今週の注目レース

フェアリーステークス(GⅢ)

中山競馬場 1600メートル(芝・外)別定 (牝) 3歳オープン

出走馬情報

キタウイング

牝3歳

調教師:小島 茂之(美浦)

  • 父:ダノンバラード
  • 母:キタノリツメイ
  • 母の父:アイルハヴアナザー
ここに注目!

今年のメンバーで唯一の重賞馬として参戦。その2走前・新潟2歳Sは豪快な末脚でライバルたちを抜き去った。前走の阪神ジュベナイルフィリーズは14着に敗れたが、反撃を期待したい素質馬の1頭だ。

前走の阪神ジュベナイルフィリーズは14着に敗戦。後方からの末脚勝負で連勝を決めた未勝利(新潟・芝1600メートル)、新潟2歳Sから一転、好位で流れに乗った。しかし、直線では余力が残っておらず、伸び脚は不発に。騎乗した和田竜二騎手は「もう一列、後ろの位置で脚をためる競馬のほうがよかったのかもしれません」と話した。フェアリーSは後方からの追い込みが決まりやすい重賞の一つ。昨年も4コーナーで10番手にいたライラックが豪快に差し切った。武器の末脚が生きるような展開になれば、反撃は十分にあり得る素質馬だ。馬名の由来は「北+翼」。

エナジーチャイム

牝3歳

調教師:手塚 貴久(美浦)

  • 父:エピファネイア
  • 母:カリンバ
  • 母の父:ルーラーシップ
ここに注目!

近親には2019年菊花賞、2021年天皇賞(春)を制したワールドプレミア。メイクデビュー新潟(芝1600メートル)を逃げ切り素質の高さを見せつけたが、京王杯2歳Sは8着に敗れた。マイルに戻って反撃を狙う。

前走の京王杯2歳Sは8着と不完全燃焼の一戦に。鮮やかに逃げ切ったメイクデビュー新潟(芝1600メートル)とは違い、道中は最後方付近を追走。直線は懸命に追い上げたが、上位3頭が全て4コーナー4番手以内という決着では厳しかった。それでも、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒3(推定)をマーク。騎乗したC.ルメール騎手は「(デビュー)2戦目でテンションが高かったです。直線は伸びたけど位置が後ろすぎました」と敗戦に肩を落とした。アルテミスS13着から巻き返した2017年ライジングリーズンなど、フェアリーSの過去10年では前走8着以下から挑んだ馬が3勝を挙げている。本馬も大敗直後でも注意が必要だ。馬名の由来は「金属製の楽器。母名より連想」。

ヒップホップソウル

牝3歳

調教師:木村 哲也(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ダンスファンタジア
  • 母の父:ファルブラヴ
ここに注目!

半兄には、オープン入りを果たし全5勝を挙げるダノンファスト(父キングカメハメハ)がいる骨っぽい母系。後続を4馬身ちぎったメイクデビュー中山(芝1600メートル)と同じ舞台なら、当然期待は高まる。

本レースと同じ舞台で高いレースセンスを見せつけた新馬戦。道中でスローと読み切ると一気にポジションを押し上げ、好位3番手でピタリと折り合うと、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒3(推定)の末脚で4馬身差の勝利。新馬離れしたセンスが光った。騎乗した松山弘平騎手は「すごくスピードがあって能力がある馬です。自分のリズムで走れて我慢もできていました」と高く評価した。好位2番手で運んだ前走の1勝クラス・ベゴニア賞(東京・芝1600メートル、2着)は、逃げ馬をクビ差捕らえ切れなかっただけ。レースセンスが生きる中山マイルに戻れば、重賞初勝利への期待は大きい。馬名の由来は「ブラックミュージックのジャンルのひとつ」。

メイクアスナッチ

牝3歳

調教師:武市 康男(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:スナッチマインド
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母は5勝を挙げ、2017年京都牝馬Sで3着に好走したスナッチマインド。本馬はスピードを武器にデビュー2連勝。1200、1400メートルと距離延長にも対応し、初挑戦のマイル戦でも不安は少ない。

