牝4歳
調教師:高野友和(栗東)
昨年はチューリップ賞で重賞制覇を達成。オークス3着、秋華賞2着と現4歳世代の牝馬ではトップクラスの実力馬だ。今回は約3か月ぶりの実戦になるが、休み明けは苦にせず、適距離の1600メートルなら主役の座は譲れない。
オークス(3着)以来約5か月の休み明けとなった2走前の秋華賞は、脚をためて中団を追走。騎乗した横山武史騎手が「左に逃げるアンバランスな面があって、一番の勝負どころで左にモタれてしまいました」と悔しがったように、4コーナーでは外へふくれたが、直線は懸命に脚を伸ばして0秒1差の2着に入った。前走のエリザベス女王杯は瞬発力をそがれる重馬場で、他馬と接触するシーンもあっただけに、勝ち馬と0秒7差の5着なら評価できるだろう。能力の高さで2400メートルの距離をこなしたが、全3勝を挙げるマイル前後がベスト。今年はさらなる飛躍が期待できそうだ。
牡5歳
調教師:安田翔伍(栗東)
GⅠ初挑戦となった前走のマイルチャンピオンシップは、馬群の内から懸命に脚を伸ばして見せ場十分の6着。キャリアを重ねるごとに折り合い面が上達して末脚に磨きがかかっており、瞬発力を生かせる東京コースで本領発揮を期待したい。
約4か月の休み明けになった2走前の毎日王冠は、後方に控えて折り合いに専念。直線は瞬発力勝負になったが、メンバー中最速タイとなる上がり3ハロン33秒8(推定)の末脚で一度は先頭に立った。最後はサリオスの決め手に屈したものの、コースレコード(1分44秒1)から0秒1差の2着に好走した。前走のマイルチャンピオンシップ(6着)も、脚をためて後方待機策。騎乗した福永祐一騎手は「直線で前の馬がフラついて、抜けるタイミングで戻ってきたので、勢いをそがれてしまいました。2着争いはできたと思います」と唇をかんだが、GⅠで勝ち馬と0秒4差ならレース内容は合格点だろう。GⅢのここは上位争いが濃厚だ。
牝4歳
調教師:木村哲也(美浦)
昨年はクイーンCを制し、牝馬三冠(桜花賞11着、オークス5着、秋華賞9着)全てに出走を果たしている。4歳初戦だった前走の京都金杯でも3着に入っているが、2戦2勝の東京・芝1600メートルならそれ以上のパフォーマンスを発揮できそうだ。
オークス(5着)以来約5か月の休み明けとなった秋華賞は、出負け気味のスタートで後方待機策。外を回ったのもあり前には届かず9着に敗れたが、4コーナー14番手から勝ち馬に0秒6差まで追い上げており、レース内容は悪くない。16キログラム増で馬体がひと回り成長していた前走の京都金杯は、スタートで後手を踏んだものの、すぐに挽回して先行集団のインを追走。ラスト200メートル付近で一度は完全に抜け出して、アワヤのシーンを作った。最後は上位2頭の瞬発力に屈したが、牡馬相手に中身の濃い3着。脚質に幅が出てきたことは収穫で、今回も有力候補の1頭に挙げられる。
牡6歳
調教師:笹田和秀(栗東)
キャリアを積みながら着実に地力をつけて、ここまでリステッド2勝を含む6勝をマーク。近況は昨秋のマイルチャンピオンシップで勝ち馬から0秒4差の7着に健闘し、前走の京都金杯では2着に好走した。ここで念願の重賞タイトル獲得を狙う。
2度目のGⅠ挑戦となった2走前のマイルチャンピオンシップは、出負け気味のスタートだったが、二の脚で挽回して中団やや後方を追走。直線は外からジワジワと差を詰めて勝ち馬から0秒4差の7着なら、悲観するレース内容ではない。6歳初戦となった前走の京都金杯は、スタートを決めて好位のインをキープ。直線は馬群が密集して仕掛けをワンテンポ待たされたが、ラスト200メートル過ぎで他馬の間を割って進路を確保すると、しぶとく脚を伸ばして1/2馬身差の2着に惜敗した。中間も引き続き好調を維持。昨年の安田記念(7着)が勝ち馬と0秒2差なら、コース替わりはプラスに働きそうだ。
牡6歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)
