今週の注目レース

JRAスーパープレミアム 秋の2歳単勝馬連 ホープフルステークス(GⅠ)

中山競馬場 2000メートル(芝)馬齢 牡・牝 2歳オープン

出走馬情報

ガストリック

牡2歳

調教師:上原博之(美浦)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:エーシンエポナ
  • 母の父:Curlin
ここに注目!

メイクデビュー東京(芝1800メートル)を快勝し、続く東京スポーツ杯2歳Sも勝利。豪快な末脚を武器に出世レースを突破した。落ち着いた走りを見れば、2000メートルへの距離延長にも不安はない。

前走の東京スポーツ杯2歳Sは、最後方から大外を駆け上がった新馬戦とは違い、馬群の真ん中で器用に折り合った。直線で一気にトップギアに入れると、外から迫るダノンザタイガー(2着)、ハーツコンチェルト(3着)をしのぎ切って勝利。騎乗した三浦皇成騎手は「馬群の中で、いいペースで間を割ってこられました。大きいところにつながるレースができました。スピードに乗ったときの沈み方など、なかなかこういう馬はいないです」と納得の表情を浮かべた。コントレイル、ワグネリアン、イスラボニータなどのクラシックウイナーを輩出している出世レースを堂々とクリア。人気を背負って頂点へと突き進む。馬名の由来は「フランス料理の隠し味」。

ファントムシーフ

牡2歳

調教師:西村真幸(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:ルパンⅡ
  • 母の父:Medaglia d'Oro
ここに注目!

半姉は4勝でオープンクラス入りを決めたルピナスリード(父ダイワメジャー)。レースセンスが光る本馬はメイクデビュー阪神(芝1600メートル)、オープン特別・野路菊S(中京・芝2000メートル)を連勝中だ。

完勝だった前走のオープン特別・野路菊S。好位をスムーズに追走すると、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒5(推定)の末脚で2馬身差の勝利。2着アリスヴェリテは次戦のアルテミスSで3着に好走しており、レースレベルも高かった。騎乗した福永祐一騎手は「キックバックを気にすると聞いていましたが、競馬では大丈夫でした。その点も含めていい勝ち方。2000メートル以上で活躍できると思います」と高く評価した。ホープフルSは近4年連続で阪神デビュー馬が勝利中。本馬のメイクデビュー阪神も非のつけどころがない内容だった。3連勝で世代の頂点まで突き進む。馬名の由来は「怪盗。母名より連想」。

ハーツコンチェルト

牡2歳

調教師:武井亮(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ナスノシベリウス
  • 母の父:Unbridled's Song
ここに注目!

全姉ナスノシンフォニーは2017年の本レースに出走し5着に善戦。本馬はメイクデビュー中京(芝2000メートル)が鮮烈な勝ちっぷりで、前走・東京スポーツ杯2歳S(3着)では1番人気に支持された。大器の逆襲に警戒したい。

強敵ぞろいの中で1番人気だった前走・東京スポーツ杯2歳S。しかし、序盤でダッシュがつかず最後方からの競馬になった。4コーナー10番手(11頭立て)からメンバー中最速の上がり3ハロン33秒8(推定)の脚を繰り出したが、先に抜け出したガストリックに0秒2差及ばず3着。騎乗した松山弘平騎手は「スタートの1歩目が出られなかったのと、距離短縮で少し忙しくなってしまいました。それでも、すごく力のある馬で最後は差を詰めてくれました」と振り返った。父は中長距離で活躍する産駒を多く送り出しているハーツクライ。圧倒的な内容だった初戦と同じ2000メートル戦に戻れば、道中の立ち回りも楽になりそうだ。馬名の由来は「父名の一部+協奏曲。姉名の音楽用語シンフォニーから連想」。

ミッキーカプチーノ

牡2歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:スティールパス
  • 母の父:ネオユニヴァース
ここに注目!

半兄バイシュラバナ(父キングカメハメハ)がオープン馬と、母系は骨っぽい。本馬は強力な決め手でメイクデビュー東京(芝2000メートル)、1勝クラス・葉牡丹賞(中山・芝2000メートル)を連勝中。距離への不安がない点は強調材料だ。

前走の1勝クラス・葉牡丹賞は、中団追走から4コーナーで先団直後までポジションを押し上げ、直線は鋭く弾けた。2着馬を3馬身1/2突き放す完勝劇。騎乗した戸崎圭太騎手は「新馬戦の勝ち方も良かったし、前走で一緒に走っていた馬のレベルも高かったです。馬はさらに良くなっていました。精神的にまだ幼いところはあるけど、期待通りのパフォーマンスです」と称賛を並べた。JRA2歳リーディングサイヤー首位を走るエピファネイアの産駒。早くから結果を出す馬が多い血統だけに、本馬も2歳暮れの大一番での期待は大きい。520キログラムを超える雄大な馬体の持ち主で、3戦目でさらなる上積みも見込めそうだ。馬名の由来は「冠名+泡立てたミルクコーヒー」。

