2021年の3着馬ギルデッドミラーは、単勝オッズ38.0倍の13番人気にとどまっていた馬である。重賞として行われた2015年以降の3着以内馬延べ21頭中、ちょうど3分の1にあたる7頭は、同20倍以上だった。2016年が3連単1万7140円、2019年が同1万5280円だったように、堅い決着となった年もあるが、伏兵の台頭をしっかり警戒しておくべきレースと言えるだろう。今回はオープン特別として行われていた2014年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中22頭は、馬番が1番から9番だった。一方、10番から16番だった馬は3着内率12.5%とやや苦戦している。〔表1〕
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜9番 | 7-8-7-68 | 7.8% | 16.7% | 24.4% |
10〜16番 | 3-2-3-56 | 4.7% | 7.8% | 12.5% |
さらに、過去4年に絞ってみると、3着以内馬延べ12頭中10頭は馬番が1番から9番だった。一方、10番から16番だった馬は3着内率が7.1%にとどまっている。近年の傾向からも、外枠劣勢なレースと言えそうだ。〔表2〕
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜9番 | 3-4-3-26 | 8.3% | 19.4% | 27.8% |
10〜16番 | 1-0-1-26 | 3.6% | 3.6% | 7.1% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、年齢が4歳以下だった。一方、5歳以上だった馬は3着内率9.2%と苦戦している。比較的若い世代の馬を重視するべきだろう。〔表3〕
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳以下 | 9-9-6-65 | 10.1% | 20.2% | 27.0% |
5歳以上 | 1-1-4-59 | 1.5% | 3.1% | 9.2% |
なお、年齢が5歳以上だったにもかかわらず3着以内に入った6頭のうち4頭は、“前年以降に中山・芝1600メートルで行われた重賞”において3着以内に入った経験のある馬だった。5歳以上の馬であっても、中山・芝1600メートルに十分な実績がある馬は、相応に高く評価したい。〔表4〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 1-1-2-5 | 11.1% | 22.2% | 44.4% |
なし | 0-0-2-54 | 0% | 0% | 3.6% |
過去6年の3着以内馬延べ18頭中17頭は、“同年の出走頭数が12頭以上だったJRA重賞”において4着以内に入った経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率2.0%と苦戦している。年明け以降、かつ出走頭数が12頭以上の重賞で上位に入っていない馬は割り引きが必要だ。〔表5〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-5-6-30 | 12.8% | 23.4% | 36.2% |
なし | 0-1-0-48 | 0% | 2.0% | 2.0% |
過去6年の3着以内馬延べ18頭中16頭は、“前年以降のJRA・GⅠ”に出走した経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率4.8%と苦戦している。2021年以降のGⅠに出走していない馬は、たとえ近走成績が良くても過信禁物とみるべきだろう。〔表6〕
(伊吹 雅也)
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-4-6-38 | 11.1% | 18.5% | 29.6% |
なし | 0-2-0-40 | 0% | 4.8% | 4.8% |
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