2022年の京成杯は、単勝オッズ13.2倍(6番人気)のオニャンコポンが1着、同11.1倍(5番人気)のロジハービンが2着、同35.2倍(8番人気)のヴェローナシチーが3着となり、3連単32万3010円の好配当決着になったが、京成杯で3連単の配当が10万円を超えたのは2013年(16万6910円)以来であった。ちなみに、2014年から2021年の計8回での3連単の配当は、5回は3万円未満、うち3回は2万円未満だった。クラシックにつながるレースであり、どちらかといえば堅く収まりがちという特徴もある一戦を展望すべく、今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下かつ1着馬とのタイム差が0.3秒以内だった。一方、前走の着順が2着以下かつ1着馬とのタイム差が0.4秒以上だった馬は3着内率3.7%と苦戦している。〔表1〕
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前走の着順ならびに前走の1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.3秒以内 | 8-10-10-60 | 9.1% | 20.5% | 31.8% |
2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.4秒以上 | 2-0-0-52 | 3.7% | 3.7% | 3.7% |
なお、前走の着順が2着以下、かつ前走の1着馬とのタイム差が0.4秒以上だったにもかかわらず3着以内に入った2頭は、いずれも前走がGⅠだった。ビッグレースから直行してきた馬でない限り、大敗直後の馬は評価を下げるべきだろう。〔表2〕
前走 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 2-0-0-7 | 22.2% | 22.2% | 22.2% |
GⅠ以外 | 0-0-0-45 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬30頭中23頭は、前走の距離が1800メートル超だった。一方、1800メートル以下だった馬は3着内率12.3%とやや苦戦している。〔表3〕
前走の距離 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1800m以下 | 4-1-2-50 | 7.0% | 8.8% | 12.3% |
1800m超 | 6-9-8-62 | 7.1% | 17.6% | 27.1% |
なお、前走の距離が1800メートル以下だったにもかかわらず3着以内に入った7頭のうち6頭は、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が2位以内だった。前走が今回より短い距離のレース、なおかつそこで出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイムをマークできなかった馬は、割り引きが必要だ。〔表4〕
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前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2位以内 | 3-1-2-18 | 12.5% | 16.7% | 25.0% |
3位以下 | 1-0-0-31 | 3.1% | 3.1% | 3.1% |
過去5年の3着以内馬15頭中11頭は、前走との間隔が中6週以内だった。一方、中7週以上だった馬は3着内率12.9%とやや苦戦している。〔表5〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中6週以内 | 4-3-4-25 | 11.1% | 19.4% | 30.6% |
中7週以上 | 1-2-1-27 | 3.2% | 9.7% | 12.9% |
なお、前走との間隔が中7週以上だったにもかかわらず3着以内に入った4頭は、いずれも前走の着順が1着、かつ2着馬とのタイム差が0.1秒以上だった。直近のレースをある程度のタイム差で勝った馬でない限り、前走から中7週以上の馬は過信禁物とみておきたい。〔表6〕
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前走の着順ならびに前走の2着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着かつ2着馬とのタイム差が0.1秒以上 | 1-2-1-9 | 7.7% | 23.1% | 30.8% |
1着かつ2着馬とタイムなし、もしくは2着以下 | 0-0-0-18 | 0% | 0% | 0% |
過去5年の通算出走数別成績を見ると、キャリアが少ない馬ほど高い3着内率をマークしている。基本的にはキャリアがより少ない馬を高く評価するべきだろう。〔表7〕
通算出走数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 3-1-2-7 | 23.1% | 30.8% | 46.2% |
2戦 | 0-3-3-17 | 0% | 13.0% | 26.1% |
3戦 | 2-1-0-16 | 10.5% | 15.8% | 15.8% |
4戦以上 | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
なお、キャリア3戦以上だったにもかかわらず3着以内に入った3頭は、いずれも“中山・芝2000メートルのレース”において1着となった経験がある馬だった。キャリア3戦以上、なおかつ今回と同じ中山・芝2000メートルのレースを勝ったことがない馬は、苦戦する可能性が高いようだ。〔表8〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 2-1-0-5 | 25.0% | 37.5% | 37.5% |
なし | 0-0-0-23 | 0% | 0% | 0% |
過去5年の優勝馬5頭は、いずれも美浦所属の関東馬だった。また、この5頭は前走の単勝人気が6番人気以内だった点も共通している。〔表1〕から〔表8〕で挙げた傾向に加え、これらの点も考慮したい。〔表9〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 所属 | 前走の単勝人気 |
---|---|---|---|
2018年 | ジェネラーレウーノ | 美浦 | 4番人気 |
2019年 | ラストドラフト | 美浦 | 1番人気 |
2020年 | クリスタルブラック | 美浦 | 3番人気 |
2021年 | グラティアス | 美浦 | 1番人気 |
2022年 | オニャンコポン | 美浦 | 6番人気 |
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