2022年の根岸Sで自身5度目のダートグレード競走制覇を果たしたテイエムサウスダンは、続くGⅠ・フェブラリーSでも2着に好走した。2016年から2022年のフェブラリーSにおける3着以内馬延べ21頭中、前走が根岸Sだった馬は8頭おり、いずれもそこで連対を果たしていた。“本番”につながる重要な一戦を展望すべく、今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、“前年以降の東京競馬場、かつオープンクラスのレース”において6着以内となった経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率5.8%と苦戦している。前年以降に東京競馬場の重賞やオープン特別である程度の着順に入っていない馬は、過信禁物とみるべきだろう。〔表1〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-10-10-62 | 6.8% | 18.2% | 29.5% |
なし | 4-0-0-65 | 5.8% | 5.8% | 5.8% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中14頭は、前走の距離が1500メートル超だった。該当馬は3着内率も33.3%と優秀な水準に達している。前走が1600メートル以上のレースだった馬は、高く評価した方がよさそうだ。〔表2〕
前走の距離 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1500m以下 | 4-7-5-99 | 3.5% | 9.6% | 13.9% |
1500m超 | 6-3-5-28 | 14.3% | 21.4% | 33.3% |
なお、前走の距離が1500メートル以下だったにもかかわらず3着以内に入った延べ16頭のうち13頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.1秒以内だった。前走が1500メートル以下のレース、かつそこで勝ち馬に0.2秒以上離されてしまっていた馬は、苦戦する可能性が高いとみておきたい。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順と1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.1秒以内 | 4-6-3-32 | 8.9% | 22.2% | 28.9% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.2秒以上 | 0-1-2-67 | 0% | 1.4% | 4.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中28頭は、前走との間隔が中4週以上だった。一方、中3週以内だった馬は3着内率4.7%と苦戦している。前走との間隔に余裕がない馬は、評価を下げるべきだろう。〔表4〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中3週以内 | 0-0-2-41 | 0% | 0% | 4.7% |
中4週以上 | 10-10-8-86 | 8.8% | 17.5% | 24.6% |
過去4年の3着以内馬延べ12頭中9頭は、枠番が「1枠から4枠」だった。一方、「5枠から8枠」だった馬は3着内率9.4%と苦戦している。〔表5〕
枠番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜4枠 | 1-4-4-23 | 3.1% | 15.6% | 28.1% |
5〜8枠 | 3-0-0-29 | 9.4% | 9.4% | 9.4% |
なお、枠番が「5枠から8枠」だったにもかかわらず3着以内に入った3頭のうち2頭は、前走が重賞、かつそこでの着順が1着だった。重賞を勝った直後の馬でない限り、外寄りの枠に入った馬は割り引きが必要だ。〔表6〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走ならびに前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
重賞、かつ着順が1着 | 2-0-0-2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
重賞以外、もしくは着順が2着以下 | 1-0-0-27 | 3.6% | 3.6% | 3.6% |
過去10年の優勝馬10頭は、いずれも前走の4コーナー通過順が3番手以下だった。前走の4コーナー通過順が2番手以内で優勝を果たしたのは、2005年のメイショウボーラーが最後である。また、この10頭は前走との間隔が中4週以上だった点も共通している。〔表4〕などで挙げた傾向も考慮するべきだろう。〔表7〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 前走の4コーナー通過順 | 前走との間隔 |
---|---|---|---|
2013年 | メイショウマシュウ | 6番手 | 中4週 |
2014年 | ゴールスキー | 12番手 | 中11週 |
2015年 | エアハリファ | 3番手 | 中10週 |
2016年 | モーニン | 3番手 | 中10週 |
2017年 | カフジテイク | 15番手 | 中7週 |
2018年 | ノンコノユメ | 13番手 | 中7週 |
2019年 | コパノキッキング | 13番手 | 中6週 |
2020年 | モズアスコット | 7番手 | 中10週 |
2021年 | レッドルゼル | 10番手 | 中6週 |
2022年 | テイエムサウスダン | 3番手 | 中4週 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。