今週の注目レース

愛知杯(GⅢ)

中京競馬場 2000メートル(芝)ハンデ (牝) 4歳以上オープン

出走馬情報

マリアエレーナ

牝5歳

調教師:吉田直弘(栗東)

  • 父:クロフネ
  • 母:テンダリーヴォイス
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

昨年出走したハンデ重賞は〔1・2・0・0〕と全て連対。小倉記念は牡馬相手に5馬身差の圧勝だった。芝2000メートル戦も〔3・2・1・1〕と好相性。2着だった昨年の雪辱なるか、注目だ。

キャリア16戦で前走から馬体重減だったレースは2戦だけ。小柄なタイプでも少しずつ体を増やして力をつけてきた。デビュー当初はマイル路線で差す競馬をしていたが、2021年6月以降は2000メートル以上の中距離戦で先行するスタイルが定着。昨夏の小倉記念は好位から抜け出し、重賞初制覇を飾った。一線級に挑んだ前走の天皇賞(秋)は序盤に進路が狭くなるシーンがあったが、最後までしっかり伸びて7着。その後は間隔を空けて乗り込み、態勢は整った。昨年の本レースはアタマ差の2着に惜敗したが、力をつけた今ならチャンス十分だ。

アートハウス

牝4歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:パールコード
  • 母の父:ヴィクトワールピサ
ここに注目!

昨年秋は本舞台のローズSで重賞初制覇を飾った。これまでの3勝はデビュー戦と3か月以上の休み明けで挙げており、間隔を空けたほうが走るタイプ。秋華賞5着以来約3か月ぶりのローテーションは歓迎だろう。

ここまでの6戦中5戦は2000メートル戦に出走。昨年秋のローズSは好位から抜け出し、重賞初制覇を飾った。続く秋華賞は2016年に2着だった母パールコードのリベンジに挑んだが、伸び切れず5着。騎乗した川田将雅騎手は「具合良く競馬を迎えられて、精いっぱいの走りができました」と振り返った。その後はリフレッシュを挟み、年末年始には栗東CWコースで長めから入念なメニューを消化。切れのある動きを連発しており、約3か月ぶりでも好仕上がりで出走できそう。4歳の始動戦で他世代とのレースは初めてとなるが、素質は通用するはずだ。

ルビーカサブランカ

牝6歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ムードインディゴ
  • 母の父:ダンスインザダーク
ここに注目!

これまでの5勝は1番から5番の馬番で挙げており、昨年の本レースも、最内1番スタートから直線は内めの進路を通って抜け出し重賞初制覇を飾った。理想は内枠。ロスなく立ち回れるかどうかがポイントだ。

条件戦を使いながら少しずつ力をつけ、4歳の暮れにオープンクラス入り。重賞初挑戦だった昨年の本レースは内から力強く伸びて差し切った。その後は重賞に出走して3着以内に入れていなかったが、12月のチャレンジC(2着)で久々に連対を果たした。もともと、寒い時季を得意としており、12月と1月は〔4・2・0・0〕と全て連対。今季も気温が下がってから好調ムードが漂う。1年前からハンデは増えるが、昨年も騎乗した武豊騎手とのコンビ復活は心強い。先週のシンザン記念でデビューから37年連続JRA重賞Vを飾った“レジェンド”を背に、本レース連覇に挑む。

アンドヴァラナウト

牝5歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:グルヴェイグ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

本舞台の2021年ローズS勝ち馬だが、昨年の愛知杯は1番人気で11着に敗れた。古馬になってからは1600メートルから1800メートルで結果を出しており、この距離への対応が鍵になりそうだ。

祖母にエアグルーヴを持つ良血。桜花賞の2週間後に初勝利を挙げ、春の牝馬クラシックには間に合わなかったが、着実に素質が開花した。重賞初挑戦だったローズSを勝ち、秋華賞でも3着に好走。昨年も阪神牝馬S2着、府中牝馬S3着と重賞で上位争いを演じた。初めての重馬場で距離も長かった前走のエリザベス女王杯は17着と大敗を喫したが、ここに向けて仕上がりは良好。4日の1週前追い切りでは、栗東坂路で4ハロン52秒5(ラスト1ハロン11秒8)の好時計をマークした。昨年の本レースは1番人気で11着に敗れており、そのリベンジに挑む。

ルージュエヴァイユ

牝4歳

調教師:黒岩陽一(美浦)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ナッシングバットドリームズ
  • 母の父:Frankel
ここに注目!

