昨年のエリザベス女王杯は、GⅠ初挑戦のアカイイトが単勝10番人気の低評価を覆して優勝した。同馬を含め、2012年レインボーダリア、2016年クイーンズリング、2018年リスグラシュー、2019年ラッキーライラックと、過去10年のエリザベス女王杯優勝馬のうち5頭が当レースから本番に臨んでいた。秋の女王決定戦を占う一戦には、どのような傾向があるのだろうか。過去10年の結果から、レースの特徴を探っていく。
過去10年の前走別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中17頭は前走が牡牝混合の重賞またはオープン特別で、そこで3着以内に入っていた馬は〔3・3・2・8〕と半数が馬券に絡んでいる。前走でオープンクラスの牡・せん馬を相手に好勝負を演じた馬は高く評価したいところだ。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡牝混合の重賞・オープン特別 | 6-7-4-38 | 10.9% | 23.6% | 30.9% |
牝馬限定重賞 | 3-3-5-50 | 4.9% | 9.8% | 18.0% |
3勝クラス | 1-0-1-20 | 4.5% | 4.5% | 9.1% |
2勝クラス | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走が牝馬限定重賞だった馬について、そのレース別に成績をまとめると、3着以内に入った馬の大半がクイーンS組だった。出走頭数が2番目に多いヴィクトリアマイル組は2016年スマートレイアー(単勝1番人気)と2019年ラッキーライラック(同2番人気)の3着が最高で、ここ2年は2番人気に支持されたダノンファンタジー(2020年6着)とデゼル(2021年16着)が共に6着以下と、期待に応えられなかったことは覚えておいた方がよさそうだ。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
クイーンS | 3-3-3-23 | 9.4% | 18.8% | 28.1% |
ヴィクトリアマイル | 0-0-2-11 | 0% | 0% | 15.4% |
マーメイドS | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
中山牝馬S | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
地方・海外のレース | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の騎手別成績を見ていくと、3着以内馬延べ30頭中19頭は前走と同じ騎手が騎乗していた。その中でも、栗東所属の騎手が連続で騎乗していた馬が2018年から4連勝中。このケースは〔6・3・1・21〕(勝率19.4%、連対率29.0%、3着内率32.3%)と好走率も高い。栗東所属の騎手が前走から続けて騎乗している馬は要注目だろう。〔表3〕
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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前走と同じ | 8-4-7-52 | 11.3% | 16.9% | 26.8% |
乗り替わり | 2-6-3-57 | 2.9% | 11.8% | 16.2% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中28頭は、JRA重賞で3着以内に入った経験がある馬だった。特に、ここ5年は芝1800メートルのJRA重賞で3着以内に入っていた馬が〔5・3・2・17〕(3着内率37.0%)と活躍している。2020年に単勝7番人気で優勝したサラキアや、2019年に9番人気で2着に入ったフロンテアクイーンなど伏兵の台頭も見られることから、この距離の重賞で好走したことがある馬は人気薄でも侮れないだろう。〔表4〕
(高那実 マヤ)
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-10-9-70 | 9.2% | 19.4% | 28.6% |
なし | 1-0-1-39 | 2.4% | 2.4% | 4.9% |
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