爪の不安で4歳時に長期休養を余儀なくされたものの、復帰後の昨年は3連勝で関屋記念を制して本格化を遂げている。前走のマイルチャンピオンシップは12着に敗れたが、今回のメンバーなら巻き返しが期待できそうだ。
昨夏の関屋記念は、好スタートを決めて2番手をキープ。直線を向き、逃げ粘るシュリ(2着)をラスト200メートルで競り落とすと、そのまま力強く押し切って待望の重賞タイトルを獲得した。約3か月の休み明けとなった前走のマイルチャンピオンシップは、ゲート内で立ち上がったもののスタートは速く、スッと控えて好位直後のインを追走。スローペースの瞬発力勝負で後れを取って12着に敗れたが、GⅠで勝ち馬から0秒9差なら、着順ほど悪くはないだろう。発走調教再審査も無事にクリア。本レースに照準を合わせて、仕上げに抜かりはない。
牡4歳
調教師:昆貢(栗東)
3歳時はシンザン記念で重賞タイトルを獲得。NHKマイルCではメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)でクビ差の2着に入った。日本ダービー(17着)以降は4戦続けて着外に敗れているが、GⅠ2着の舞台で復活のきっかけをつかみたい。
5か月の休み明けとなったスワンSはスタートで後手を踏んだが、4コーナー最後方からメンバー中最速タイの推定上がり3ハロンタイムで勝ち馬に0秒5差の7着。続くマイルチャンピオンシップは、中団やや後方のインで折り合いに専念。ラスト100メートルで脚色が鈍って勝ち馬から0秒7差の10着に敗れたが、直線は内ラチ沿いを突いて見せ場を作った。1番人気に支持された前走の京都金杯は、大きく離れた最後方で流れに乗り切れず大敗(13着)を喫したが、昨春までの実績を踏まえれば、力負けでないことは明白。本来のパフォーマンスを発揮できれば、あっさり勝っても不思議はない。
牝4歳
調教師:田中克典(栗東)
昨年はチューリップ賞で2着に入り、牝馬クラシックでは桜花賞5着、オークス4着と健闘している。前走のエリザベス女王杯は9着だったが、血統背景から距離は1600メートル前後がベストの印象。マイル路線で目が離せない存在だ。
オークス(4着)以来約5か月の休み明けとなった2走前の3勝クラス・西宮S(阪神・芝1800メートル)は、脚をためて後方の7番手を追走。直線の入り口で外へ出すと、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒0(推定)の末脚で弾けるように突き抜け、コースレコードに0秒4差となる1分44秒3の好タイムで快勝した。前走のエリザベス女王杯は、好位集団のインで折り合いに専念。直線は伸びを欠いて9着に敗れたが、スピードをそがれる重馬場なら度外視できる結果だろう。約2か月半の休み明けだが、小柄な牝馬で仕上がりは早く、GⅢのメンバーなら能力は引けを取らない。
牡4歳
調教師:尾関知人(美浦)
昨夏のラジオNIKKEI賞で2着に好走。前走のディセンバーS(リステッド・中山・芝1800メートル)で3勝目をマークした。今回は昨年2月以来のマイル戦だが、2000メートル以上の距離では全て4着以下に敗れており、200メートル短縮がプラスに働く可能性は高い。
秋初戦となったセントライト記念は、すんなり先手を奪ったものの、直線で粘りを欠いて9着に敗れた。2走前のオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000メートル)は、思い切りのいい逃げを打ったが、ラスト200メートルで失速して13着の大敗だった。前走のディセンバーS(リステッド)は、ノルカソルカ(16着)にハナを譲って離れた2番手を追走。前半1000メートル通過タイムが59秒0のハイペースだったが、ラスト200メートルで先頭に躍り出ると、サクラトゥジュール(2着)以下の追い上げを振り切って快勝した。もまれ弱い面があり、逃げる競馬がベスト。展開の鍵を握る本馬の動向に注目が集まる。
(京増 真臣)
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