1番人気に支持された前走の1勝クラス(東京・芝1400メートル)。初陣を飾ったメイクデビュー札幌(芝1200メートル)でも見せたスピードのままにハナに立つと、直線もそのまま押し切り、2着ハーエクセレンシーをきっちり1馬身1/4退けた。フェアリーSは前走マイル組を狙うのが基本とはなるが、2021年は芝1400メートルの未勝利を勝ち上がったばかりだったファインルージュ(のちに紫苑S1着、秋華賞2着など)が優勝。本馬は初戦で小回りの札幌コースを粘り切ったが、前走では直線で地力を問われる東京で押し切っている。ファインルージュと同じ前走東京・芝1400メートル戦組だけに注意を払いたい。馬名の由来は「掴み取る。母名より連想」。

ミシシッピテソーロ

牝3歳

調教師:畠山 吉宏(美浦)

  • 父:ダノンバラード
  • 母:ハピネスフォーユー
  • 母の父:A.P. Indy
ここに注目!

半姉に2019年阪神牝馬S(3着)、関屋記念(2着)など重賞戦線で活躍したミエノサクシード(父ステイゴールド)がいる良血。鮮やかにデビュー2連勝を飾った。近2戦の重賞は相手がそろっていただけに、ここで見直したい。

16番人気の低評価だった前走の阪神ジュベナイルフィリーズ。道中はリバティアイランドをマークする位置でスムーズに追走した。直線もじわじわと脚を伸ばし、単勝オッズ221.7倍ながら2歳世代の頂点を決める一戦で5着に健闘した。騎乗した原優介騎手は「勝ち馬をマークする形。コーナーで3、4回手前を替えたりして伸びませんでしたが、GⅠの5着なのでよく頑張ってくれました」と相棒をねぎらった。メイクデビュー東京(芝1600メートル)、オープン特別・ダリア賞(新潟・芝1400メートル)は、ともにメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)で豪快な差し切り勝ち。ここに入ればその末脚は脅威になる。馬名の由来は「アメリカの河川+冠名」。

ディナトセレーネ

牝3歳

調教師:尾関 知人(美浦)

  • 父:レッドファルクス
  • 母:ダイワミランダ
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

祖母がGⅠ4勝、2007年の桜花賞や2008年の有馬記念などを制したダイワスカーレットという良血馬。好メンバーがそろった前走・アルテミスSは上位に食らい付いて6着を確保した。レースセンスの高さを武器に戦う。

前走・アルテミスSは、好位2番手をリズム良く追走した。ラストは高いレベルの瞬発力勝負になり10頭中の6着に敗れたが、1着から6着まではそこまで差のない競馬。勝ち馬ラヴェルから0秒4差なら、着順ほど負けてはいないと言えるだろう。騎乗した横山武史騎手は「一線級相手では少し厳しかったです。自己条件ならすぐに勝ち負けできると思います」と振り返った。今回と同じ中山・芝1600メートル未勝利では2着以下を0秒4突き放す快勝。当時が不良馬場だったことから、連続開催でタフなコンディションとなった現在の中山で良さが出るかもしれない。馬名の由来は「強い(ギリシャ語)+月の女神」。

スピードオブライト

牝3歳

調教師:相沢 郁(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:サイレントソニック
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母が短距離路線で活躍し、オープンクラスでも好走したサイレントソニック。その豊かなスピードを受け継ぎ、前走の京王杯2歳Sも好位2番手から3着に踏ん張った。小回り中山コースで生きる器用さを備えている。

メイクデビュー中山(芝1200メートル、1着)から距離を延ばした前走の京王杯2歳S。2番手を無理なく追走して直線へ。4番手から弾けたオオバンブルマイ(1着)の末脚には屈したが、粘り強く3着を確保した。騎乗した石川裕紀人騎手は「すごく良い状態でした。2、3番手で理想の競馬ができたけど、最後の直線はちょっと距離が長かったかもしれません」と説明。鞍上の手応えから、ここはマイルへの距離延長が鍵となりそうだ。それでも、所属する相沢郁厩舎は昨年のフェアリーSをライラック(その後エリザベス女王杯で2着)で勝利。年始初戦となるここへの調整の仕方は把握しているはずだ。馬名の由来は「光速。音速を超えたスピードに期待して。母名より連想」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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