キングズレイン

牡2歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:タッチングスピーチ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母が2015年ローズSを優勝し、同年エリザベス女王杯で3着に好走したタッチングスピーチという良血馬。本馬は前走で芝2000メートルの1勝クラス・百日草特別(東京)をクリアし、堂々と大舞台に駒を進める。

3番人気だった前走の1勝クラス・百日草特別は好位から鋭い伸び脚。2着以下は追い込み馬が台頭する厳しい展開をしっかり前から受け切り、2020年にエフフォーリアが制した出世レースを突破した。騎乗したC.ルメール騎手は「ストライドが大きく、ラストもいい脚を使ってくれました。まだ伸びしろ十分で、上のクラスに行っても大丈夫です」と素質を高く評価。管理する手塚貴久調教師も「線が細く、馬体がもっと増えてほしいなかでこのパフォーマンス。いい線行くと思います」と、そのポテンシャルに期待している。2000メートルをクリアしたことで距離への不安もない。馬名の由来は「王政」。

セブンマジシャン

牡2歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ハピネスダンサー
  • 母の父:メイショウサムソン
ここに注目!

母は5勝をマークして重賞戦線でも存在感を示したハピネスダンサー。そのポテンシャルを受け継いだ本馬は、前走の1勝クラス・黄菊賞(阪神・芝2000メートル)で2連勝を達成した。脚質の幅を見せており、どんなレース展開になっても対応できそうだ。

重馬場のタフなコンディションで行われた前走の1勝クラス・黄菊賞。最後方からの競馬となったが、大外をグングンと進出してきっちりと差し切り、1番人気の支持に応えた。騎乗したC.デムーロ騎手は「ゲートで寄られて後ろのポジションになりましたが、最後はいい切れ味でした。能力が高いですね」と喜んだ。一方、メイクデビュー中山(芝1800メートル)は好位2番手から器用な立ち回り。2戦で全く違う競馬を経験できたのは、道中の攻防が激しくなりやすいGⅠに向けての収穫だろう。重馬場の2000メートルをクリアし、消耗戦になっても戦えるところをアピール。好調のジャスタウェイ産駒に注目だ。馬名の由来は「冠名+マジシャン。7人のマジシャン」。

フェイト

牡2歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:リアルスティール
  • 母:サンタフェチーフ
  • 母の父:Wiesenpfad
ここに注目!

近親にサリオス、サラキア、シュネルマイスターといった活躍馬の名がある良血馬。快勝したメイクデビュー新潟(芝1800メートル)の走りが鮮烈で、東京スポーツ杯2歳S(5着)の敗戦だけで見限ることはできない。

同じ矢作芳人厩舎で管理されたリアルスティール(2016年のG1ドバイターフ優勝)の初年度産駒。初戦の勝ちっぷりから前走・東京スポーツ杯2歳S(5着)では3番人気に推された。道中は5、6番手でしっかりと脚を温存。直線は伸びるだけに見えたが、上位争いに加わることはできなかった。騎乗した福永祐一騎手は「ポジションはベストでした。理想的な形で直線を向けましたが、ジリジリとしか伸びなかったです」と敗戦に首をかしげた。それでも、父から受け継いだ質の高い筋肉に、伯母が2012年の独オークス(G1)を制したサロミナという筋が通った母系。新馬戦で見せた才能を裏付ける血統背景だけに、前走からの逆襲を警戒したい。馬名の由来は「運命」。

グリューネグリーン

牡2歳

調教師:相沢郁(美浦)

  • 父:ラブリーデイ
  • 母:レディーダービー
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

2013年オールカマーなど重賞2勝を挙げたヴェルデグリーン(父ジャングルポケット)が半兄にいる素質馬。前走の京都2歳Sは、自分のペースに持ち込んで鮮やかに逃げ切った。ここも自分の形なら侮れない。

5番人気の前走・京都2歳Sはハナへ。直線で外へ斜行するシーンはあったが、最後までしっかりと伸び続け、内から迫るトップナイフをアタマ差退けた。騎乗したM.デムーロ騎手は「ゲートを出すぎたので逃げました。自分のリズムで行けたらすごく走ります。(最後は)他の馬が来てから、また集中して走ってくれました」とレースを振り返った。本馬は同じ相沢郁厩舎で管理された1999年オークス馬ウメノファイバーからつながる血統。早くからその素質を評価され、陣営は重賞馬の半兄ヴェルデグリーンとその姿を重ねる。まだ荒削りな面はあるが、スピードと豊富なスタミナは前走で証明。レースの主導権を握るような展開なら怖い一頭となる。馬名の由来は「緑(独)+冠名」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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