昨年の勝ち馬ドウデュースは今年の日本ダービーを制覇。2018年の勝ち馬アドマイヤマーズは翌春のNHKマイルCを勝って、年末には香港マイルを優勝、同3着のグランアレグリアは翌年の桜花賞を勝った後、古馬になってから短距離GⅠ・5勝の活躍を見せた。この2歳マイル王者を決定する一戦は、翌年の3歳GⅠ戦線を占うだけでなく、その後の短距離戦線での活躍を期する馬たちによって争われる。今回は阪神競馬場で行われるようになった2014年以降のデータから、レースの傾向を分析する。
過去8年で単勝1番人気が4着以下に敗れたのは、2016年のミスエルテ(4着)だけだ。また、2番人気も3着以内が5回あり、3着内率は62.5%という高い数値になっている。対して、4、5番人気は計16頭で3着以内が1回だけと不振傾向にある。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-2-2-1 | 37.5% | 62.5% | 87.5% |
2番人気 | 2-2-1-3 | 25.0% | 50.0% | 62.5% |
3番人気 | 1-1-1-5 | 12.5% | 25.0% | 37.5% |
4番人気 | 0-0-1-7 | 0% | 0% | 12.5% |
5番人気 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
6〜9番人気 | 2-2-0-28 | 6.3% | 12.5% | 12.5% |
10番人気以下 | 0-1-3-54 | 0% | 1.7% | 6.9% |
過去8年の連対馬16頭中13頭はデビュー戦で1着だった。残る2頭も同2着となっており、デビュー戦で3着以下に敗れていた馬は連対がなく、3着が3回あるだけ。軸馬はデビュー戦で1、2着だった馬から選ぶのが得策だろう。〔表2〕
着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 5-8-3-54 | 7.1% | 18.6% | 22.9% |
2着 | 3-0-2-23 | 10.7% | 10.7% | 17.9% |
3着 | 0-0-1-12 | 0% | 0% | 7.7% |
4着 | 0-0-1-4 | 0% | 0% | 20.0% |
5着 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
6〜9着 | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
10着以下 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去8年の優勝馬8頭中7頭は、前走の4コーナーを2番手から4番手で通過していた。出走頭数は2番手から4番手が58頭、5番手から9番手が46頭で、この2組で出走馬のほとんどを占めているが、3着以内馬の数では2番手から4番手が16頭、5番手から9番手が6頭で、倍以上の差がある。前走の4コーナーの通過順もチェックしておきたい。〔表3〕
通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
先頭 | 0-0-1-15 | 0% | 0% | 6.3% |
2〜4番手 | 7-4-5-42 | 12.1% | 19.0% | 27.6% |
5〜9番手 | 1-3-2-40 | 2.2% | 8.7% | 13.0% |
10番手以下 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
過去8年の出走馬のうち、JRA重賞勝ちの実績があった馬は33頭が出走して12頭が3着以内に入り、3着内率は36.4%となっている。また、JRA重賞に出走したことがなかった馬は47頭が出走して7頭が3着以内に入り、うち5頭が優勝している。3着以内数、3着内率などの数字は重賞勝ちの実績があった馬が勝るものの、当レースが重賞初出走となった馬も軽視は禁物と言えそうだ。これらに対し、重賞に出走経験があったものの、最高着順が2着以下だった馬は1着がなく、2着と3着が計5回と苦戦傾向にある。重賞に出走歴がありながら、2着以下の経験しかない馬は割り引いて考えた方がよさそうだ。〔表4〕
最高着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 3-5-4-21 | 9.1% | 24.2% | 36.4% |
2着 | 0-1-1-16 | 0% | 5.6% | 11.1% |
3着 | 0-0-1-10 | 0% | 0% | 9.1% |
4着 | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
5着 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
6〜9着 | 0-1-0-11 | 0% | 8.3% | 8.3% |
10着以下 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
重賞未出走 | 5-0-2-40 | 10.6% | 10.6% | 14.9% |
過去8年の優勝馬8頭について、デビュー戦から前走までの単勝人気をチェックすると、8頭とも全てのレースで2番人気以内に支持されていた。デビュー戦以降、常に上位人気に支持されていたような馬が優勝候補になりそうだ。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 最低単勝人気 |
---|---|---|
2014年 | ダノンプラチナ | 1番人気 |
2015年 | リオンディーズ | 1番人気 |
2016年 | サトノアレス | 2番人気 |
2017年 | ダノンプレミアム | 2番人気 |
2018年 | アドマイヤマーズ | 1番人気 |
2019年 | サリオス | 2番人気 |
2020年 | グレナディアガーズ | 2番人気 |
2021年 | ドウデュース | 2番人気 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。