2021年の秋華賞は、単勝オッズ10倍未満の3頭が1着から3着を占め、3連単の配当は2万6410円にとどまった。3連単が発売されるようになった2004年以降の計18回中、3連単の配当が2万円を下回ったのは8回、そのうち1万円を下回ったのは4回を数える。一方、10万円を上回ったのは3回だけである。2008年に1098万2020円の超高額配当が飛び出しているものの、基本的には堅く収まりがちなレースだ。今回は京都競馬場で行われた2020年以前を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の3着以内馬30頭中24頭は所属が栗東だった。一方、美浦所属の馬は3着内率8.7%と苦戦している。ちなみに、美浦所属馬で3着以内に入った6頭中4頭は国枝栄厩舎の所属馬だった。〔表1〕
所属 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 2-4-0-63 | 2.9% | 8.7% | 8.7% |
栗東 | 8-6-10-82 | 7.5% | 13.2% | 22.6% |
過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、前走の着順が5着以内だった。一方、6着以下だった馬は3着内率3.4%と苦戦している。〔表2〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 10-10-8-89 | 8.5% | 17.1% | 23.9% |
6着以下 | 0-0-2-56 | 0% | 0% | 3.4% |
なお、過去5年の3着以内馬15頭中14頭は、前走の着順が4着以内だった。近年の傾向から、前走で5着以下だった馬は割り引きが必要だ。〔表3〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 5-5-4-43 | 8.8% | 17.5% | 24.6% |
5着以下 | 0-0-1-28 | 0% | 0% | 3.4% |
過去10年の3着以内馬30頭中23頭は、前走の4コーナー通過順が5番手以下だった。一方、4番手以内だった馬は3着内率9.7%と苦戦している。〔表4〕
前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4番手以内 | 1-3-3-65 | 1.4% | 5.6% | 9.7% |
5番手以下 | 9-7-7-80 | 8.7% | 15.5% | 22.3% |
なお、前走の4コーナー通過順が4番手以内だったにもかかわらず3着以内に入った7頭のうち4頭は、父がディープインパクトだった。前走の4コーナーを4番手以内で通過していて、なおかつ父にディープインパクト以外の種牡馬を持つ馬は、過信禁物とみるべきだろう。〔表5〕
父 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ディープインパクト | 1-2-1-10 | 7.1% | 21.4% | 28.6% |
ディープインパクト以外の種牡馬 | 0-1-2-55 | 0% | 1.7% | 5.2% |
過去10年の前走の単勝人気別成績を見ると、2番人気以内だった馬が3着内率33.9%と比較的優秀な成績を収めている。一方、7番人気以下だった馬は3着内率3.6%と苦戦している。前走の内容をチェックする際は、当時の単勝人気にも注目しておきたい。〔表6〕
前走の単勝人気 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2番人気以内 | 8-7-4-37 | 14.3% | 26.8% | 33.9% |
3〜6番人気 | 2-3-4-55 | 3.1% | 7.8% | 14.1% |
7番人気以下 | 0-0-2-53 | 0% | 0% | 3.6% |
過去5年の3着以内馬15頭中9頭は、オークスにおいて5着以内に入っていた。該当馬は3着内率も56.3%と優秀な水準に達している。牝馬クラシック競走のオークスで上位となっていた馬は、今回も素直に信頼してよさそうだ。〔表7〕
着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 5-3-1-7 | 31.3% | 50.0% | 56.3% |
6着以下、不出走 | 0-2-4-64 | 0% | 2.9% | 8.6% |
なお、オークスで6着以下、もしくは不出走だったにもかかわらず当レースで3着以内に入った6頭のうち5頭は、“同年8月以降のJRAの2勝クラス以上、かつ芝1800メートル以上のレース”において1着となった経験のある馬だった。今年8月以降に芝中長距離、かつ2勝クラス以上のレースを勝っていた馬は、オークスの上位馬でなくとも高く評価すべきだろう。〔表8〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 0-2-3-7 | 0% | 16.7% | 41.7% |
なし | 0-0-1-57 | 0% | 0% | 1.7% |
過去9年の優勝馬9頭は、いずれも前走の出走頭数が17頭以上だった。少頭数のレースを経由してきた馬が勝ち切れていない点に注意したい。また、この9頭は前走の着順が4着以内だった点、前走の4コーナー通過順が5番手以下だった点、前走の単勝人気が4番人気以内だった点も共通している。〔表3〕から〔表7〕で挙げた傾向なども考慮して選びたいところだ。〔表9〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 前走の出走頭数 | 前走の着順 | 前走の4コーナー通過順 | 前走の単勝人気 |
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2013年 | メイショウマンボ | 18頭 | 4着 | 9番手 | 4番人気 |
2014年 | ショウナンパンドラ | 18頭 | 2着 | 6番手 | 1番人気 |
2015年 | ミッキークイーン | 17頭 | 2着 | 17番手 | 1番人気 |
2016年 | ヴィブロス | 18頭 | 2着 | 11番手 | 3番人気 |
2017年 | ディアドラ | 18頭 | 1着 | 11番手 | 1番人気 |
2018年 | アーモンドアイ | 17頭 | 1着 | 5番手 | 1番人気 |
2019年 | クロノジェネシス | 18頭 | 3着 | 5番手 | 2番人気 |
2020年 | デアリングタクト | 18頭 | 1着 | 13番手 | 1番人気 |
2021年 | アカイトリノムスメ | 18頭 | 2着 | 10番手 | 2番人気 |
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