2020年と2021年のマイルチャンピオンシップは阪神競馬場で行われ、2年連続で単勝1番人気の支持を集めたグランアレグリアが優勝。同馬はJRA賞最優秀短距離馬に2年連続で選出された。引き続き阪神での開催となる今年も、マイル路線の王者を決める一戦となりそうだ。ここでは過去10年の結果からレースの傾向を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中25頭が5番人気以内だった。10番人気以下の馬が馬券に絡んだことはなく、6番人気以下で連対したのは2014年1着のダノンシャークだけ。伏兵馬が2着以内に食い込む可能性はかなり低そうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-2-2-4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-4-0-5 | 10.0% | 50.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-4-0-4 | 20.0% | 60.0% | 60.0% |
4番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 1-0-3-6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 1-0-4-35 | 2.5% | 2.5% | 12.5% |
10番人気以下 | 0-0-0-85 | 0% | 0% | 0% |
前走の単勝人気別成績も調べてみると、過去10年の3着以内馬延べ30頭中28頭が前走で5番人気以内だった。また、3着以内馬のうちマイルチャンピオンシップでの単勝人気が6番人気以下だった5頭も、前走では5番人気以内に推されていた。当レース、前走共に6番人気以下というような馬は、データ的には軽視してもよさそうだ。〔表2〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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1番人気 | 3-3-2-21 | 10.3% | 20.7% | 27.6% |
2番人気 | 4-2-4-15 | 16.0% | 24.0% | 40.0% |
3番人気 | 2-2-0-18 | 9.1% | 18.2% | 18.2% |
4番人気 | 0-3-1-18 | 0% | 13.6% | 18.2% |
5番人気 | 0-0-2-12 | 0% | 0% | 14.3% |
6〜9番人気 | 0-0-1-29 | 0% | 0% | 3.3% |
10番人気以下 | 1-0-0-32 | 3.0% | 3.0% | 3.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中28頭は5歳以下の馬で、7歳以上の馬は3着以内がない。6歳馬の好走も2015年2着のフィエロが最後となっており、近年の傾向を重視するのであれば、3歳から5歳の馬による争いと考えた方がいいかもしれない。〔表3〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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3歳 | 2-1-2-30 | 5.7% | 8.6% | 14.3% |
4歳 | 4-5-4-24 | 10.8% | 24.3% | 35.1% |
5歳 | 3-3-4-52 | 4.8% | 9.7% | 16.1% |
6歳 | 1-1-0-22 | 4.2% | 8.3% | 8.3% |
7歳以上 | 0-0-0-17 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走別成績を見ていくと、該当馬が5頭以上いたレースの中では天皇賞(秋)や安田記念など、前走がJRA・GⅠだった馬の好走率が比較的高くなっている。また、近年の優勝馬では、2018年ステルヴィオ、2019年インディチャンプの2頭が前走で毎日王冠に出走していた。さらに、前哨戦の一つである富士S組も2勝を挙げ、3着以内馬の数は最多の7頭となっている。一方、スワンS組は2着が4回あるものの、優勝できていない点に注意が必要だ。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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富士S | 2-3-2-43 | 4.0% | 10.0% | 14.0% |
毎日王冠 | 2-1-2-19 | 8.3% | 12.5% | 20.8% |
天皇賞(秋) | 2-1-2-7 | 16.7% | 25.0% | 41.7% |
スプリンターズS | 2-0-0-6 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
安田記念 | 1-1-0-4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
京都大賞典 | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
スワンS | 0-4-2-33 | 0% | 10.3% | 15.4% |
府中牝馬S | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
札幌記念 | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、JRA・GⅠで3着以内に入ったことがある馬だった。なかでも、同年の安田記念で3着以内に入っていた馬は〔4・3・1・9〕(3着内率47.1%)と半数近くが好走している。また、前年のマイルチャンピオンシップで3着以内だった馬も〔2・4・1・14〕(3着内率33.3%)で、2年連続で3着以内に入った馬が延べ7頭もいる。これらに該当する馬には特に注目しておきたい。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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あり | 10-8-7-79 | 9.6% | 17.3% | 24.0% |
なし | 0-2-3-66 | 0% | 2.8% | 7.0% |
2015年以降の優勝馬延べ7頭は、いずれも同年の上半期に重賞を勝っていた。さらに、同年の7月から9月に出走していなかった点も共通している。上半期に重賞を勝ち、夏場を休養に充てていた馬が候補になりそうだ。〔表6〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 同年上半期の重賞勝ち鞍 | 前走 | 2走前 |
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2015年 | モーリス | ダービー卿CT、安田記念 | 安田記念(6月) | ダービー卿CT(4月) |
2016年 | ミッキーアイル | 阪急杯 | スプリンターズS(10月) | 高松宮記念(3月) |
2017年 | ペルシアンナイト | アーリントンC | 富士S(10月) | 日本ダービー(5月) |
2018年 | ステルヴィオ | スプリングS | 毎日王冠(10月) | 日本ダービー(5月) |
2019年 | インディチャンプ | 東京新聞杯、安田記念 | 毎日王冠(10月) | 安田記念(6月) |
2020年 | グランアレグリア | 安田記念 | スプリンターズS(10月) | 安田記念(6月) |
2021年 | グランアレグリア | ヴィクトリアマイル | 天皇賞(秋)(10月) | 安田記念(6月) |
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