牝2歳
調教師:矢作芳人(栗東)
前走のアルテミスSを上がり3ハロン33秒0(推定)の末脚で差し切り、デビューから2連勝を飾った。半姉ナミュール(父ハービンジャー)は昨年の本レースで1番人気4着。そのリベンジも果たせるか、注目だ。
7月のメイクデビュー小倉(芝1800メートル)は後方から徐々にポジションを上げ、直線で鋭く伸びて快勝した。前走のアルテミスSでは出遅れて後方2番手を追走。それでも直線で外に持ち出すとグングン伸び、上がり3ハロン33秒0(推定)の末脚で差し切った。騎乗した坂井瑠星騎手は「少し仕掛けて“勝てるな”という手応えでした。初めて乗せていただいた時から重賞を勝てると思っていましたし、GⅠへ行くべき馬だと思います」と勝利をかみしめる。素質馬の宝庫・矢作芳人厩舎から誕生した新たなスター候補が、無敗でGⅠ獲りに挑む。
牝2歳
調教師:中内田充正(栗東)
新潟のデビュー戦は上がり3ハロン31秒4(推定)の末脚で差し切った。単勝オッズ1.4倍だった前走は、追い出しを待たされながらも2着を確保。今回は初めての右回りコースになるが、非凡な末脚を発揮できれば反撃可能だ。
メイクデビュー新潟(芝1600メートル)は、JRA史上最速タイとなる上がり3ハロン31秒4(推定)の末脚で差し切った。2戦目のアルテミスSは単勝オッズ1.4倍の断然人気に支持されたが、直線で他馬に囲まれてなかなか追い出せず、ゴール前で迫るもクビ差届かなかった。手綱を取った川田将雅騎手は「内枠(3枠3番)、人気もしていたということで、進路のない競馬になってしまいました。それでも能力の高さを確認できました」と、パートナーへの信頼は揺るぎない。管理する中内田充正調教師は2018年ダノンファンタジー以来の本レース制覇に挑む。
牝2歳
調教師:高柳瑞樹(美浦)
10番人気だった前走のファンタジーSは先手を奪って逃げ切った。芝1200メートルと芝1400メートルで連勝中。スピードの勝ったタイプだけに、さらに200メートルの距離延長に対応できるかどうかが鍵になる。
デビュー2戦目の未勝利(新潟・芝1200メートル)は好位から抜け出して初勝利。前走のファンタジーSは10番人気の伏兵ながら先手を奪うと、直線もしぶとく粘って重賞初制覇を飾った。デビューから3戦連続でコンビを組む石橋脩騎手は「今回(ファンタジーS)はさらにスタートが良かったです。真面目に集中して走れていましたね。新馬戦から乗せてもらって、期待している馬なので、結果を出せて良かったです」と勝利を喜んだ。管理する高柳瑞樹厩舎はスターズオンアースで今年の牝馬二冠を制した。新たなヒロイン候補が、まずは2歳女王の座を目指す。
牝2歳
調教師:高橋康之(栗東)
前走の札幌2歳Sは外から差し切り勝ち。デビューから3戦連続でメンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマークしている。過去10年の札幌2歳Sを制した牝馬のうち、2013年レッドリヴェール、2020年ソダシは本レースも制した。偉大な先輩たちに続きたい。
夏の札幌で3戦して未勝利(芝1800メートル)、札幌2歳Sを連勝中。3戦連続でメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)をマークした。今回は約3か月ぶりのレースとなるが、先月末に行われた1週前追い切りでは、栗東CWコースで3頭併せの内から鋭く伸びて最先着。ラスト1ハロンは11秒3という好時計だった。追い切りに騎乗した斎藤新騎手は「トモがしっかりして、走りのバランスも良くなりました」と成長を口にする。また、初めてのマイル戦についても、「センスのいい馬なので、こなしてくれると信じて乗りたいです」と期待を込めている。
牝2歳
調教師:小島茂之(美浦)
