牡4歳
調教師:栗田徹(美浦)
今年は天皇賞(春)、宝塚記念とGⅠを連勝。前走の凱旋門賞(G1・フランス・芝2400メートル)では11着に敗れ、今回は帰国初戦で仕上がり具合がポイントになるが、11月下旬から時計を出し始めて乗り込み量は十分。力の出せる態勢は整った。
4歳初戦の日経賞(1着)をステップに、続く天皇賞(春)は抜群のダッシュ力で先手を主張。テンの入りは速かったが、レース中盤でペースを緩めて後続を引きつけ、ラスト1000メートル付近から再びスピードを上げると、直線は突き放す一方の独走で7馬身差の圧勝劇を演じた。前々走の宝塚記念は、パンサラッサ(8着)が前半1000メートル通過タイム57秒6のハイペースで引っ張るなか、2番手追走から直線の入り口で早めに先頭へ立ち、後続の追い上げを2馬身振り切ってGⅠ3勝目をマークした。初の海外遠征となった前走の凱旋門賞(G1・フランス)はタフな馬場で11着に敗れたが、今回は本領発揮が期待できそうだ。
牡4歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)
昨年は皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念とGⅠ3勝を挙げて、同年度のJRA賞年度代表馬に輝いている。今年は大阪杯9着、宝塚記念6着ともに1番人気に応えられなかったが、雌伏の時を経て復活を期待したい。
4歳初戦となった前々走の大阪杯は、中団追走から直線で伸びを欠いて9着に敗退。ブリンカー着用で臨んだ前走の宝塚記念は、騎乗した横山武史騎手が「ペースが速過ぎましたね。向正面からムチを使うぐらいで、ついていけませんでした」と敗因を挙げたように、レースの流れに乗り切れず6着に敗れている。昨年の天皇賞(秋)でコントレイル(2着)、グランアレグリア(3着)を退け、続く有馬記念でクロノジェネシス(3着)を撃破しているように、現役屈指の実力を誇り、ここ2戦が力負けでないことは明白。約6か月の休養で立て直しを図り、GⅠ2勝を挙げている中山の舞台で捲土重来を期す。
牡3歳
調教師:木村哲也(美浦)
春は皐月賞、日本ダービーともに惜敗の2着。前走の天皇賞(秋)では、史上最少キャリア(5戦目)での古馬GⅠ勝利を飾っている。今回も豪華メンバーがそろったが、現役トップクラスの実力を誇り、主役の座は譲れない。
約5か月の休み明けだった皐月賞で2着に入り、続く日本ダービーは大外枠からスッと控えて後方待機策。直線で徐々に外へ出し、4コーナー14番手から懸命に脚を伸ばしてレースレコード(2分21秒9)決着のクビ差2着に好走した。前走の天皇賞(秋)は、出たなりに中団やや後方を追走。パンサラッサ(2着)が前半1000メートル通過タイム57秒4のハイペースで飛ばして2番手以降は大きく離されたが、直線はメンバー中最速となる上がり3ハロン32秒7(推定)の豪脚で一完歩ごとに差を詰め、ゴール寸前でパンサラッサを捕らえてGⅠタイトルを獲得した。3歳馬で一戦ごとに成長しており、今後も目が離せない存在だ。
牡5歳
調教師:渡辺薫彦(栗東)
今年の初めは2勝クラスに甘んじていたが、芝に路線変更した後はトントン拍子に出世して、前走のジャパンカップでビッグタイトルを獲得。2006年ディープインパクト以来となる、ジャパンカップ、有馬記念の連勝を狙う。
3走前の3勝クラス・ジューンS(東京・芝2400メートル)を勝ってオープンクラス入り。夏場を休養に充て、秋初戦となった前々走の京都大賞典ではスタートで後手を踏んで後方待機策となったが、4コーナー10番手から直線で弾けるように突き抜けて2馬身1/2差で快勝した。前走のジャパンカップは、脚をためて中団やや後方を追走。スローペースで直線の瞬発力勝負になったが、馬群を縫うように脚を伸ばし、ゴール寸前で鮮やかに抜け出してGⅠ初制覇を達成した。芝に矛先を向けてから6戦続けてメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)を繰り出しており、瞬発力はここでも互角以上だ。
