2021年のセントウルSは単勝オッズ1.9倍(1番人気)のレシステンシアが優勝を果たし、3連単の配当が5320円にとどまった。セントウルSにおいて1番人気に支持された馬は、2016年から6連勝中で、2012年から10年連続で連対している。2020年に単勝オッズ67.6倍(12番人気)のメイショウグロッケが2着に入るなど、人気薄の馬が上位に食い込んだ例も決して少なくないとはいえ、今年もまずは人気の中心となっている馬に注目すべきだろう。今回は阪神・芝1200メートルで行われた2019年以前を含む、過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中23頭は、年齢が5歳以下だった。一方、6歳以上だった馬は3着内率10.8%とやや苦戦している。6歳以上の馬は割り引きが必要だ。〔表1〕
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5歳以下 | 10-8-5-61 | 11.9% | 21.4% | 27.4% |
6歳以上 | 0-2-5-58 | 0% | 3.1% | 10.8% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中9頭は、前走がGⅠ・GⅡだった。該当馬は3着内率も37.5%と優秀な水準に達している。格の高いレースを経由してきた馬は相応に高く評価すべきだろう。〔表2〕
前走の条件 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ・GⅡ | 5-2-2-15 | 20.8% | 29.2% | 37.5% |
GⅠ・GⅡ以外 | 5-8-8-104 | 4.0% | 10.4% | 16.8% |
なお、前走がGⅠ・GⅡ以外だった馬のうち、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.4秒以上だった馬は3着内率8.0%と苦戦している。前走が格の高いレースでなかったにもかかわらず大敗を喫していた馬は、上位に食い込む可能性が低いとみておきたい。〔表3〕
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前走の着順ならびに前走の1着馬とのタイム差 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.3秒以内 | 5-6-4-35 | 10.0% | 22.0% | 30.0% |
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.4秒以上 | 0-2-4-69 | 0% | 2.7% | 8.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中22頭は、同年のJRA重賞において2着以内に入った経験がある馬だった。該当馬は3着内率も48.9%と優秀な水準に達している。既に2022年の重賞で連対している馬は有力とみてよさそうだ。〔表4〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-8-5-23 | 20.0% | 37.8% | 48.9% |
なし | 1-2-5-96 | 1.0% | 2.9% | 7.7% |
なお、同年のJRA重賞において2着以内に入った経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った8頭のうち6頭は、前走の着順が5着以内、かつ出走頭数が17頭以上だった。2022年の重賞で連対していない馬同士を比較する際は、多頭数のレースで5着以内に入った直後の馬を重視するべきだろう。〔表5〕
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前走の着順ならびに出走頭数 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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着順が5着以内、かつ出走頭数が17頭以上 | 1-1-4-12 | 5.6% | 11.1% | 33.3% |
着順が6着以下、もしくは出走頭数が16頭以下 | 0-1-1-84 | 0% | 1.2% | 2.3% |
中京・芝1200メートルで行われた過去2年の3着以内馬6頭は、いずれも前走の4コーナー通過順が6番手以内だった。今年も中京・芝1200メートルで行われるので、前走の4コーナーを7番手以下で通過していた馬は過信禁物とみておきたい。〔表6〕
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前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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6番手以内 | 2-2-2-13 | 10.5% | 21.1% | 31.6% |
7番手以下 | 0-0-0-15 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬延べ10頭は、いずれも前走が重賞、かつ同年3月以降のJRA重賞において5着以内に入った経験がある馬だった。なお、この10頭は年齢が5歳以下だった点も共通している。ちなみに、2007年から2011年の優勝馬5頭も、これらの条件を全てクリアしていた。重賞以外のレースを経由してきた馬、ここ半年の重賞で5着以内に入っていない馬、そして6歳以上の馬は、勝つ可能性が低いとみるべきだろう。〔表7〕
(伊吹 雅也)
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年次 | 優勝馬 | 前走(格) | 同年3月以降のJRA重賞における最高着順 | 年齢 |
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2012年 | エピセアローム | 北九州記念(GⅢ) | 2着(チューリップ賞) | 3歳 |
2013年 | ハクサンムーン | アイビスサマーダッシュ(GⅢ) | 1着(アイビスサマーダッシュ) | 4歳 |
2014年 | リトルゲルダ | 北九州記念(GⅢ) | 1着(北九州記念) | 5歳 |
2015年 | アクティブミノル | ニュージーランドT(GⅡ) | 2着(ファルコンS) | 3歳 |
2016年 | ビッグアーサー | 高松宮記念(GⅠ) | 1着(高松宮記念) | 5歳 |
2017年 | ファインニードル | 北九州記念(GⅢ) | 5着(北九州記念) | 4歳 |
2018年 | ファインニードル | チェアマンズスプリントプライズ(G1) | 1着(高松宮記念) | 5歳 |
2019年 | タワーオブロンドン | キーンランドC(GⅢ) | 1着(京王杯スプリングC) | 4歳 |
2020年 | ダノンスマッシュ | 安田記念(GⅠ) | 1着(京王杯スプリングCほか) | 5歳 |
2021年 | レシステンシア | ヴィクトリアマイル(GⅠ) | 2着(高松宮記念) | 4歳 |
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