昨年秋に条件戦を連勝してオープンクラス入りを決めた。過去2戦の重賞はフローラS5着、オークス6着と善戦止まりだったが、当時より確実に力をつけているだけに、ここで壁を突破できるかがポイントになる。

デビュー2連勝で挑戦したフローラSは、後方からメンバー中最速の上がり3ハロン33秒6(推定)の末脚で追い上げるも5着。騎乗した戸崎圭太騎手は「前が残ってしまいました。その中でも1頭だけ追い込んでいますし、力はあります」と評価した。続くオークスも6着ながら、上がり3ハロンはメンバー中2位タイの34秒0(推定)をマーク。世代トップクラスの末脚を秘めている。昨年秋は東京の2勝クラスと3勝クラスを連勝して、オープンクラス入り。フローラS以来の重賞挑戦で初めての長距離遠征となる今回は、平常心で臨めるかが鍵だ。

サトノセシル

牝7歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:Frankel
  • 母:Dupe
  • 母の父:Observatory
ここに注目!

今年で7歳となったが、休養を挟みながら大事に使われており、キャリアは16戦。ここ3走の重賞は2着、4着、2着と惜しいレースが続いている。立ち回りの上手さを生かして、念願の重賞Vを狙う。

デビューは3歳7月の遅咲きだったが、2戦目で勝ち上がった。休養を挟みながら使われ、4歳時に1勝、5歳時に1勝と年1勝ペースで勝ち星を積み重ねてきた。格上挑戦した2021年のクイーンSで勝ち馬から0秒1差の3着に入り、重賞級のポテンシャルを証明。2年連続の出走となった昨年のクイーンSがハナ差2着、続く府中牝馬Sは勝ち馬と0秒2差の4着、そして牡馬相手だった前走の福島記念も同0秒3差の2着と惜敗が続いている。コースや展開を問わず堅実に走れるタイプだが、2000メートル戦は〔2・5・0・2〕と最も相性がいいだけに、期待は高まる。

エリカヴィータ

牝4歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:マルシアーノ
  • 母の父:フジキセキ
ここに注目!

初戦を勝ち上がって以降は全て重賞に挑戦してきた。昨年のフローラSは好位から抜け出して快勝。近2走は右回りコースで13着、9着と敗れたが、3戦2勝と得意の左回りで反撃なるか、注目だ。

伯父に高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキがいる良血で、2020年のセレクトセールにおいて1億8700万円(消費税込み)で取引された。2021年のメイクデビュー東京(芝1600メートル)は中団から鋭く伸びて差し切りV。3歳初戦に選んだフェアリーSは4コーナーで他の馬に寄られるシーンがあり、10着に敗れた。続くフローラSは好位から抜け出し重賞初制覇。非凡な素質の持ち主であることは間違いないだろうが、GⅠに挑戦したオークス(9着)、秋華賞(13着)は上位に食い込めなかった。今回は、重賞制覇と同じ左回りの2000メートル戦で巻き返しを期す。

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牝5歳

調教師:河内洋(栗東)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ボイルトウショウ
  • 母の父:ケイムホーム
ここに注目!

本舞台の前走・中日新聞杯は牡馬相手に3着に粘った。それまで重賞では善戦止まりだったが、6度目の出走で初めて3着以内に好走。新潟競馬場で全4勝を挙げていることからも、左回りコースは合っている。

3歳時に6戦4勝の成績を残し、一気にオープンクラス入り。昨年の本レースは差し馬が台頭するなかで、逃げて勝ち馬から0秒3差の5着に粘った。その後、1番人気だった新潟大賞典はマークも厳しく伸びを欠いて9着、続くマーメイドSも流れに乗れず11着に敗れた。夏場はしっかり休養すると、秋3戦は使いつつ調子を上げ、前走の中日新聞杯はハイレベルな現4歳世代の2頭に続く3着。初コンビを組んだ菱田裕二騎手は「馬場が良かったので先行力を生かしました。ゴールまでしぶとく頑張ってくれましたね」と振り返った。同じ舞台なら、再び粘り込むシーンもありそうだ。

(寺下 厚司)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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