牝4歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
父モーリス、母ジェンティルドンナともにJRA賞年度代表馬に輝き、両親合わせてGⅠ13勝(海外含む)という良血馬。本馬は前走のエリザベス女王杯でGⅠ初制覇を飾り、目下の充実ぶりは顕著。牡馬相手でも侮れない。
1番人気に支持された今夏の小倉記念は、勝負どころの3、4コーナーで馬群に包まれ、離された3着に敗れた。前々走のオールカマーは、脚をためて5番手のインを追走。直線は狭いスペースから抜け出し、最後は後続を突き放して1馬身1/2差で快勝した。前走のエリザベス女王杯は、スッと後方に控えて道中は折り合いに専念。馬群の外を回って3コーナー過ぎからジワッと押し上げ、直線はメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)で鮮やかに突き抜けてビッグタイトルを獲得した。デビュー当時からひと回り以上も馬体重が増えて本格化を遂げており、あっさり勝っても不思議はない。
牡5歳
調教師:大久保龍志(栗東)
世界最高峰レースの一つ・凱旋門賞(G1・フランス・芝2400メートル)に2年連続で挑戦。昨年の有馬記念は帰国初戦で2着に好走しており、久々は苦にしない。これまでに培った豊富な経験を生かして、念願のGⅠ制覇を目指す。
5歳初戦となった阪神大賞典は断然の1番人気に応えて快勝。続く天皇賞(春)は勝ったタイトルホルダーには突き放されたものの、好位追走から懸命に脚を伸ばして2着を確保した。前々走の宝塚記念は、気合をつけて3番手をキープ。直線でタイトルホルダーには離されたが、ハイペースを追いかけながらもしぶとく食い下がって見せ場十分の4着に入った。前走の凱旋門賞(G1・フランス)は離された18着に敗れたが、タフな重馬場で度外視できる結果だろう。GⅠで2着3回と、あと一歩ビッグタイトルに手が届いていないが、スタミナの生きる展開になればチャンスがありそうだ。
牡5歳
調教師:友道康夫(栗東)
今春の大阪杯でGⅠ初制覇を達成。その後は3戦続けて着外に敗れているが、前走後は有馬記念を目標に熱心な乗り込みを消化している。2500メートルは未知数でも、適度に上がりの時計がかかる中山コースはプラスに働きそうだ。
今年4月の大阪杯は、好スタートを決めて好位を追走。ジャックドール(5着)が引っ張るよどみのない流れでしぶとさの生きる展開も噛み合い、直線でじわじわと差を詰めると、ゴール寸前でレイパパレをクビ差かわしてビッグタイトルを獲得した。続く宝塚記念は11着に敗れたが、騎乗した吉田隼人騎手が「暑さの影響なのか、前回とは明らかに違っていました」と振り返ったように、度外視できる結果だろう。毎日王冠6着、天皇賞(秋)13着と、秋2戦は東京コースの瞬発力勝負で後れを取ったが、コーナー通過6回の中山・芝2500メートルで立ち回りのうまさを生かせれば、変わり身が期待できそうだ。
牡3歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
今春の皐月賞、日本ダービーはともに9着だったが、秋の神戸新聞杯で重賞初制覇を飾り、前走の菊花賞ではコースレコード決着の3着に好走した。ここは相手強化の一戦になるが、今季の充実ぶりなら遜色のない競馬ができそうだ。
夏場を休養に充て、秋初戦となった前々走の神戸新聞杯は、抜群の行きっぷりで好位集団のインを追走。直線でスムーズに進路を確保すると、弾けるように突き抜けて3馬身1/2差で快勝した。前走の菊花賞は、中団馬群で折り合いに専念。速い流れでレースの上がり3ハロンタイムが37秒0という消耗戦になったが、直線では早め先頭のアスクビクターモア(1着)をめがけ、しぶとく脚を伸ばしてハナ+1/2馬身差の3着に好走した。ディープインパクト産駒の良血馬がひと皮むけた印象があり、GⅠ馬7頭の豪華メンバー相手にどこまで通用するのか、今後を占う意味でも重要な一戦になりそうだ。
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。