1950年に創設された秋の東京の名物重賞。1着馬には天皇賞(秋)の優先出走権が与えられるが、マイルチャンピオンシップを目指す馬や、古馬に初挑戦する3歳馬の出走もあり、毎年のように見どころの多いレースになる。今回も過去10年の結果から好走馬の傾向を探ってみる。
毎日王冠は複数のGⅠの前哨戦に位置付けられているためハイレベルなメンバー構成になりやすいが、過去10年で1番人気が7勝を挙げている。逆に、6番人気以下の成績は低調で2015年以降は連対していない。軸馬は上位人気馬から選ぶようにしたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 7-0-0-3 | 70.0% | 70.0% | 70.0% |
2〜5番人気 | 2-7-6-25 | 5.0% | 22.5% | 37.5% |
6番人気以下 | 1-3-4-68 | 1.3% | 5.3% | 10.5% |
なお、単勝オッズ別成績では15.0倍あたりが分水嶺になりそう。6番人気以下や、15.0倍以上の馬は、ヒモ候補にとどめておくのが正解だろう。〔表2〕
単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
14.9倍以下 | 10-8-6-33 | 17.5% | 31.6% | 42.1% |
15.0倍以上 | 0-2-4-63 | 0% | 2.9% | 8.7% |
過去10年の年齢別成績で最も勝率が高いのは3歳馬。特に牡牝混合GⅠで連対経験のあった3歳馬が〔4・1・0・2〕と安定感のある成績を残している。また4歳から6歳で連対した延べ14頭のうち、10頭に東京競馬場の重賞で優勝経験があった。GⅠ好走歴のある3歳馬がいるようならマーク、4歳から6歳の馬を狙うときは東京コースでの重賞実績を参考にしたい。〔表3〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 4-2-0-11 | 23.5% | 35.3% | 35.3% |
4歳 | 3-2-5-19 | 10.3% | 17.2% | 34.5% |
5歳 | 2-3-3-25 | 6.1% | 15.2% | 24.2% |
6歳 | 1-3-1-19 | 4.2% | 16.7% | 20.8% |
7歳以上 | 0-0-1-22 | 0% | 0% | 4.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中、29頭は前走が重賞(海外含む)だった。前走がオープン特別だった馬や、3勝クラスからの昇級初戦となる馬は厳しそうだ。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA重賞 | 9-10-9-84 | 8.0% | 17.0% | 25.0% |
海外重賞 | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
重賞以外 | 0-0-1-8 | 0% | 0% | 11.1% |
地方競馬 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
前走が重賞だった馬が有力なのはすでに述べたとおり。さらに優勝馬に限定すると、春もしくは夏の東京開催の重賞で上位人気に応えて好走し、満を持して秋初戦に挑む馬の勝率が高い。具体的に言うと、過去10年の優勝馬10頭のうち7頭は、前走が春もしくは夏の東京開催の重賞で、そこで5番人気以内に支持されて3着以内に入っていた。その他の臨戦過程の馬の優勝もあるが、現在はこれに当てはまる馬が4連勝中となっている。〔表5〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走 | 前走人気 | 前走着順 |
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2012年 | カレンブラックヒル | NHKマイルC | 1番人気 | 1着 |
2013年 | エイシンフラッシュ | QEⅡ世C | ー | 3着 |
2014年 | エアソミュール | 札幌記念 | 5番人気 | 5着 |
2015年 | エイシンヒカリ | エプソムC | 2番人気 | 1着 |
2016年 | ルージュバック | エプソムC | 1番人気 | 1着 |
2017年 | リアルスティール | 中山記念 | 2番人気 | 8着 |
2018年 | アエロリット | 安田記念 | 5番人気 | 2着 |
2019年 | ダノンキングリー | 日本ダービー | 3番人気 | 2着 |
2020年 | サリオス | 日本ダービー | 2番人気 | 2着 |
2021年 | シュネルマイスター | 安田記念 | 4番人気 | 3着 |
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