今年のJRAの重賞を締めくくるのは2歳GⅠのホープフルS。2019年優勝のコントレイルは翌年にクラシック三冠を達成、2018年優勝のサートゥルナーリアが皐月賞を優勝するなど、レースの名称どおり将来有望な馬たちが集うレースになっている。GⅠ昇格後の過去5年のデータから、レースの傾向を探っていきたい。
GⅠ昇格後のホープフルSは上位人気馬が優勢で、1番人気が4勝を挙げている。昨年は1番人気のコマンドラインが敗れたが、それでも2番人気のキラーアビリティが勝利。5番人気以下で馬券に絡んだ馬が2頭しかおらず、上位人気馬で堅いという傾向がある。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-0-0-1 | 80.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 1-1-1-2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 0-2-1-2 | 0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 0-2-1-2 | 0% | 40.0% | 60.0% |
5番人気以下 | 0-0-2-51 | 0% | 0% | 3.8% |
過去5年の連対馬10頭のうち9頭を通算2勝以上の馬が占めている。昨年は1勝馬のキラーアビリティが優勝したが、1勝馬は2017年2番人気6着のルーカスや、同3番人気13着のフラットレーのように、上位人気の支持に応えられないケースが目立つので注意が必要だ。〔表2〕
勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2勝以上 | 4-5-4-17 | 13.3% | 30.0% | 43.3% |
1勝以下 | 1-0-1-41 | 2.3% | 2.3% | 4.7% |
過去5年で馬券に絡んだ15頭は全て前走で2着以内に入っていた。レースのクラスやグレードにかかわらず、前走で3着以下に敗れていた馬はデータ的に厳しい。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 3-5-5-35 | 6.3% | 16.7% | 27.1% |
2着 | 2-0-0-5 | 28.6% | 28.6% | 28.6% |
3着以下 | 0-0-0-18 | 0% | 0% | 0% |
さらに、前走2着以内馬の前走での単勝人気を調べてみると、1番人気と2番人気以下とでは好走率に大きな差がついている。軸馬は前走で1番人気に支持されて、なおかつ2着以内に入っていた馬から選びたい。〔表4〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-3-2-7 | 29.4% | 47.1% | 58.8% |
2番人気以下 | 0-2-3-33 | 0% | 5.3% | 13.2% |
若駒の能力を知るひとつの指標になるのが、上がり3ハロンタイム(推定)の順位。前走で上がり3ハロンタイム(推定)が2位以内だった馬と3位以下だった馬では好走率に大差がある。また、過去5年の3着以内馬15頭のうち13頭に、34.4秒よりも速い上がり3ハロンタイム(推定)をマークした経験があった。〔表5〕
順位 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 2-3-4-19 | 7.1% | 17.9% | 32.1% |
2位 | 3-1-1-10 | 20.0% | 26.7% | 33.3% |
3位以下 | 0-1-0-28 | 0% | 3.4% | 3.4% |
ホープフルSは早期デビューの馬が強いGⅠで、過去5年の優勝馬のうち4頭は夏競馬でデビューしており、そのうち3頭は6月デビューだった。また、優勝馬5頭中4頭に1800メートル以上のオープン特別や重賞を勝った実績があった。残る1頭のキラーアビリティは萩Sで2着に入っているほか、芝2000メートルの未勝利戦をレコードタイムで勝った実績があった。〔表6〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | デビュー月 | 1800m以上での主な実績 |
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2017年 | タイムフライヤー | 8月 | 萩S1着 |
2018年 | サートゥルナーリア | 6月 | 萩S1着 |
2019年 | コントレイル | 9月 | 東京スポーツ杯2歳S1着 |
2020年 | ダノンザキッド | 6月 | 東京スポーツ杯2歳S1着 |
2021年 | キラーアビリティ | 6月 | 萩S2着 |
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