。続く京都2歳Sは押し出されるようにハナを奪ってマイペースの逃げ。直線半ばで先行勢を振り切り、最後はトップナイフの追い上げをアタマ差しのいで重賞タイトルを獲得した。前走のホープフルSは11着に敗れたが、騎乗したM.デムーロ騎手が「スローペースで展開が不向きだったこともありますが、直線では今ひとつ伸び切れませんでした。これは気持ちの問題もあるかもしれません」と振り返ったように、力負けではなさそうだ。2か月ほど間隔を空けて立て直しを図っており、巻き返しを期待したい。
牡3歳
調教師:藤岡健一(栗東)
母ワントゥワンは現役時代に5勝を挙げ、重賞で3度の連対を果たした活躍馬。母をほうふつとさせる柔軟性に富んだフットワークと、高い潜在能力を受け継いでおり、重賞でどこまで通用するのか、注目の一戦になりそうだ。
12月4日のメイクデビュー中京(芝2000メートル)は、スッと控えて中団のインで折り合いに専念。スローペースだったが、直線に入ってから外へ出し、ラスト400メートル付近で進路を確保すると、一気に先頭を捕らえて快勝した。前走の若駒S(リステッド・中京・芝2000メートル)は初戦に続く最内枠スタートから、2、3番手のインを追走し、直線では馬場の中ほどから一度は完全に抜け出すシーン。最後はマイネルラウレアの瞬発力にハナ差屈して2着に敗れたが、“負けてなお強し”を印象づけている。操縦性が高く、初めての右回り、中山コースにもすんなり対応できそうだ。
牡3歳
調教師:手塚貴久(美浦)
母バウンスシャッセは重賞3勝を挙げて、2014年のオークスで3着に好走した活躍馬。父にエフフォーリアなどを送り出したエピファネイアを配した血統背景は一級品だ。重賞でもポテンシャルは引けを取らない。
メイクデビュー東京(芝1800メートル)は2着に敗れたが、3着以下には8馬身差をつけており、能力の片りんは示した。前走の未勝利(東京・芝2000メートル)は、スッと2番手に取りついて逃げ馬の直後で折り合いに専念。緩みない流れだったが、ラスト300メートル付近で先頭に立つと、後続を楽に振り切って3馬身差で快勝した。騎乗したC.ルメール騎手は「ハミを取って一所懸命に走り過ぎるけど、今日はリードホースがいたから何とか我慢できました。クラスが上がったらもう少し冷静に走れるようにならないと」と語ったように、今後は折り合い面が鍵になりそうだ。
牡3歳
調教師:萩原清(美浦)
メイクデビュー阪神(芝1800メートル)は3着に敗れたが、1、2着馬はすでに2勝を挙げ、5着ドゥラエレーデ(ホープフルS)、6着デルマソトガケ(JpnⅠ・全日本2歳優駿)は大レースを優勝。本馬もまだ底を見せておらず、侮れない存在だ。
6月26日のメイクデビュー阪神(芝1800メートル)は、ハイレベルの一戦で3着に好走。続く未勝利(福島・芝1800メートル)は、スピードの違いでハナを奪って道中もペースを緩めずに逃げ、抜群の手応えのまま直線を向くと、後続を離す一方の独走で10馬身差をつけて圧勝した。休養が長引いて約8か月ぶりの実戦になるが、1月下旬から時計を出し始めて乗り込み量、質ともに十分。美浦南Wコースの自己ベストタイムをマークしているように、一段とパワーアップした印象もあり、仕上げに抜かりはない。休み明けでの重賞挑戦となるが、本来のパフォーマンスを発揮できれば上位争いも可能だ。
牡3歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
母ミスドバウィは現役時代に短距離で4勝を挙げた快速馬。半兄ソウテン(父ロードカナロア)も1400メートル以下で活躍しているが、父がシルバーステートに替わった本馬は距離の融通が利くタイプだ。皐月賞の優先出走権を狙う。
11月6日のメイクデビュー阪神(芝2000メートル)は、中団追走から直線で速い脚が使えず3着に敗れたが、続く未勝利(阪神・芝1800メートル)は、ポンと好スタートを決めてハナを主張。マイペースに持ち込み、直線は後続の追い上げを振り切って1馬身1/4差で快勝した。前走の若駒S(リステッド・中京・芝2000メートル)は、スローペースの瞬発力勝負で分が悪く、上位2頭の決め手に屈したが、直線はしぶとく脚を伸ばして3着を確保している。キャリアを積むごとにパフォーマンスを上げており、立ち回りひとつで上位争いに食い込むシーンがありそうだ。
(京増 真臣)
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