今週の注目レース

菊花賞(GⅠ)

阪神競馬場 3000メートル(芝)馬齢 牡・牝 3歳オープン

データ分析

クラシック最終決戦の幕が開く

春に行われた二冠(皐月賞、日本ダービー)からひと夏を越し、クラシック三冠の最終戦となるのがこの菊花賞だ。出走馬にとって未知の距離となる3000メートルを舞台に、菊花賞馬の称号を争う。昨年に続き阪神競馬場で行われるが、ここでは過去10年の結果を分析する。

10番人気以下はかなり苦戦

過去10年の単勝人気別成績では1番人気馬が5勝を挙げるなど、上位人気馬の優勝が多くなっているが、2番人気馬は優勝がなく3着内率も20.0%にとどまっている。また、下位人気馬に目を移すと、6番人気から9番人気の馬は7頭が3着以内に入っているものの、10番人気以下の馬は90頭が出走して3着以内に入ったのは3頭のみ。10番人気以下の馬が好走する確率はかなり低くなっている。〔表1〕

〔表1〕単勝人気別成績(過去10年)
単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5-0-2-3 50.0% 50.0% 70.0%
2番人気 0-2-0-8 0% 20.0% 20.0%
3番人気 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
5番人気 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
6〜9番人気 1-2-4-33 2.5% 7.5% 17.5%
10番人気以下 0-1-2-87 0% 1.1% 3.3%

前走で重賞に出走していた馬が中心

過去10年の3着以内馬30頭のうち、半数の15頭は前走で菊花賞のトライアル競走である神戸新聞杯に出走していた。また、同じトライアル競走であるセントライト記念組も7頭が3着以内に入っており、3着以内馬の大半はトライアル競走から臨んできた馬となっている。一方、2勝クラスから臨んだ馬は3着が5回あるものの、連対を果たしたのは1頭だけで、連対馬20頭中19頭は前走で重賞に出走していた馬となっている。〔表2〕

〔表2〕前走別成績(過去10年)
前走 成績 勝率 連対率 3着内率
神戸新聞杯 7-4-4-50 10.8% 16.9% 23.1%
セントライト記念 2-4-1-46 3.8% 11.3% 13.2%
ラジオNIKKI賞 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
札幌記念 0-1-0-2 0% 33.3% 33.3%
3勝クラス 0-0-0-5 0% 0% 0%
2勝クラス 0-1-5-35 0% 2.4% 14.6%
その他のレース 0-0-0-11 0% 0% 0%

前走3着以内馬が圧倒

過去10年の前走の着順別の成績では、3着以内馬30頭中26頭が前走でも3着以内に入っていた。昨年は前走13着のタイトルホルダーが優勝を飾ったが、前走で4着以下に敗れていた馬は過去10年で〔1・1・2・75〕(3着内率5.1%)と、かなり苦戦している。基本的には前走3着以内の馬を重視するのが得策だろう。〔表3〕

〔表3〕前走の着順別成績(過去10年)
前走の着順 成績 勝率 連対率 3着内率
1着 5-1-6-43 9.1% 10.9% 21.8%
2着 2-5-2-16 8.0% 28.0% 36.0%
3着 2-3-0-16 9.5% 23.8% 23.8%
4着 0-0-1-10 0% 0% 9.1%
5着 0-0-1-14 0% 0% 6.7%
6〜9着 0-1-0-32 0% 3.0% 3.0%
10着以下 1-0-0-19 5.0% 5.0% 5.0%

クラシックでの戦績に注目

過去10年の出走馬について、春の二冠(皐月賞、日本ダービー)での最高着順別に成績をまとめると、春の二冠のいずれかで5着以内に入っていた馬は〔6・3・3・22〕(3着内率35.3%)という成績を残しているのに対し、6着以下しかなかった馬は〔0・3・0・54〕(3着内率5.3%)とかなりの苦戦傾向にある。また、春の二冠に出走していなかった馬は3着以内に15頭が入っている。春のクラシックで6着以下しかなかった馬より、菊花賞がクラシック初出走となる馬を狙ってみるのがよさそうだ。〔表4〕

〔表4〕春のクラシックでの最高着順別成績(過去10年)
最高着順 成績 勝率 連対率 3着内率
1着 2-0-0-4 33.3% 33.3% 33.3%
2着 3-1-1-2 42.9% 57.1% 71.4%
3着 1-0-0-7 12.5% 12.5% 12.5%
4着 0-2-1-5 0% 25.0% 37.5%
5着 0-0-1-4 0% 0% 20.0%
6〜9着 0-1-0-19 0% 5.0% 5.0%
10着以下 0-2-0-35 0% 5.4% 5.4%
春のクラシック不出走 4-4-7-74 4.5% 9.0% 16.9%
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前走とそこでの単勝人気をチェック

2016年以降の優勝馬6頭は、いずれも前走で重賞に出走しており、そこで単勝3番人気以内に支持されていた。優勝馬を予想する際は、これに一致する馬から選んでみるのも面白そうだ。〔表5〕

(河野 道夫)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表5〕優勝馬の前走の単勝人気(過去6年)
年度 優勝馬 前走の単勝人気
2016年 サトノダイヤモンド 1番人気(神戸新聞杯)
2017年 キセキ 2番人気(神戸新聞杯)
2018年 フィエールマン 1番人気(ラジオNIKKEI賞)
2019年 ワールドプレミア 3番人気(神戸新聞杯)
2020年 コントレイル 1番人気(神戸新聞杯)
2021年 タイトルホルダー 1番人気(セントライト記念)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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