連闘で挑んだ新潟2歳Sで重賞初制覇。過去10年、新潟2歳Sを制した牝馬は3頭が本レースに直行で出走し、2013年ハープスターが2着、2016年ヴゼットジョリーが5着、2019年ウーマンズハートが4着と大きくは崩れていない。本馬も上位争いが可能だろう。
マイルに距離を延ばした2戦目で初勝利。そこから連闘で挑んだ新潟2歳Sは、勝負どころでのロスのないレース運びが光った。直線は馬群の内2頭目から抜け出し、外から強襲したライバル勢を抑えてV。連闘での2歳重賞Vは2014年函館2歳Sのアクティブミノル以来8年ぶりだった。その後は放牧を挟み、先月中旬に美浦トレーニング・センターから栗東トレーニング・センターへ移動して調整中。1日の1週前追い切りで初めて騎乗した和田竜二騎手は「乗りやすくて反応も良かったです。瞬発力もありそうですね」と期待の口ぶりだった。自慢の末脚はGⅠのメンバーが相手でも引けを取らないはずだ。
牝2歳
調教師:池添学(栗東)
函館2歳Sに続く重賞連勝を狙った前走のファンタジーSは、後方待機から直線大外に持ち出して2着まで浮上した。上がり3ハロンタイムはメンバー中最速(推定)。レースぶりからはマイルの距離にも対応できそうだ。
夏の函館で2連勝。函館2歳Sは直線鋭く伸びて豪快に差し切った。騎乗した鮫島克駿騎手は「直線を向くまで、馬のリズムでしっかり走れればと思っていました。仕上がりも抜群でしたよ」と振り返った。約3か月半ぶりだった前走のファンタジーSは、メンバー中最速となる上がり3ハロン34秒2(推定)の末脚で2着に浮上。鮫島克駿騎手は「1400メートルの距離でもムキにならないか確認しながら道中を進めました。次につながるレースができたと思います」と納得の表情を浮かべた。前走の内容から、さらに200メートル距離が延びても対応可能だろう。
牝2歳
調教師:木村哲也(美浦)
初戦は好位から押し切り、前走はしっかり脚をためて差し切った。異なる脚質で連勝しており、レースセンスが光る。全兄ステルヴィオは2018年マイルチャンピオンシップの優勝馬。本馬もマイルへの距離延長には対応可能だろう。
デビューからの2戦はともに3馬身以上の着差で快勝。約4か月ぶりだった前走のオープン特別・もみじS(阪神・芝1400メートル)は馬体が10キログラム増え、たくましくなった姿を見せた。レースはスタートのタイミングが合わず中団からになったが、次元の違う末脚で楽々と差し切りV。騎乗したC.ルメール騎手は「外に出していい脚を使いましたね。5番手からの競馬で、いい勉強になりました。マイルの距離も問題ないと思います」と感触を口にした。阪神への長距離輸送も経験済み。余裕のある勝ちっぷりからも、距離延長への不安はなさそうだ。
牝2歳
調教師:武藤善則(美浦)
東京のデビュー戦は上がり3ハロン33秒0(推定)の末脚を発揮して3馬身差の快勝。前走は2番手から楽に抜け出して連勝した。今回は初めての長距離輸送でレースに挑むが、平常心で臨むことができればチャンスはありそうだ。
6月のメイクデビュー東京(芝1600メートル)は3馬身差の快勝だった。2戦目は距離を延ばしてオープン特別・コスモス賞(札幌・芝1800メートル)に出走。初戦より行きっぷりが良く2番手に取りつくと、危なげなく押し切った。騎乗した武藤雅騎手は「先頭に立ってフワッとするところがありましたが、それでも押し切れるのは確かな能力の証ですね」と評価した。6月1週目の東京・芝マイルのメイクデビューを勝ち上がった馬は、2017年以降、ステルヴィオ、グランアレグリア、サリオスがGⅠ馬に出世している。本馬も偉大な先輩たちに続けるか、注目だ。
(寺下 厚司)
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