阪神Cは2006年の創設以来、ずっと暮れの阪神競馬場で行われてきた。年末の風物詩として定着した一戦は、第1回から単勝8番人気のフサイチリシャールが勝利を収めるなど波乱の決着が多い。過去10年でも7番人気以下の馬が4勝を挙げている難解な重賞を攻略すべく、好走馬の特徴を探っていく。
阪神Cは芝1400メートルで行われるため、スプリント路線とマイル路線から出走馬が集まってくる。それらのうち成績が良いのは芝1600メートル戦からの転戦組で、過去10年の3着以内馬延べ30頭中16頭を占めている。また、前走が芝1800メートル以上だった馬は出走頭数こそ少ないものの、2019年に唯一の該当馬が3着に入ると、2020年には2頭の出走でワンツーフィニッシュを決めた。近年の傾向を重視するのであれば、中距離戦から臨んでくる馬もマークしておくべきだろう。〔表1〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1200m以下 | 2-2-1-46 | 3.9% | 7.8% | 9.8% |
芝1400m | 1-1-2-34 | 2.6% | 5.3% | 10.5% |
芝1600m | 6-5-5-49 | 9.2% | 16.9% | 24.6% |
芝1800m以上 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
ダート戦 | 0-1-0-7 | 0% | 12.5% | 12.5% |
過去10年の優勝馬延べ10頭中7頭は、阪神の芝コースで行われた重賞で連対した経験がある馬だった。この経験があった馬は延べ15頭が馬券に絡み、そのうち6頭は単勝6番人気以下での好走と、人気がなくても侮れない。特に、過去の阪神Cで連対していた馬は、2013年にガルボが10番人気で2着、2014年にはリアルインパクトが8番人気で優勝するなど、低評価を覆すケースが目立っている。阪神コースを得意としている馬が出走してきたら、人気にかかわらず注目しておいて損はなさそうだ。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 7-6-2-45 | 11.7% | 21.7% | 25.0% |
なし | 3-4-8-97 | 2.7% | 6.3% | 13.4% |
過去10年の年齢別成績を調べると、3着内率は3歳馬が29.0%でトップとなっている。しかも、ワンツーフィニッシュを決めた昨年をはじめ、ここ6年連続で馬券に絡んでいる。〔表3〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 3-3-3-22 | 9.7% | 19.4% | 29.0% |
4歳 | 2-1-2-23 | 7.1% | 10.7% | 17.9% |
5歳 | 2-4-4-39 | 4.1% | 12.2% | 20.4% |
6歳 | 3-1-0-27 | 9.7% | 12.9% | 12.9% |
7歳以上 | 0-1-1-31 | 0% | 3.0% | 6.1% |
また、近年は牝馬の活躍も顕著で、2018年から2020年まで3連勝をマーク。連勝が途切れた昨年も3着に入り、過去4年の好走率は牡・せん馬を大きく上回っている。ここ4年に限ると4歳以上の牡・せん馬は〔0・1・2・42〕(3着内率6.7%)と振るっていない。近年の傾向からは、3歳馬と牝馬を重視するのが得策といえそうだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん馬 | 1-3-2-44 | 2.0% | 8.0% | 12.0% |
牝馬 | 3-1-2-12 | 16.7% | 22.2% | 33.3% |
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