2022年のフェアリーSで格上挑戦ながらも2着となったスターズオンアースは、その後桜花賞とオークスを連勝した。また、同レースで重賞初制覇を果たしたライラックは、秋のエリザベス女王杯で2着に健闘している。さらに、2021年の優勝馬ファインルージュが桜花賞で3着、秋華賞で2着に好走、2020年の優勝馬スマイルカナが桜花賞で3着に食い込むなど、後の活躍馬を立て続けに輩出しているレースだ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬30頭中23頭は、前走の着順が3着以内だった。一方、4着以下だった馬は3着内率10.0%とやや苦戦している。前走で4着以下に敗れていた馬は評価を下げるべきだろう。〔表1〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3着以内 | 7-7-9-67 | 7.8% | 15.6% | 25.6% |
4着以下 | 3-3-1-63 | 4.3% | 8.6% | 10.0% |
過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、“JRAの1勝クラス以上、かつ1500メートル以下のレース”に出走した経験がない馬だった。一方、この経験があった馬は3着内率4.1%と苦戦している。新馬・未勝利で初勝利を挙げた後に、今回より短い距離のレースを使われていた馬は割り引きが必要だ。〔表2〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 1-1-0-47 | 2.0% | 4.1% | 4.1% |
なし | 9-9-10-83 | 8.1% | 16.2% | 25.2% |
過去10年の3着以内馬30頭中27頭は、美浦所属の関東馬だった。一方、栗東所属の関西馬は3着内率10.3%とやや苦戦しているうえ、2019年以降の過去4年に限ると〔0・0・0・12〕(3着内率0%)である。関西馬は、苦戦する可能性が高いとみておくべきかもしれない。〔表3〕
所属 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 10-8-9-104 | 7.6% | 13.7% | 20.6% |
栗東 | 0-2-1-26 | 0% | 6.9% | 10.3% |
過去4年の3着以内馬12頭中10頭は、馬番が1番から9番だった。一方、10番から16番の馬は3着内率7.1%と苦戦している。近年の傾向を重視するならば、外寄りの枠に入った馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表4〕
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜9番 | 4-3-3-26 | 11.1% | 19.4% | 27.8% |
10〜16番 | 0-1-1-26 | 0% | 3.6% | 7.1% |
過去4年の優勝馬4頭は、いずれも通算出走数が3戦以内だった。キャリアが比較的浅い馬を重視したいところだ。また、この4頭は“JRAの1勝クラス以上、かつ1500メートル以下のレース”に出走した経験がなかった点、所属が美浦だった点、馬番が1番から9番だった点も共通している。〔表2〕、〔表3〕、〔表4〕で挙げた傾向なども考慮したい。〔表5〕
(伊吹 雅也)
年次 | 優勝馬 | 通算出走数 | “JRAの1勝クラス以上、かつ1500m以下のレース”への出走経験 | 所属 | 馬番 |
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2019年 | フィリアプーラ | 2戦 | なし | 美浦 | 1番 |
2020年 | スマイルカナ | 3戦 | なし | 美浦 | 1番 |
2021年 | ファインルージュ | 2戦 | なし | 美浦 | 9番 |
2022年 | ライラック | 2戦 | なし | 美浦 | 8番 |
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